2022サンテミリオン格付け
– Chateau Figeacがプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに昇格
- 2022.12.05
- ワインニュース
- 2022年格付け, Chateau Figeac, サンテミリオン, プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ
画像はChateau Figeac HPより
2022年サンテミリオン格付けが9月上旬に発表され、Chateau Figeacが念願のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに昇格したことが分かりました。
フランスの国立アペラシオン機関であるINAOは、9月8日、待望の2022年サンテミリオン格付けを発表し、多くの人に愛されるChateau Figeacをプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAの地位に昇格させました。
INAOが発表した新分類では、14のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセが認定され、そのうちFigeacとPavieの2つのエステートがプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAという頂点に立ちました。(2012年の分類ではAは4つ)
グラン・クリュ・クラッセに分類されるドメーヌは、2012年の64から増加し、71となりました。
Figeacの昇格以外では、新格付けに大きなサプライズはありませんでした。予想通り(そして過去14ヶ月間に広く報道されていた通り)、Chateaux Angelus, Ausone, Cheval Blanc(いずれも旧プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA)、La Gaffeliere(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ)は自らの意志で申請を取り下げました。
AusoneとCheval Blancは(Château Quinaut l’Enclos、La Clotteとともに)2021年7月に撤退を発表、Angélusは今年1月に撤退を決めていました。Château La Gaffelièreは今年6月に土壇場で辞退しており、降格の対象になったのではないかとの憶測を呼んでいました。
サンテミリオンワイン協議会の会長であるJean-François Galhaudは、“現在の格付けがワインの品質基準によるものから遠ざかっている”という脱退したドメーヌからの批判に応えたのか、評価におけるワインの品質の重要性を強調しています。
「この格付けは、数多くの詳細を考慮に入れながら作成されており、1つ1つは小さいですが、その総和としての格付けがシャトーの卓越性を保証しています。そして、最終的には、長い年月を経たワインの品質が、そのブドウ畑の素晴らしさと評判を決定するのです」
Galhaudは格付けを紹介する際にこのように述べています。
そして、その審査過程がより明らかになるよう、各ドメーヌの点数の割合は以下のように分類されています。
・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセのエステートの場合:
- ・テイスティング50%
- ・プロファイル20%(プロモーションなどの普及活動、流通量、国内外での評価)
- ・テロワール20%(土地基盤、均質性、テロワールの質)
- ・エステートマネジメント10%(ブドウ栽培とワイン醸造)
・グラン・クリュ・クラッセのエステートの場合:
- ・テイスティング50%
- ・プロファイル35%(プロモーションなどの普及活動、流通量、国内外での評価)
- ・テロワール10%(土地基盤、均質性、テロワールの質)
- ・エステートマネジメント5%(ブドウ栽培、ワイン醸造)
このニュースはFigeacにとって間違いなく喜ばしいことでしょう。なぜなら、前オーナーの故Thierry Manoncourt氏は数十年にわたって、このドメーヌが最高峰に属すると主張してきたからです。Manoncourt氏は、彼の飼い犬がアメリカの有名なワイン評論家Robert Parkerを噛んだというエピソードで知られる人物ですが、2010年に92歳で亡くなっており、念願のFigeacのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセA昇格は、彼が生きている間には叶いませんでした。
他に2022年にグラン・クリュ・クラッセのリストに昇格するのは、
Château Badette, Château Boutisse, Château Corbin Michotte, Château Croix de Labrie, Château Guadet, Château La Confession, Château La Croizille, Château Mangot, Château Montlabert, Château Montlisse, Château Rol Valentin, Château Tour Baladoz, Château Tour Saint Christophe, Clos Badon Thunevin, Clos Dubreuil, Clos Saint-Julien and Lassegue
といったドメーヌです。(こちらの称号とより広範なサンテミリオン・グラン・クリュの称号と混同しないようご注意ください)
Corbin Michotteのように、2012年にランキングから外され、今回再登場したドメーヌも幾つかあります。実際、Corbin Michotteは、サンテミリオンの格付けプロセス(INAOと地域のワイン協議会を経由して)において、降格をめぐって裁判を起こした有名な3つのドメーヌのうちの1つにあたります。
