Tasmania(タスマニア)

オーストラリアの隠れた秘宝 高品質なスパークリングは言うまでもないが

ブルゴーニュ品種のスティルワインも素晴らしい

タスマニアはオーストラリア本土から約250km離れた場所にある島であり、一つの州として認められている。ブドウ栽培面積は約1700haで、オーストラリア全体の生産量のわずか1%にも満たないが、プレミアムなワインの生産地として注目されている。タスマニアは特に高品質なスパークリングワインで知られているが、実は生産量の2/3はスティルワインが占めている。ピノ・ノワールとシャルドネが最もメジャーな品種であり、ソーヴィニヨン・ブランやリースリング、ピノ・グリなども年々増えてきている。黒ブドウ品種ではカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランにメルローなどが見られ、オーストラリア本土と違う点として、タスマニアではシラーズはあまり栽培されていない。

 

 

■テロワール

タスマニアはオーストラリアで最も冷涼な海洋性気候をもっており、これは南緯が41-43度と高いことが影響している。一般的には緯度の関係で島の北部よりも南部の方が涼しい。ところが、南部はより南に位置している(南極に近い)ため、いくつかのエリアではブドウ成長期により長い日照時間を受けることができ、これがブドウの完熟を促進するという一面もある。より涼しい南部では、畑のロケーションが極めて重要な関心事であり、北向きあるいは東向きの畑が太陽光を最大限に受けることができるベストなエリアとなる。

南極海から吹く強い西風はタスマニアのユニークな点であり、この島に多くの雨をもたらしている。ほとんどの雨は西海岸で降り、ブドウ畑が集まる東側までは届かない。このため島の南東部はより乾燥して湿度が低く、灌漑が必要となる場合がある。一方、北西部での生育期の降雨量は350mmにまで届きうるため湿度が高く、カビの被害が生産者たちの頭を悩ませる。

タスマニアは独自の産地呼称(GI)を持っているが、気候、地形、土壌の違いによってさらに細かくエリア分類がなされている。例えば、島の南東に位置する州都HobartのそばにあるCoal River Valley(沖積土、砂質)や北側の都市Launcestonに近いTamar Valley(砂利、粘土、石灰)やPiper’s River(火山性土壌)などである。これらのエリアは山々に囲まれているため、西風がもたらす悪天候の影響を受けずにすんでいる。

 

■味わいの特徴

タスマニアの2大品種はピノ・ノワールとシャルドネである。以前は多くがスパークリングに使われていたが、最近ではスティルワイン用に仕込まれることも多くなってきている。タスマニアのピノ・ノワールは通常ライトからミディアムボディで、高い酸を持ち、アルコール度数は高すぎずに丁度よく、ストロベリーやチェリーのアロマを持つ。より暖かいエリアでは一段と完熟感のある力強いスタイルとなる。シャルドネはミディアムボディが多く、中程度のアルコールにリンゴや白桃、洋梨のフレーバーが見られる。酸が高いため、しばしばMLFを100%行って鋭さを和らげ、テクスチャーに厚みを出させる。最上級のキュヴェではテクスチャーの向上、オークとの親和性を高めるために樽発酵が行われる。シャルドネもピノ・ノワールもオーク樽で熟成させるが、ほとんどが古樽で新樽はわずかに使うのみとなっている。これはデリケートなフレーバーとストラクチャーを過度にマスキングさせないためである。

タスマニアのワインは国内市場が非常に強いため、輸出されるのはごくわずかであるが、中でも重要な生産者はTolpuddle(トルパドル)やTamar Ridge(テイマー・リッジ)らである。

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