熱波の影響を受けるフランスの収穫

熱波の影響を受けるフランスの収穫

2022年の収穫が間近に迫ってきています。今年はブルゴーニュでさえ8月下旬に収穫を開始すると噂されているほどです。直近のブドウ畑からの報告によると、6月末からの暖かい(時には暑すぎる)天候がフランス中の生産者に影響を与え始めているといいます。

 

まずは、最近の熱波により、果実が太陽に晒され大きな打撃を受けたアルザス地方の話から始めましょう。6月下旬、アルザス北東部では午後9時に37℃の気温を記録しました。

 

「ミュスカとリースリングは熱波により大規模な被害を受けました」
アルザス農業会議所のブドウ栽培コンサルタント、Marie-Noëlle Lauer は Vitisphere.com にこのように語ります。「また、病気の予防のために遅めの除葉を行った区画では、ブドウが日焼けしてしまうケースも目にしました」

 

さらに不幸なことに、この気温の後、南西からの雨と局地的な雹がこの地を襲いました。一部の生産者(主にObernai、Bernardswiller、Ottrott、Mittelbergheim、Andlauの町周辺)によると、雹の被害は40%にも及んだといいます。

 

「畑は悲惨な状況です」
ワイン生産者の Didier Pfister は、Vitisphere にこう語ります。「雹のサイズは6月26日のものよりも小さかったのですが、風によってより大きな被害をもたらしました。前月の被害を受けた実は地面に落ちたばかりでしたが、房に残った実の多くも今回の雹で破裂してしまいました。葉がまばらな区画では、特にリースリングで収穫の40%を失いました。(暑い日が続いていたので)雨は必要でしたが、雹の被害は非常に大きなものでした」

 

一方、熱波はフランス南部、特にローヌ地方でもブドウ樹に影響を与え始め、生育シーズン開始時にはすでに水分のストレスが議論されていました。ニース郊外の丘陵地帯にある小さなアペラシオン、Bellet のワイン生産者は、(最新の報告によると、ポムロールと同様に)ブドウ樹への灌漑の特別許可を申請し、認可されたといいます。

 

通常、このアペラシオンでは、「干ばつが続き、ブドウの生理学的な発育と成熟が妨げられる場合」以外は、灌漑が禁止されています。地方紙の BFM Côte d’Azur によると、シーズン初めの土壌の水不足により、ブドウの成熟が異常に進んだといいます。

 

Château de Crémat と Domaine de Toasc を所有し、この地域の主要生産者である Alain Vallès は、「我々ワイン生産者にとって、フランスの猛暑の年である2003年のヴィンテージを少し思い起こさせる」と語っています。

 

Muscadet の西側では、年初には雹が降らず、その後のカビ病との戦いでは、除葉などの処置により畑の空気循環を高め、病害管理も成功させているように見えました。ですが、その後の熱波によって除葉で露出した果実が萎み日焼けしてしまったことにワイン生産者は落胆しています。

 

「熱波がなければ、生産量の80%を達成できたと思います」
ナンテ・ワイン連盟会長で、Saint-Hilaire-de-Clisson のワインメーカー、Christian Gauthier は、Vitisphere にこう語っています。「この熱波によりアペラシオン全体で、さらに20%~25%の損失があったと見ています」

 

引用元: https://www.wine-searcher.com/m/2022/07/prosecco-gets-hot-under-the-collar

この記事は引用元からの許諾をいただき、Firadisが翻案しています。
文責はFiradisに帰属します。

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
Translate »