今月のおすすめワイン本【2019年5月】「”発酵食品”全体についての本」
- 2019.05.03
- 今月のおすすめワイン本
- 生産者, 発酵, 職人, 香り
今日は連休の最後は家でゆっくり休んで社会復帰の準備を・・・と考えていらっしゃる方に、『今月のおすすめワイン本』をご紹介したいと思います。
お休みの最後なのであまりお勉強っぽくなく、楽しくさらっと読める本を選んでみました。
今月の1冊は
『発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ』(小倉ヒラク著/木楽舎 税抜1,600円)です。
今回の本は「ワイン本」ではなく「発酵食品」全体についての本。
お酒、味噌、チーズ、納豆・・・あらゆる発酵食品をテーマに、酵母という微生物により『発酵』が起こる仕組みを面白く解説してくれている本です。
著者の小倉ヒラクさんは「発酵デザイナー」という肩書で活動されていて、じぶんで造る味噌=「手前みそ」の普及活動などでも活躍されている方。
まあとにかく彼の文体は面白いですし、絵や図解も豊富なので、384ページの分厚い本があっという間に読めちゃいます。
「別にワインの本じゃないしなあ・・特に興味ないかな」と思ったでしょう。
でも、この本を読むことで、ワインを始めとするお酒全般がどのように生まれて発展し、そして今「どこに還ろうとしているのか」がよく分かります。
近年酒類の発酵に使用される酵母は「~な香りを出せる」「~な味わい設計に向いている」など、アウトプットとしてのお酒の出来上がり状態を「設計」できるように品種改良・培養され、
ある意味調味料的な役割・機能を持ったものになってきました。
(例えば日本のワイン用の、香り豊かになる「きょうかい4号酵母」などです。)
ですがここにきて、ワインの職人的生産者たちの多くがいま「自然酵母」によるワイン造りをしていますよね。
土壌の個性を生かしたワインを目指して造ろうとしているのだから、酵母もその環境に自生していたものを使うべきなのでは・・・という考え方です。
それこそが絶対に正しいやり方で、全ワイン生産者はそこに回帰すべきだ!とまでは思いませんが 笑
やっぱり確かに考え方としては正論だよな、ということをこの本で改めて思い至りました。
味噌蔵に住んでいる様々な性格の酵母の話など、すごく面白いですよ。
僕は個人的にこの本がすごく大好きで、2か月くらい前に買ってから何度も読み返しています。
これを読むとお味噌や日本酒への興味もどんどん強くなりますし、選ぶのも楽しくなりますよ。
次の夏休みは、発酵食品の生産者を訪問してみようかな・・なんて思っています。
今からならネットで買って連休中に届くはず。
今のところ今年一番ハマった「ワインに関連した本」、良かったら読んでみてください!
↓↓↓
http://www.kirakusha.com/book/b286166.html
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