Paarl(パール)

銘醸地に囲まれた内陸の重要エリア

ステレンボッシュとカリフォルニアの中間を行くような味わいは

ワイン通を唸らせる

パールは南アフリカの中でも最も重要な内陸産地の一つである。ケープタウンからは60kmほど内陸に位置しており、東はボーランド(Boland)山脈、西はパール・ロック(巨大な花崗岩の露頭)がそびえる。パールの南西約25kmにはフランシュフック(Franschhoek)が、南にはシモンズバーグ(Simonsberg)山脈が横たわり、山を超えるとステレンボッシュ(Stellenbosch)がある。

ワイン生産の歴史は長く、フランス教徒がこの地に移住しに来たのが1680年代で、ブドウやその他の果樹が植えられ始めたとされる。歴史ある協同組合KWVは本部をこの地に置き、また著名生産者であるネダバーグ(Nederburg)のワインオークションはパールで毎年開催されている。

 

パールはウェスタンケープ沿岸エリアと比べて比較的暑く、長い夏と冷たい雨がちな冬が典型的な気候となっている。大西洋からは60kmほど離れているが、午後の冷たい海風の影響をわずかに受ける。平均降雨量800-900mmと雨は多いが、夏は暑くなるため灌漑が用いられる場合もある。

パールの畑は、主にシモンズバーグ山の麓やパール・ロックの低地の斜面にみられる。山の斜面は排水性に優れた花崗岩とシェールからなる土壌で、低地はより砂岩主体の土壌となっている。斜面上部の畑は栄養素に乏しい痩せた土壌で、ブドウ木は栄養を求めてより深く根を伸ばすため、収量は低いが高品質の果実が得られる。これの良い例が、サブリージョンのシモンズバーグ-パール(Simonsberg-Paarl)と呼ばれるエリア。ここは山の麓でパールの他エリアと比べてやや標高が高いという特徴がある。これはわずかながらより大きな日較差を生み、生育期がより涼しくなることを意味する。ここで生まれるシャルドネは明確なフレッシュさと力強さがあり、シラーズやその他の赤のブレンドでも同様の特徴が見られる。

 

■味わいの特徴

パールでは非常に多くの品種が育ち、隣接するステレンボッシュと比べて完熟感がありフルボディよりのスタイルとなる傾向がある。、ピノタージュ、シュナン・ブランなどが主要品種である。カベルネはカリフォルニア(パソ・ロブレスやソノマ)のものに近いが、パールの方がやや果実味は控えめでセイボリーな複雑性がある。シラーズは、例えばより乾燥しているロバートソン(Robertson)やスワートランド(Swartland)産の方がリッチで力強いスタイルとすると、パールのものはわずかに冷涼感が感じられ、よりセイボリーさが前に出ている。しかしステレンボッシュほどエレガント路線ではない。

パールの重要な生産者はヴィラフォンテ(Vilafonte)やグレン・カーロウ(Glen Carlou)など。

 

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