【このワインについて】
私はブルゴーニュ・ブランでは特にドリンカビリティを重視します。つまり親しみやすさ。飲みづかれないかどうかという点です。村名やプルミエ・クリュなどに求めるものはもちろん変わってくるのですが、あくまでブルゴーニュ・ブランならこの点に着目しています。

ジェレミー・アルノーは小規模生産者であまり醸造において手を加えず、ブドウの熟度がそのままワインに現れるタイプの生産者です。外観からブルゴーニュ・ブランとして非常に黄金味が強く、ブドウの熟度の高さを伺えます。2020年ヴィンテージでここまで黄金味が強いのはなかなかないですね。このワインは名前の付いた特定のエリアからきているブルゴーニュ・ブランで、この名前からも味わいからもしっかりと管理されて造られたことが伝わってきます。通常のブルゴーニュ・ブランではなく、一つ上質なブルゴーニュ・ブランを試してみたい方に特におすすめです。

【テイスティングコメント】
香りとしては発散性があり芳醇です。青りんごからすり下ろしたリンゴのような、自然な生産者によくみられる香りがします。この香りが親しみやすさを生んでます。そのほかジャスミンやカモミールのような甘いお花の香りもあります。ほのかに上品な樽のニュアンス、ナツメグやカルダモンのような要素も感じます。

香りがボリュームがあったのに対して味わいはとてもタイトで引き締まっています。口の中でフレーヴァーとして感じる香りに熟した雰囲気がありながら味わいは酸で引き締まった雰囲気なのでとてもバランスが良いです。また長く澱と接触していた分、口の中では酸の引き締めだけでなく、乳清系のまろやかさも感じることができます。そして最後に苦味がまた引き締めるので、全体としてメリハリもありそれもよい点です。今飲んでおいしい、まさにドリンカビリティの高いブルゴーニュ・ブランです。

【おすすめの楽しみ方】
温度は8-10度ほどの冷やしめがおすすめではありますが、ユニークな香りが特徴のワインでもあるので温度をあげつつ香りの変化も楽しんでいただくのもおすすめです。

【おすすめの合わせる料理】
ガストロノミックなお料理だと、鮎のコンフィとクレソンや肝を使用した旨苦味を感じるソースが良さそうです。また、口中をさっぱりさせてくれる酸味があるのでフライドチキンなどカジュアルに楽しめる一品ともオススメです。