ワインペアリング奮闘記 第80回 シャトー・ベルトラン・ブラネイル ×牛肉とキノコのオイスター炒め
- 2021.01.08
- ワインペアリング奮闘記
- ペアリング
さて、2021年一発目のお題は『シャトー・ベルトラン・ブラネイル』です。
テイスティング:
色調はガーネット。全体にややオレンジがかって、熟成のニュアンスが見て取れます。
香りは赤系のドライフルーツ、イチジク、チェリーのリキュール。
アニス、八角などの茶系スパイスが散りばめられています。湿った土や枯葉、革製品。
口に含むと、口当たりは滑らか。熟成由来の甘味や、じんわりとした旨味が舌に広がって行きます。
酸味は穏やかで、タンニンはシルキー。
アフターの苦味は控えめで、果実の余韻がふわふわと漂うように残ります。
全体として、果実味のピークはすでに過ぎ、『熟成ワイン』の段階に入っており、複雑なブーケを楽しむことが出来るボルドー赤ワインですね。
合わせる料理:
ボルドー赤にしては柔らかいと感じる程に熟成が進んでいますが、肉か魚かと問われれば、やはり肉でしょう。
ただし、タンニンもソフトなので食感の柔らかいものが良いと思います。
また、熟成由来の複雑なブーケ、これを殺さないように、強い香りや味わいは避けたいですね。
食材の風味そのもので勝負したい所です。
熟成ワインにあう風味となれば、キノコ類は本命候補になってくるでしょう。
ということで、今回は柔らかい和牛の薄切りに、沢山のキノコを炒め合わせてみましょう。
中華風にまとめて『牛肉とキノコのオイスター炒め』で行こうと思います。
レシピ:
フライパンにサラダ油をひき、生姜とニンニクのみじん切りをじわじわと熱します。香りが移ったら、和牛薄切りを
色付くまで炒めます。キノコは舞茸と茶エノキをチョイス。手でほぐしたキノコをしんなりとするまで炒め合わせます。仕上げにミニトマトを加え、オイスターソースと醤油、黒胡椒で味を整え、クレソンを散らして出来上がり!
ペアリングレポート:
全体的にほわっと、柔らかく仕上がりました。香りも良くて、ワインのイメージに近いですね。
実際にワインに合わせてみると、やはり!相性は中々のものです。
キノコの木や土のような独特の香りと、熟成ワインの複雑なブーケ。香りのマリアージュと言って良いほど豊かに響き合っていました。
薄切り牛の柔らかいテクスチャも、赤ワインのタンニンが溶け込んだソフトな質感に程よいですね。
また食材から染み出すような旨味が、熟成ワインの出汁のような旨味と相乗して滋味深く感じられました。
一方ちょっと失敗したかなと思ったところは、少しオイスターが効きすぎて、味付けが濃くなってしまいました。
ご飯にのっけることで調整できましたが、熟成ワインの繊細な風味を感じ辛くする、濃い味付けには気を付けたいですね。
いっそオイスターソースは使わずに、醤油ベースであっさり和風にしても良いと思います。
レンコンやゴボウなどの根菜を入れてもきっと合うでしょうね!
如何でしたか?
私は熟成ワインが食卓に上がると、ディナータイムがゆったりと過ぎていくような気がしてとても豊かな気持ちになります。家族や夫婦団欒の一時にぴったりの、おすすめのワインペアリングですよ!
それでは次回もお楽しみに。
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