Hermitage(エルミタージュ)& Crozes Hermitage(クローズ・エルミタージュ)

北ローヌの雄。今も昔もTOP銘醸地

面積が小さく作り手が変わらないエルミタージュ、

面積が大きく作り手が参入しているクローズ・エルミタージュ

15%までマルサンヌとルーサンヌをブレンドすることができるが、100%シラーのワインが一般的。

その昔、ロシア皇帝に愛され、19世紀前半まではフランスの中でも最も高価なワインと持て囃されていたのがエルミタージュだった。

そしてほとんど知られていないのだが、当時高価なボルドーワインにはエルミタージュのワインがブレンドされていた。

しかし、実はシラーというだけでエルミタージュ産のものではなかったという説もある。

濃い色合いや強さ、骨格を加えるための重要なファクターとして非常に重要視されていた。

現在も「北のエルミタージュ、南のシャトーヌフ」と例えられるくらいローヌワインの中では高い地位にある。

 

全体的に花崗岩の砂で構成され、丘の斜面の下部、つまり川岸の近くは丸い沖積小石で覆われている。

畑を北風から守るように3つの丘があり、ほとんどの斜面は南に面しているため日当たりが非常に良い。

エルミタージュの中でも最上の畑の1つであるchapelleがある、エリアの西から始まる最初の丘が最も急斜面で最も標高が高い。

そこから東に丘は続き、緩やかに標高は下がっていく。

東に行くほど砂や砂利、石灰岩の比率が高くなり、白ブドウの栽培がちらほら目立つようになる。

ブルゴーニュのように、エチケットに畑の名前を冠した単一畑のキュベは少なく、基本的には各畑をブレンドしてワインは造られる。

■味わいのスタイル

テロワールを忠実に反映させるクラシック派のスタイルが主流。

新樽をガンガン使ったり、ろ過を何度もする生産者はほとんどいない。

スタイルは男性的で、グラスの中に果実を詰め込んだような豊かなアロマと強い香りが特徴。

年数が経ってもその力強さは衰えず非常に長熟。

そのため若い時はタンニン強く閉じ気味。

全体的に品質は安定しており、スタイルの差が少ないのも魅力。

 

■4社の支配

実質エルミタージュの畑を支配しているのは4社のネゴシアン。

ジャン=ルイ・シャーヴ、シャプティエ、ポール・ジャヴレ、そしてドラス。

長い間廃れることのなかったエルミタージュは、栽培可能な土地には全て葡萄が植えられているため拡張が難しく、新規参入が容易ではない。

 

■影武者、クローズ=エルミタージュ

エルミタージュの畑を取り囲むように丘の反対側とローヌ川沿いに広がる。

非常に広範囲なアペラシオンでその栽培面積はエルミタージュのおよそ13倍。

名前にもエルミタージュが付くし近所だけれど、蓋を開けてみると両者のスタイルは全くもって正反対。

長熟でパワフルなエルミタージュに対し、クローズ=エルミタージュはどっしり感があるものの赤い果実と花の香りが特徴的で若いうちから楽しめる。

価格はエルミタージュの1/3ほど。

広大な土地があるので若手生産者がどんどん参入し、品質を高めてきている。

高品質だが高価なエルミタージュと、品質は劣るがカジュアルに楽しめるクローズ=エルミタージュ。

パワフルで長熟向きのエルミタージュと、とっつきやすく早飲みもできるクローズ=エルミタージュ。

全く正反対のキャラクターだがそれぞれの良さがあり、シチュエーションによって飲み分けてほしい。

Clozes HermitageにあるDomaine des Lises
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