ワインペアリング奮闘記 第163回 ピュアなスパークリングとフルーツ・カルパッチョ / アンヌ・グロ クレマン・ド・ブルゴーニュ ラ・ファン・アン・ビュル N.V.
- 2022.09.24
- ワインペアリング奮闘記
- アンヌ・グロ, カルパッチョ, カンパチ, クレマン, クレマン・ド・ブルゴーニュ, スパークリング, タコ, ブルゴーニュ, ペアリング, 刺身, 星4つ, 魚
目次
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第163回
ピュアなスパークリングとフルーツ・カルパッチョ
今回の課題はアンヌ・グロ クレマン・ド・ブルゴーニュ ラ・ファン・アン・ビュル N.V.です。アンヌ・グロと言えば、ブルゴーニュ指折りの人気生産者。実は私ブルゴーニュと日本で2度お会いしたことがあります。彼女のワインを飲む時、いつもヴォーヌ・ロマネの伝統と先進が同居したような清潔でセンスに溢れたドメーヌや、アンヌさんの穏やかな笑顔を思い出します。
テイスティング
グラスに注ぐと繊細でクリーミーな泡が立ち上がり、液体は淡い麦わら色。
ふわっと蜂蜜のヒントが一瞬あったかと思うと、フレッシュなグレープフルーツやレモンの爽やかな香りがすーっと鼻の奥に広がりました。泡が弾けた後の酵母の香り、その奥に貝殻のような石灰系の香りも感じます。心地よいですね。
口に含むと、泡のタッチはやはり木目が細かく、優しい。
アタックは香りと違わぬ柑橘系のスキッとした酸味、その後に熟した甘味を中央に感じます。
ミドルからは少し塩っけのあるミネラル感が特徴的で、軽い苦みをともなって舌に染み込むように、旨味として感じられます。
全体として、フレッシュ、爽やかでピュアな果実、ミネラルの骨格も感じられるスパークリングワインです。シャンパーニュとも違うし、他のスパークリングワインとも違う。ブルゴーニュを知り尽くしたアンヌ・グロの繊細な美学が感じられる、クレマン・ド・ブルゴーニュですね。とても美味しいです。
合わせる料理『カンパチと水蛸のカルパッチョ』
少し塩気のあるミネラル感から、合わせるのはやはり魚介を連想しました。
とてもフレッシュな感じのするスパークリングワインなので、新鮮な魚を生のままで。
ワインの香りから感じた柑橘の要素に合わせて、グレープフルーツと合わせてみましょう。
レシピ
グレープフルーツは薄皮を丁寧に剥いておきます。
魚屋さんで入手したのはカンパチの柵と水蛸の薄造り。
まず冷やした皿に水蛸を敷き詰め、カンパチを薄く切ってグレープフルーツを交互に盛り付けていきます。
ドレッシングはレモン汁、塩、オリーブオイルをよくかき混ぜて。
仕上げにディルとピンクペッパーを散らして出来上がりです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○柔らかさ・繊細さの、テクスチャのマリアージュ
○味わいの同調のマリアージュ、特にワインのミネラルがアフターを引き伸ばす効果
後から思うと合わないわけがない組み合わせというか、冒険心には欠けるかもしれないですね。笑
そういう意味合いで星を一つ引きましたが、安心して合わせられるペアリングです。
食べていて特に思ったのは、柔らかさという部分。シャンパーニュよりもテクスチャに柔らかさが感じられるクレマン・ド・ブルゴーニュだからこそ、カンパチの柔らかい食感に、とても相性が良かったと思います。
水蛸のコリコリ感は、やはり口に残ってしまうので特にワインに合うわけではないのですが、料理全体のアクセントとして楽しさを与えてくれました。
是非いろいろなお魚と合わせてみてください。
それでは次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
-
前の記事
ワインペアリング奮闘記 第162回 モーゼルの白ワインと水餃子 / マーカス・モリトール ピノ・ブラン 2022.09.17
-
次の記事
ワインペアリング奮闘記 第164回 イカのアリオリソースと合う白ワイン / ジャスト・ビー 2022.10.01
コメントを書く