2026年、記録的な早期収穫

2026年、記録的な早期収穫

北半球各地で記録的な早期収穫が進んでいます。気候は新たな段階に入り、ワイン生産者たちはそれに合わせて対応を変えざるを得なくなっています。


8月。ワイン産地にとって、この時期は比較的穏やかな季節です。ブドウも、それを育て、発酵させる人々も、9月、そしてしばしば10月に待ち受けるゴールに向けた最後のレースを前に、しばしの休息を取る時期です。しかし、今年は違います。

 

2026年は、霜、雹、山火事、干ばつ、そして記録的な猛暑と、極端な気象が相次いだ年となりました。豪雨をなんとか生き延びたブドウは、成熟へ向けて一気に加速し、世界各地で収穫がすでに本格化しています。

 

シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、ラングドック、プロヴァンス、ルーション、シチリア、サンタ・バーバラ(なんと6月30日には収穫が始まりました!)、ナパ、カタルーニャなど、挙げればきりがありません。すでに収穫を始めている産地もあれば、まもなく開始する産地もあります。

 

私たちは今、新たな領域に足を踏み入れています。収穫されたブドウが、糖分については十分に熟している一方で、フェノール成熟が追いついていないのではないかと懸念する生産者も少なくありません。一方で、萌芽そのものが早かったのだから、収穫が早まるのは当然だという声もあります。ほぼすべての生産者が、これからどのように植樹し、将来に向けてどのような栽培計画を立てるべきなのかを模索しています。

 

温暖な冬

 

気候変動は2026年ヴィンテージに壊滅的な影響を及ぼしており、とりわけフランス、スペイン、米国でその影響が顕著です。

 

早すぎる萌芽の後に霜や雹が襲ったことで、ニューヨーク、バージニア、ブルゴーニュなど被害の大きかった地域では、一次芽の90%以上が被害を受けた場所もありました。その後、フランスとスペインでは山火事が相次ぎ、数十万エーカー(約10〜20万ha)もの土地が焼失。ボルドー、プロヴァンス、アヴィラ、セブレロスといった主要ワイン産地も脅威にさらされました。

 

比較的被害を免れた地域の生産者たちでさえ、変化する気象パターンが生育期にさらなるプレッシャーを与えていることを実感しています。

 

「今年は何もかもが早いスタートでした。そのため、多くの生産者が不意を突かれ、シーズンの大半を遅れを取り戻すことに費やしています」と、パソ・ロブレスのAaron Winesおよびサン・ルイス・オビスポのAKANAの創設者兼醸造家であるAaron Jacksonは話します。「非常に暖かい冬の後、シーズン中は例年より涼しい気温が続き、湿度も通常より高くなりました。そのため、うどんこ病に関する問題が非常に多く発生しています。」

 

Jacksonによれば、ブドウ樹は通常の冬の休眠に入ることができませんでした。その結果、樹体にストレスがかかったといいます。さらに、春には異常に強い風が吹き、生育を抑制しました。「これまで経験した中で最もひどいうどんこ病のプレッシャーです。風の強い春だったため、収量も非常に低くなっています。」

 

早まったスタート

 

それでもJacksonは、「現時点で品質について直ちに懸念するようなことはありません」と話します。

 

サンタ・バーバラのKings Carey Winesの創設者兼醸造家で、Liquid Farmsでも醸造を担当するJames Sparksは、6月にスパークリングワイン用のブドウを収穫している生産者がいるという噂を聞いたときには驚いたといいます。ただし、今年のブドウの品質について、過度に心配しているわけではありません。

 

「今年は萌芽がものすごく早かったです。2月上旬だったと思います。通常は3月ですが、私たちは4月まで遅れてくれることを願っています。4月末になれば霜のリスクがなくなるからです。」

 

スタートこそ早かったものの、その後の生育そのものは通常とほぼ同じペースで進みました。ただ、スケジュール全体が前倒しになったのです。「基本的には、すべてが前にずれているだけです。ブドウはきちんと完全成熟に達しています。ただ、それが以前よりずっと早く起きているのです」

 

変わりゆく基準点

 

とはいえ、Sparksも、変化のスピードを考えれば将来に不安を感じています。「2013年以前に、この地域の天候は安定していますかと聞かれたら、『もちろん』と答えていたでしょう。でも今は? まったく違います。年を追うごとに変動が大きくなり、極端な気象も増えています」「収穫期に、これほど雨が降るなんて以前は想像もしませんでした。毎年状況が違います。私にできるのは、観察し、何が起きても対応できるよう準備することだけです。」

 

Sparksが特に懸念しているのは、日較差、つまり昼夜の気温差の変化です。サンタ・バーバラのようなワイン産地では、生育期の日中は暖かく、夜になると大きく気温が下がります。この昼夜の温度差が、ワインに明るさやフレッシュさをもたらし、バランスの取れた風味を維持するのに重要です。

 

「ここ数年は、夜間に私たちが望んでいたような涼しさがありません。以前は約22℃もの日較差がありましたが、今ではシーズンの大部分で約11℃程度しかないこともあります。つまり、糖分が増える一方で酸が失われてしまうのです。」

 

最終的には、こうした状況によって、醸造段階で酸を添加する生産者が増える可能性があります。これは、Sparksのような低介入型の生産者が、ほとんどどんな代償を払ってでも避けたいと考えていることです。

 

変動する気温パターンは、植物病理学の博士号を持ち、コロラド州立大学で地域のブドウ栽培普及専門家としてコロラド州のワイン産業に携わるCharlotte Oliverにとっても懸念材料です。「気候変動によって最も大きな影響を受けているのは、急激な気温変化の頻度です」とOliverは言います。「5年間で3回、ブドウを枯死させるほどの凍結被害がありました。そのため、私たちは品種を変え、適応する必要がありました。」

