「グラン・クリュの各村を識る」第2回:KRUGが最重要視する村、アンボネイ
- 2022.10.19
- シャンパーニュコラム
前回は、シャンパーニュのグラン・クリュで最も北に位置し、男性的なスタイルのピノ・ノワールを産み出す『ヴェルズネイ村』についてお届けしました。
早速ヴェルズネイのおススメ生産者「ジャン・ラルマン」をお試し戴けた方も多く、とても嬉しく思います。
今回紹介する2番目の村は・・・
ヴェルズネイと同じ“モンターニュ・ド・ランス”地区の最南部に位置する『Ambonnayアンボネイ村』。ここもも非常に品質の高いピノ・ノワール種を産み出す地域なのですが、そのキャラクターはヴェルズネイのピノとは全く異質。
ヴェルズネイの個性については前回『きれいな透明感や伸びやかさ、男性的な骨格』等と表現しました。それに対してアンボネイ村のキャラクターは、『滑らかさ、優しさ、重心がフワッと高いところにあるように感じる軽やかさ』。同じエリアの同じブドウ品種なのに、まるで対極にあるような表現、それは一体どこから来るのでしょう???
豊かな日照と暖かな気候に育まれた完熟ピノ・ノワール
ヴェルズネイとアンボネイのテロワールにおける最大の違いは「斜面の向き」です。
北向き斜面で涼やかな気候に恵まれるヴェルズネイが精緻な酸やミネラルに恵まれる一方で、アンボネイの斜面はほぼ南向きや南東向き。
豊かな日照と暖かな気候に育まれたピノ・ノワールは十分に完熟し、果実の味わいが柔らかくやさしい、軽やかなワインを産み出すことになります。
ふくよかな果実味とエレガントな酸を兼ね備えたアンボネイの上質なピノは、ヴェルズネイと同様に有名メゾンのラグジュアリー・キュヴェに高い比率で使われています。
アンボネイ比率の高いラグジュアリー・キュヴェを例に出すならば、MOET ET CHANDONの「Dom Perignon(ドン・ペリニヨン)」と、まさにこの村の名前がキュヴェ名に冠されたKRUGの「Clos d‘Ambonnay(クロ・ダンボネ)」が双璧。KRUGは、アンボネイ村を「最も重要なグラン・クリュの村」として位置付けています。
この2つの名が挙がるだけでも、アンボネイ村のブドウがいかに優れているかが明白ですよね。
また、近年はアルチザン的なレコルタン・マニピュランも存在感を見せており、「EGLY OURIET(エグリ・ウーリエ)」等がアンボネイを拠点とする注目の生産者として有名です
*ドン・ペリニヨン、エグリ・ウーリエは、THE CHAMPAGNEでも幾つかのシャンパーニュを取り扱い中です!
*THE CHAMPAGNEのキーワード検索に「ペリニヨン」「エグリ」等を入れて戴ければ、
この生産者の該当シャンパーニュがまとめて一覧でご覧いただけます。
現役ソムリエのお墨付き『ベルナール・ブレモン アンボネイ・グラン・クリュ・ブリュットN.V.』
さて、そんな『アンボネイ村』ならではの柔らかで優しいキャラクターを知って頂くための1本を選ぶとすれば『ベルナール・ブレモン アンボネイ・グラン・クリュ・ブリュットN.V.』がお薦めです。
ソムリエからの評価が特に高い「お客さまに薦めたいシャンパーニュ」!
樹齢90年にも達する貴重なヴィエイユ・ヴィーニュ(古木の畑)を所有するベルナール・ブレモンは、代々この地域でブドウ栽培を担ってきた歴史ある栽培醸造家。
アンボネイのブドウ100%で造られるシャンパーニュは、蜜たっぷりの林檎や洋梨を思わせる甘やかな果実味を、エレガントな酸味と豊潤なミネラルが支えます。
ベルナール・ブレモンのシャンパーニュの良さは何と言っても「アンボネイらしい、飲みやすい美味しさ」。先日大阪の大型ワインイベント「マルシェ・ド・シャンパーニュ」中で20人の現役ソムリエが審査員となり、目隠しでお薦めしたいシャンパーニュを選ぶコンクールが開催されました。
その中で希望小売価格5,300円のベルナール・ブレモンが、並居る有名メゾンの6,000円台後半-9,000円台プレステージシャンパーニュの中でも、何と「2位」に選ばれました!
その時のTOP5はこんなラインアップでした。
1位:ドモワゼル・ブリュット・グラン・キュヴェ 希望小売価格:6,600円
2位:ベルナール・ブレモン アンボネイ・グラン・クリュ・ブリュット 希望小売価格:5,800円 !!
3位:シャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴ 希望小売価格:7,500円
4位:ゴセ・グラン・レゼルヴ・ブリュット 希望小売価格:9,400円
5位:ボランジェ・スペシャル・キュヴェ 希望小売価格:8,500円
どうですか?結構凄いでしょう、この中での「2位」なんです!
素晴らしいコストパフォーマンスこそ、THE DISCOVERYたる所以、ここにそれが証明されました!
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