≪こんな香り･味わいのワインです≫：
なんと創業500年以上、2003年にはロバート・パーカーが100点満点を付けたことでその存在が神格化されつつある『ジャン・ルイ・シャーヴ』によるカジュアルレンジのAOPローヌ2014年ヴィンテージ。「果実じゅくじゅく・甘みたっぷり系ローヌ」が多い中で久しぶりに出会った、タイトなプロポーションでドライタイプのクラシカル・ローヌ。香りからして、カシス等黒系果実のドライフルーツ、薔薇やラベンダーのドライフラワー、ディル、セージ、ローズマリーなどのハーブ…全体的に乾いて締まった印象にまとまっています。ひとくち目のタッチは乾いた印象に反してとても滑らか、粘性も感じるほどの柔らかさから始まって次に心地よい酸、そしてプルーンを想わせるギュッと凝縮された甘さが。けれど濃すぎない、甘過ぎない、重た過ぎない、という洗練されたスタイルに集約。抜栓後しばらくするとそこにミネラルの骨太感が加わり、真ん中に太く堅牢な柱が1本立ったな、という感覚がありました。

≪このワインとのマリアージュ料理は？≫：
濃厚なソースの料理に食感や甘みで合わせていくよりも、このワイン自体をソースにする感覚で料理と楽しんだほうが良いですね。脂身の少ない赤身肉を塩胡椒だけ、せいぜいガーリックや醤油くらいまで。「要素を削ぎ落したペアリング」で楽しんでください。

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
第一印象がドライでタイトなスタイルなので結構時間がかかりそうだな…と思ったていたら、意外と早くおいしいバランスに到達してくれました。45分-1時間前くらい前の抜栓で十分だと思います。栓を抜いて一旦外気に触れさせたら、抜いたコルクを逆さ向きにして再栓しておいてください。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
常温でもタイトで引き締まったスタイルのワインですので、あまり冷やし過ぎると硬く感じるようになります。屋内冷暗所での保管からでしたら、冷蔵庫に30分又はアイスバケツで2-3分の軽い冷やしを。セラー保管だったらそのままの温度でも大丈夫。(※冷蔵庫での冷やしをおすすめするのは、アイスバケツの水でラベルがふやけないから。ラベルを剥がして保管するなら、冷蔵庫で冷やしましょう！)

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
口細・卵型のボルドーグラス、丸形でやや口広のブルゴーニュグラスで比較してみました。このワインに関しては「タイトな引き締まり系」なのでスタンダードなボルドーグラスが最適だと思います。ブルゴーニュグラスだとやや全体が弛緩した軽い感じに…ただ、華やかさと旨みがじんわり出る感じはありましたので、お好みでこちらも。