今月のおすすめワイン本【2021年9月】名作家たちの作品を一気に!秋の夜長に楽しみたいワインミステリ短編集!
- 2021.09.06
- 今月のおすすめワイン本
- 樽, 白ワイン
読むとワインを飲むのがもっと楽しくなる本をご紹介する『今月のおすすめワイン本』シリーズ、33冊目となる今回は2021年6月に3冊連続でご紹介してきた「ワイン(や色々なお酒)が出てくるミステリ小説」シリーズの第4弾!これはなかなかに凄いオムニバス作品ですよ・・・
有名作家たちがワイン愛・お酒愛を炸裂させた短編小説集『ワイン通の復讐』(ロアルド・ダールさん他著 渡辺眞理さん他訳 心交社/税込定価1,980円)をご紹介します!
こういったミステリ小説をご紹介するときは、とにかく内容にほとんど触れられないのが困りもの。しかも短編小説と来たら人物や事件の場面設定だけでもネタバレに近いものになってしまうので尚更です。
ですが、この短編集は参加している作家の方々を列挙するだけでも「それは・・・なんて凄い面子!!」と思って戴けるのでは無いかと思い安心して選んだ次第です。
収められた短編は全12作、その中に選ばれた作家を何人か取り上げますと・・・
まず冒頭を飾るのはワインミステリ作家としては大定番のロアルド・ダール(ワインが出てくる代表的な作品はやはり『味(「あなたに似た人」収録)』ですね!)による表題作『ワイン通の復讐』、そしてまさかのエドガー・アラン・ポーが猟奇的なホラーテイストの『アモンティリャードの樽』で雰囲気をがらりと変え、ストーリーテリングの名手サマセット・モームが本初収録最長の『宴の前に』でまるで戯曲のようにテンポの良い群像劇を楽しませてくれます。そして後半、ミステリ小説・映画・ドラマファンには嬉しいメグレ警部(*名探偵コナンの方ではなく、本家です)が満を持して登場!ジョルジュ・シムノン作『競売前夜』で、警部が例のごとく見事な謎解きを見せてくれました。
「ワインが謎解きの鍵」という視点で見ますと、本初収録の中でも最短たったの6ページというショート・ショート『ワイン探偵べリング(ローレンス・G・ブロックマン作)』が秀逸。あっという間に読み終わるストーリー、謎解きの鍵となったのはとある白ワインでした。ワイン好きなら「そうか、その通りだ!」ってなるはずです。
そして内容以外にもこの本が「飲みながら読み」に最適なのは、文字のサイズが大きめなところ(まあ、若い方には関係無いですよね)。お酒を飲みながらだらっとした体制で読むのにも丁度良いのです。しかも1本が20ページ~40ページほどのものが多いのもありがたい。長編小説はストーリーに没入してしまうとどうしてもお酒が進み過ぎて、気付いたらボトル1本いやついつい2本目、気付いたら朝になっていた、なんていう危険性もありますから 笑
名作家たちのお酒愛、そして技巧たっぷりのトリックが詰まったこの1冊、秋の夜にワインと楽しむのに最適だと思います。是非是非、読んでみてくださいね。
ということで今回はこのへんで。次回はどんなワイン本をご紹介しようかな・・・おっと、またこんな面白そうな本を見つけてしまった・・・早速ポチっとな、と。早く届かないかなあ。。。
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