抜栓1時間後くらいから全ての要素が主張を強めますが、バランスは素晴らしく保たれたまま。僕がこのワインのピーク地点を感じたのは抜栓3時間後くらいからで、果実の甘味と酸・渋みが最良のバランスで円を描いているよう。
ちょっと語弊があるかもしれませんが、僕はこのワインを飲んでいる時「いちご大福」を思い浮かべました。餡の濃密な甘さと旨みに、苺の爽やかな酸、テクスチュアの厚み…ひとつのヒントとして、皆さんがどう感じたか、の判断材料としてください。
※2日目も十分においしいですが、1日置くことでの「伸び」はありませんので、飲み切れるのを我慢してまで翌日に残す必要は無いと思いました。

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
6年目に入った2015年の当たり年ボルドー、開けたてから既に十分なバランスが整っていますが、時間を経るごとに全ての要素がどんどん伸びやかに・豊かになっていき、それでもバランスは保たれている…というのがこのワインの凄さです。最初からベストの状態で楽しみたいと思ったら、ひと手間ですがお食事の3時間前には抜栓しておいてください。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
その素晴らしいバランスを実現するために、まずは少し冷やして準備を。適温のこのワインをグラフ化したら、本当にすべての要素がピタッと同じ数値を示すのでは…と思うくらい。セラー保管だったら冷蔵庫で20分くらい、常温保存だったら飲む前30分冷蔵庫、または5分ほどアイスバケツで冷やしてから。3時間前に抜栓したら、コルクをもう一度挿しておくかラップなどを口に巻いて、直前に温度調整をする、という流れで！(※ラベルコレクションをしている方は、ラベルが水で濡れない冷蔵庫での冷やしをお勧めします！)

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
グラス形状にそれほど大きく影響されないワイン、という印象ですが、お薦めはやはり王道のボルドー型(縦長・口細の卵型グラス)が一番バランスよく楽しめるかな、と思います。無ければご自宅にお持ちの出来るだけ大きめのワイングラスで飲んで戴ければ、十分にそのおいしさを堪能していただけます。ボルドー型グラス(縦長、口細)でも、ブルゴーニュ型グラス(丸形・口広)、色々お試しください。