ワインのある景色―4月 (24)
- 2026.04.01
- ワインのある景色
日本の春の味覚
柔らかな陽射しが心地良くなるこの季節、春ならではの旬の食材が食卓にも並ぶようになってきました。心惹かれるものがたくさんありますが、その中でも筆頭格はたけのこではないでしょうか?お店に並び始めると手に取らずにはいられません。ありがたいことにたけのこ狩りのお裾分けを届けてくれる友人もおり、春の一時、ちょっとしたたけのこフェア状態になる我が家の食卓です。たけのこは鮮度が命。アク抜きがちょっと面倒ですが、頑張って下茹でまでしてしまえば、手を替え品を替え数日間は楽しめます。
古くから日本の食卓に深く根付いているたけのこですが、ヨーロッパではほとんど見かけることはありません。細切りにしたものが缶詰となってアジアン食料品店などで売られているくらいで、中華やエスニック料理の炒め物やカレーなどに使用しますが、たけのこの淡白でありながらもほんのりとした甘みと大地の香りを感じる繊細な風味を損なわずに楽しむのは日本だけのような気がします。天ぷら、たけのこご飯は定番中の定番。春の柔らかいワカメと一緒に煮付けた若竹煮も季節を感じる一品です。軽く焼き目をつけて塩とオリーブオイルでシンプルに楽しむも良し、パスタにしても美味しいですね。
ヨーロッパの春の味覚…貴婦人の指先!?
一方、ヨーロッパの多くの国で春を感じる食材の代表格は紛れもなくホワイトアスパラです。「白い黄金」「貴婦人の指先」などとも形容され、収穫期にはフェスティバルを開催する産地も多く、毎年人々をワクワクさせてくれます。さて、突然ですがここでQuestionです!皆様はグリーンアスパラとホワイトアスパラの違いはご存知ですか?「そんなこと知ってるよ!」という方は読み飛ばしちゃって下さいね。実は……同じ種類なのです。では何が異なるかというと、太陽の光をたっぷりと浴びて育ったものがグリーン、日光を遮断された環境で育ったものがホワイトになるのです。栽培方法の違いなのですね。ホワイトは日光を当てないことで白く柔らかく育ち、グリーンとは違う上品な甘みとほのかな苦味が生まれるのです。茹でてマヨネーズやオランデーズソース(バターとレモン果汁と卵黄で作ったソース)をかけて頂くのが一般的ですが、茹で卵やポーチドエッグを添えて潰しながらソースに絡めて頂いたりもします。軽く衣をつけてフリットにしても絶品です。
春の味覚に合うお勧めワイン
たけのことホワイトアスパラはどちらもほんのりとした甘味とやさしい苦味が特徴。この風味を引き立てるワインとマリアージュさせるのも楽しみの一つです。口の中で泡の弾けるスパークリングワイン、爽やかなソーヴィニヨン・ブラン、果実味豊かなシャルドネ、フローラルで優しい酸味のリースリング、アロマティックなゲヴュルツトラミネール、イタリアのピノ・グリージョなどミネラル感のある白ワインも合うのではないでしょうか?期間限定の旬の食材を存分に堪能すべく、色々なワインとのマリアージュを試してみて下さい。皆様のテッパン・マリアージュがきっと見つかるはずです。
2023年5月から、「定期ワインコース」のお客様にお届けする冊子「エフスク」にコラムを連載しています。「ワインが好きだな。ワインのことを知りたいな。産地に行ってみたいな。ワインが飲みたーい!」と、皆様に思って頂けるようなワインのある景色をお届けできればと思っています。引続きどうぞよろしくお願い致します。
ライター紹介:新井田 由佳(Yuka Niida)

・J.S.A.認定 ソムリエ
・La Confrerie des Hospitaliers de Pomerol ボルドー ポムロル騎士団称号
大手総合商社在職中にワインに魅了され、退職して渡仏。ブルゴーニュを中心にフランス、イタリアの数多くの生産者を訪問し見聞を広める。知れば知るほど魅了されるワインの世界について、もっと知りたい!が現在進行形で継続中。
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