『ブドウ品種を知ろう』シリーズの総括・まとめ。 前回・前々回で書いたのは、単一品種ワインと複数品種ブレンドワインそれぞれをどう捉えるか。 そして単一品種のワインではその品種の個性が忠実に出ていればそれで良いわけでなく、あくまでも大事なのは全体のクオリティで「おいしい」か「おいしくない」かだけ・・・ということなどを書きました。
そう、ブドウ品種の個性・特徴は知る事はあくまでも、自分の中にワインの味わいの地図を描くためのヒントにすぎません。 例えばカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールというブドウ品種があります。 この2つの品種は、その個性が典型的に出た場合にはほぼ対極のような香味特徴があるとされていますが、実際には目隠しで試飲したらこの2つを逆に答えてしまうようなワインだって沢山あります。 僕たちワイン業界の人間でも、この2つの品種を必ず当てられる自信はありません・・・汗
だから、ワインを知ろうと思ったときに沢山の品種のワインを1本ずつだけ飲んだとしても、それぞれの品種を完璧に知ることはできないということ。 ひとつの品種について、いくつかの国、産地、生産者、ヴィンテージ、熟成期間など、様々なワインを飲み重ねていくことでやっと少しずつその品種の姿が見えてきます。
このコラムでは毎回「関連ワイン」をご紹介しているのですが、残念ながらそれらの各品種1-3本を飲んだだけでは、なかなかその品種の特徴の幅、そして秘められた多様性にまでは辿り着けません。
もしある程度のワインを経験して「自分好みのブドウ品種」が見つかったなら、是非ともその品種のワインをとにかく5本でも10本でも、 色々な産地や生産者のものを飲み続けてみてください。 ひとつの品種にこだわって飲み続けてみることでその品種に対して幅広い知見を得られるだけでなく、その後チャレンジする他の品種に対しても、先入観のない広い視野で評価を出来るようになると思います。
僕は、ブドウ品種は人で言えば出身地とか血液型みたいなものと思っています。 なんとなくその人のキャラクター・イメージを勝手に思い描くことはできるかもしれませんが、実際には我々の予想の幅を大きく超えてバラエティ豊かな個性が広がっているもの。 ・・・だから、ワインは面白いんですよね!
ということで「ブドウ品種」については一旦ここで完結。 次回からはレストランやワインバーでワインを頼むときのコツ、などを書いてみたいと思います。 一気に実践的な内容を書きますので、皆さんのお役に立てるよう頑張って書きますね。 50回以上もかけて、品種の知識ばかりを押し付けてしまいましたから 笑
それではまた次回。
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