【このワインについて】
ブルゴーニュのピュリニー・モンラッシェ村最高峰のドメーヌ・フランソワ・カリヨンはフィラディスでも絶大な人気を誇る生産者。しかし、、ブルゴーニュの2021年ヴィンテージは春の霜害が絶望的な生産量不足を引き起こしました。そこで、従業員の生活を守るため、またなんとかそれでも美味しいワインを造ろうと、ブルゴーニュではなく南仏のシャルドネを調達！ブルゴーニュのピュリニー・モンラッシェにあるセラーでドメーヌワインと同じように醸造・熟成させました。危機から生まれたお得なワインです。（「Cap au Sud」とは「南への道筋」という意味です。）

【テイスティングコメント】
外観から果実の凝縮度を感じる、豊かなイエローの色合い。香りも黄桃やアプリコット、夏季系の果実を最初に感じながら、さらにフレッシュなパイナップルみたいな風味があって、香りからも品質の高さを期待できます。さらにハニーサックル（すいかずら）のような甘いお花の香り、アカシアの蜜、ほのかに感じる白檀のような木の香り。果実だけでない複雑さもあります。
口に含むと、非常に柔らかいエントリーから始まります。ボディもミディアムボディでやわらかさを感じます。酸味も非常に柔らかい印象があって、この柔らかい酸味とアロマで感じたトロピカルフルーツの風味が、逆に口当たりの部分でまろやかさとか丸み、豊かさを出しています。余韻はあまり長くはないですが、フレッシュ感からくる凛とした雰囲気がしっかり感じられる。開けたてですぐに楽しめるようなワインであり、嫌いな人はいない。万人受けする親しみの持てるワインだと思いました。
ちなみにブルゴーニュとは土壌が異なるので、ブルゴーニュに求めるミネラリティはあまり感じられないですが、南仏ならではのボリューム感があります。香りもとっても良いので、下手なブルゴーニュ・ブランの2021年を買うより、こちらの方が個人的にはおすすめです。南仏らしいという印象ではなく、どちらかというとマコンに近いような。そしてマコンでも上級アペラシオンのプイイ・フュイッセのような印象を私は感じました。新アイテムで新樽20%ということは、もともとブルゴーニュの白ワインを寝かしていた樽を80%も使っているということで、ブルゴーニュのエッセンスも少し加わっているのではないかと想像できます。

【おすすめの楽しみ方】
温度は冷やしめがおすすめです。ブルゴーニュの場合は冷やしすぎると果実以外のフレーヴァーが多い分そっけなく感じる場合があるんですが、このワインはかなりしっかり冷やしてよいです。普通ブルゴーニュだと10度くらいでサーブするんですけど、こちらはその時の気温に合わせて6－8度くらいの温度帯でサーブするのが良いかな思っています。冷たい温度を受け止められる豊かな果実があり、なおかつこれくらいの方がより凛とした雰囲気が生まれます。グラスは中ぶりのバルーンで良いと思います。香りがたまるような丸みのあるバルーングラスがこのワインの魅力をより感じられると思います。