 

彼女は2000年以降、モダンなハイブリッド品種が徐々に導入されてきたのを見てきました。これらは、ヴィティス・ヴィニフェラ系の品種よりも激しい気温変動に耐えられることが多いからです。現在、コロラド州で栽培されているブドウの約28%は、こうした環境への耐性を高める目的で育種された品種だとOliverは言います。しかし、より安定した、予測可能な収穫を得るために世界中の生産者が今後導入せざるを得なくなる品種を、市場が受け入れられるかどうかは別問題です。

 

「ブドウ栽培が本来必要としていることと、市場が受け入れられるものは、必ずしも一致しません」とOliverは言います。「新しい品種は、たとえヨーロッパで開発されたものであっても敬遠されます。また、NRCS(自然資源保全局)やUSDA(米国農務省)には以前、栽培者を支援する助成金制度がもっとありましたが、現在ではそれらもはるかに複雑になったか、存在しなくなっています。」

 

変わりゆくブドウ畑

 

ブドウ品種の選択が徐々に変化しているだけではありません。何世紀にもわたって受け入れられてきたワイン産地や畑の序列さえも変わりつつあると、バローロのPoderi Gianni Gagliardoのオーナー兼醸造家、Stefano Gagliardoは語ります。

 

「気候変動は、ワイン産地、ブドウ品種、そして個々の畑に至るまで、その序列を作り変えています。その影響は、もちろんどこでも同じではありません。地域や品種によっては、非常に大きな悪影響が出ています。」

 

しかし一方で、バローロのように、むしろ評価が高まった産地もあると彼は主張します。「現在のバローロは、数十年前よりも優れていることが多いです。何十年もセラーで寝かせなければ本当に楽しめないような、非常に硬いタンニンを持つワインは、以前ほど見られなくなりました。」

 

さらに、20年、30年前には傑出した畑と考えられていた畑やクリュの中にも、現在では以前ほど興味深くなくなったものがあるといいます。「気候変動が課題であることは間違いありません。しかし、それによって私たちは、思い込みではなく、好奇心を持って自分たちの畑を観察するよう促されています。」

 

新たな常識

 

その好奇心が、新しいアイデアや解決策につながることを、誰もが願っています。「私たちは今、『予想外のことが起きるのが当たり前』という新しい常識の中にいます」と、Sta. Rita HillsのStory of Soilの創設者兼醸造家Jessica Gascaは話します。彼女のチームは、ブドウの健全性を高めるようないくつもの方法を編み出してきました。「キャノピー・マネジメントはシーズンを通じて調整しています。日照を適切にコントロールし、過度な暑さから果実を守りながら、空気の流れを維持するためです。」

 

Gascaは、良い面も悪い面も含めて、それぞれのヴィンテージを受け入れています。「変動は避けられません。そして、それこそが農業の美しさです。すべてのボトルが、その土地と時間について唯一無二の物語を語る理由でもあります。」

 

Freestone Vineyardsの醸造家Justin Ennisも、キャノピー・マネジメントに積極的に取り組んでいます。「葉を取り除く作業は非常に慎重に行い、果実を直射日光にさらさないようにしています。畝の向きが理想的ではない場所では、支柱に*クロスアームを設置し、内部の葉を取り除いて風通しを確保し、木漏れ日のような柔らかな光が果実に当たるようにしています」さらにFreestoneでは、夜間に収穫を行っています。これは世界各地のワイン産地でますます一般的になっている方法です。目的は、ショウジョウバエがたかるような熱くて柔らかいブドウではなく、しっかりと張りのある健全なブドウを収穫することです。

(*クロスアーム:枝葉を左右に広げるための部材)

 

一部の生産者は、1エーカー(約0.4ha)当たりの目標収量を引き上げることにも取り組んでいます。かつては高品質ワイン造りではタブーとされていた考え方です。

 

「20年前、高品質なピノ・ノワールを造るには、1エーカー当たり2トンが聖杯のように考えられていました」と、オレゴン州ウィラメット・ヴァレーのREX HILLでエグゼクティブ・ワインメーカーを務めるMichael Daviesは言います。「現在では、多くの栽培家や醸造家が1エーカー当たり2.5~3トンを許容しています」DaviesとREX HILLのチームは、キャノピーの高さについても実験してきました。「過去には何度か、新梢を低く刈り込む(ヘッジング)ことで、樹冠全体の高さを下げるという措置をとったことがあります。これによって光合成のエンジンを減速させることができます」と彼は言います。「葉が多ければ多いほど光合成が活発になり、それに伴って呼吸も増えます。キャノピーを小さくすることで、ブドウ樹をより穏やかな回転数で動かし続けられると考えています。」

 

2026年は、これまでで最も早いヴィンテージになるかもしれません。しかし、近い将来には、さらに早いヴィンテージに直面する可能性が高いでしょう。気候は、収穫のタイミングをリセットしました。今こそ、私たちのワイン造りに対する考え方や実践も、それを受け入れ、注意深く観察し、積極的に行動し、そしてこれからさらに増えていく不確実性に備える時です。

 

「長期的な視点に立てば、私たちは謙虚さを持って気候変動に向き合わなければなりません」とGagliardoは語ります。「新たな問題が現れるたびに、私たちのやり方を適応させることは必要です。しかし、現在を正直に見つめれば、単純に『すべてが悪化している』と言えるほど、状況は単純ではありません。」

 

引用元:2026 Delivers Record Early Harvests

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