【テイスティングコメント】
柑橘系の爽やかな香りから、ビワのような繊細なフルーツを思わせるトップノーズが印象的。この生産者の特徴でもある、ヨーグルトのような乳製品を思わせる香りが強く、そこにアリゴテらしい爽やかなハーヴァルなトーンが乗ってきます。この生産者のシャルドネと比べてもとても引き締まった雰囲気。デリケートな香りですが、味わいはパンチのある爽やかな酸味が印象的でした。最初はスムーズに入ってくるが、後半に広がっていく、まるでクレッシェンドしていく伸びやかな酸味が余韻を形成しています。全体の印象として熟度の高いアリゴテだなと感じました。なにより非常に造りが上手です。酸味が強調されるアリゴテの中で、クリーミーさやまろやかさ、ミッドパレットの厚みをしっかり感じることができます。注目すべき生産者だと思います。また全体から冷涼な2021年らしい爽やかさを感じられます。

【おすすめの楽しみ方】
すぐ開けて美味しいワインです。アリゴテは酸味から来る切れの良さ、活き活きとした感じが魅力的ですが、これが時間が経つと少しだれてきてしまうので、抜栓から2日目までには楽しんでいただければと思います。また温度は切れの良さを楽しむために低めがおすすめです。だいたい6-8℃くらいを想定して、冷蔵庫から出してすぐでも問題ないです。グラスは、温度が上がらないように、小ぶりのグラスがおすすめです。こちらのワインは香りもデリケートで魅力的なので、できるだけ口のすぼまったチューリップグラスが良いと思います。

合わせる料理でおすすめなのは「サーモンソテー　パセリソース」、「焼き鳥　もも/ソリレス塩焼き（ねぎま）」、「ホワイトアスパラガスのレモンオリーブオイルソテー」など。アリゴテ特有の断続的な長く続く酸味とヨーグルトを思わせるデリケートな風味は、風味が優しく脂質を多く含むリッチなサーモンや焼き鳥でも味わいの強いももやソリレスの塩焼きなどが合いそうです。パセリやねぎま、ホワイトアスパラなどの優しいグリーンノートや食感もアリゴテが持つ風味と相性が良いです。