昇格の一方で、今回降格したのは、Château L’Arrosée(2013年にDillon/Château Quintusが買収)、Château Grand-Pontet(2021年にDillon/Château Quintusが買収)、Château Tertre Daugay(ただしこのシャトーはオーナーチェンジによりChâteau Quintusになり、その位置を保っているとは言えません)、Faurie de Souchard, Les Grandes Murailles, Château Pavie-Decesseといったシャトーです。
Clos FourtetのオーナーであるMatthieu Cuvelierが昨年Reiffers家からLes Grandes Muraillesを購入したため、Les Grandes MurailleはClos Fourtetの一部となりました。また、Château Pavie-DecesseはChâteau Pavieの所有に組み込まれたと言われています。
今回の格付けのリストは下記の通りです。
Premier Grand Cru Classé
Château BEAU-SEJOUR BECOT |
Château BEAUSEJOUR HERITIERS DUFFAU LAGARROSSE |
Château BELAIR MONANGE |
Château CANON |
Château CANON LA GAFFELIERE |
Château FIGEAC (A) |
Château LARCIS DUCASSE |
Château PAVIE (A) |
Château PAVIE MACQUIN |
Château TROPLONG MONDOT |
Château TROTTEVIEILLE |
Château VALANDRAUD |
CLOS FOURTET |
LA MONDOTTE |
Grand Cru Classé
Château BADETTE | Château FRANC MAYNE | Château MONTLABERT |
Château BALESTARD LA TONNELLE | Château GRAND CORBIN | Château MONTLISSE |
Château BARDE-HAUT | Château GRAND CORBIN-DESPAGNE | Château MOULIN DU CADET |
Château BELLEFONT-BELCIER | Château GRAND MAYNE | Château PEBY FAUGERES |
Château BELLEVUE | Château GUADET | Château PETIT FAURIE DE SOUTARD |
Château BERLIQUET | Château HAUT-SARPE | Château RIPEAU |
Château BOUTISSE | Château JEAN FAURE | Château ROCHEBELLE |
Château CADET-BON | Château LA COMMANDERIE | Château ROL VALENTIN |
Château CAP DE MOURLIN | Château LA CONFESSION | Château SAINT-GEORGES (COTE PAVIE) |
Château CHAUVIN | Château LA COUSPAUDE | Château SANSONNET |
Château CLOS DE SARPE | Château LA CROIZILLE | Château SOUTARD |
Château CORBIN | Château LA DOMINIQUE | Château TOUR BALADOZ |
Château CORBIN MICHOTTE | Château LA FLEUR MORANGE | Château TOUR SAINT CHRISTOPHE |
Château COTE DE BALEAU | Château LA MARZELLE | Château VILLEMAURINE |
Château CROIX DE LABRIE | Château LA SERRE | Château YON-FIGEAC |
Château DASSAULT | Château LA TOUR FIGEAC | CLOS BADON THUNEVIN |
Château DE FERRAND | Château LANIOTE | CLOS DE L’ORATOIRE |
Château DE PRESSAC | Château LARMANDE | CLOS DES JACOBINS |
Château DESTIEUX | Château LAROQUE | CLOS DUBREUIL |
Château FAUGERES | Château LAROZE | CLOS SAINT-JULIEN |
Château FLEUR CARDINALE | Château LE CHATELET | CLOS SAINT-MARTIN |
Château FOMBRAUGE | Château LE PRIEURE | COUVENT DES JACOBINS |
Château FONPLEGADE | Château MANGOT | LASSEGUE |
Château FONROQUE | Château MONBOUSQUET |
引用元: Figeac Finally First in New St-Emilion Classification
この記事は引用元からの許諾をいただき、Firadisが翻案しています。
文責はFiradisに帰属します。
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