近年のシャンパーニュ、とりわけ注目度の高いアルチザンたちの世界では、単一畑や単一村の個性を切り取る表現が、ひとつの潮流になっています。実際、ジャック・セロスやエグリ・ウーリエ、さらには単一畑のみで知られるユリス・コランのような生産者が高い評価を集めていることが、その流れを象徴しています。
そんな時代にあって、ピエリー村に本拠を置くジャン・マルク・セレックが魅力的なのは、単一の表現だけを価値にしないところです。彼が目指しているのは、南エペルネ一帯に広がる複数の村と区画の表情を束ね、その土地全体の躍動を一本のシャンパーニュとして描き出すこと。しかも彼は、単一品種・単一区画のキュヴェにも取り組んでおり、その魅力を深く理解したうえで、なお土地を「面」で表現する道を選んでいます。
2008年にドメーヌを継承して以降は、有機栽培への転換、一部ビオディナミの導入、自然酵母の使用、無清澄・無濾過、低ドサージュ、長い澱熟成へと歩みを進めてきました。過度に手を加えず、各区画の個性を損なわないこと。そして、それらを束ねたときに、南エペルネという土地の広がりが感じられる表現を突き詰めてきたのです。Bettane+Desseauveで4ツ星、ウィリアム・ケリーからも高く評価されるのは、そうした一貫した姿勢の裏付けでもあります。
その思想を最も素直に伝えるのが、蔵の顔であるソレサンスです。シャルドネ、ムニエ、ピノ・ノワールをブレンドし、ステンレスタンクとオーク樽で発酵・熟成。さらに瓶内熟成を経ることで、青リンゴや白い花の瑞々しさに、ほのかなブリオッシュの気配が重なります。味わいは、きめ細かな泡と生き生きした酸が印象的です。軽やかなのに薄さはなく、果実味とミネラルが端正に伸びていきます。単一村の純度を味わうシャンパーニュとはまた異なり、南エペルネというエリアに点在する多彩な個性が、ひとつの調和として立ち上がってくるのがこのワインの真価です。温度は9〜10℃。グラスは膨らみのあるチューリップ型。帆立のソテーや白身魚のクリームソース、きのこのリゾットによく合います。
飲み終えたあとに残るのは、一つの畑の輪郭というより、南エペルネという土地そのものの奥行きです。セレックの魅力は、まさにその豊かな「面」の表現にあります。
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