【ワインのある景色】ブドウ畑の一年に寄り添って【1月】
- 2026.01.01
- ワインのある景色
※この記事は2025年1月に初掲載されたものです。
新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。新しい年が皆様にとって健やかな年となりますことをお祈り申し上げております。
話題は少し遡りますが、昨年末、パリのノートルダム大聖堂が大火災から5年の修復を経て一般公開が再開されたというニュースが入ってきました。5年前、エッフェル塔、凱旋門に並ぶパリのシンボルの1つだった大聖堂が焼け落ちていくライブ映像は衝撃的で、ただただ祈るのみだったことが昨日のことのように思えます。きっと同じ気持ちで映像を見ていた人々が世界中に多くいたことでしょう。
再建には当初10年以上はかかるといわれていましたが、わずか5年で再開までたどり着いたのはそれだけ関係者の情熱が強かったということだと思います。フランスでは工期は大抵は延びてしまうのが当たり前なので。2026年まで工事は続くようですが、今まで以上に大聖堂を訪れる人々が増え、活気に満ち溢れていくことでしょう。
カフェ文化
パリには他にも観光名所がたくさんありますが、訪れる人々の楽しみの1つに「カフェ」というものが入るのはパリならではでしょう。早朝から夜遅くまで営業しているカフェもパリのシンボルの1つ。その昔、芸術家や哲学者が集った歴史的なカフェが今なお現存するほか、「カフェ文化」という言葉で表現されるほど数多くのカフェがあります。交差点の4つ角に1店舗ずつ向かい合ってあるところも少なくありません。住人たちはそれぞれに行きつけのカフェがあり、多いときには朝に、昼に、夜にと立ち寄ります。フランスのカフェといえばテラス席がつきもの。フランス人は本当にテラス好きで、一年を通してテラス席に座っている人の多いこと多いこと。夏の暑い日でも冬の寒い日でも、歩道に設置されたテラス席でコーヒーやワインを片手にゆっくりと時間を過ごすのは、まさに「文化」なのです。
カフェではコーヒーだけでなく、アルコールや食事も楽しめます。クロック・ムッシュやオムレツ、ステーキ・フリットに牛肉のタルタルなどカフェメニューの定番はたくさんありますが、寒い冬にはやはり暖かい物が食べたくなります。
じっくりと飴色になるまで炒めた玉ねぎをブイヨンで煮込んだスープにたっぷりのチーズでフタをして焼き上げたオニオングラタンスープは王道です。トロッと溶けたチーズと、その下に隠れている玉ねぎの甘みが広がる熱々のスープをはふはふしながら頂くのは寒い日の口福。急いで頬張ると火傷してしまうので、白ワインで口の中の温度調節をしながら頂きます。
ポトフもお気に入りです。日本でポトフというと豚肉やソーセージが入っているイメージですが、フランスでは豚肉を使ったものはポテ(Potée)、牛肉を使ったものをポトフ(Pot-au-feu=火の上の鍋)といいます。味付けは塩と胡椒、煮込む時に入れたブーケガルニのみ。コトコトと煮込んだお肉と野菜から旨味がたっぷりと出るので、他の調味料は加えずにマスタードや粗塩をつけて頂きます。家庭料理としても定番ですが、ほろほろと崩れる柔らかいお肉とその旨味を吸収した野菜が、シンプルでありながら心と身体も温めてくれます。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した「ポトフ 美食家と料理人」という映画が数年前にありましたが、豪華な食事や美食を愛する人々をも癒す究極の料理がポトフなのかもしれません。
書いていたら食べたくなってしまいました。今夜はポトフに決まりです。
2023年5月から、ブドウ畑と生産者の1年を追ったコラムの連載をしています。「ワインが好きだな。ワインのことを知りたいな。産地に行ってみたいな。ワインが飲みたーい!」と、皆様に思って頂けるようなワインのある景色をお届けできればと思っています。引続きどうぞよろしくお願い致します。
ライター紹介:新井田 由佳(Yuka Niida)

・J.S.A.認定 ソムリエ
・La Confrerie des Hospitaliers de Pomerol ボルドー ポムロル騎士団称号
大手総合商社在職中にワインに魅了され、退職して渡仏。ブルゴーニュを中心にフランス、イタリアの数多くの生産者を訪問し見聞を広める。知れば知るほど魅了されるワインの世界について、もっと知りたい!が現在進行形で継続中。
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