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「ワインのテイスティングについて」 ワインはじめて講座 

「ワインのテイスティングについて」 ワインはじめて講座 

ワインテイスティングの流れ

さて、ふさわしいグラスに注がれたワインがあなたの目の前にあります。 それではおもむろにグラスを掴み、一気に口の中へ流し込み・・・と焦ってはいけません。 ワインを楽しむときの「手順」があるのです。 この「ワインのテイスティング」の簡単な流れは以下の通りです。

  1. 色合いを見る
  2. 香りを愉しみ、分析する
  3. 味わいを愉しむ
  4. 余韻に浸る

この一連の流れを「正しく、かつ分析的に」進めていくのが、 ワインを評価する『テイスティング』の手法です。 レストランのソムリエや我々ワイン仕入れの担当者は、必ずこの流れに沿ってワインを評価しています。 但し、これは前提として「ワインを評価するときの飲み方」。 食事の度には毎回必ずこのような手順を踏んで飲まなければマナー違反、というではありません。 逆に楽しい会食の時に周りを無視して何分も色を眺めたり香りを嗅いだりしていると、テーブルが白けます 笑 あくまでも、ご自身が飲みながらワインのことを学びたいな、 と考えているときのやり方、として読んで戴ければと思います。

ワインの色合いを見る

濁ったワイン?



ではまず1番目の「色合いを見る」ということころからはじめましょう。
ワインの色、つまり外観を見ることには、大きく分けて2つの意味があります。

  • 濁りや、浮遊している異物が無いかを確認し、今おいしく飲める状態かどうかを確かめる
  • 色調を見ることで、ワインの味わいのタイプや熟成の進行度合いを推測する

ということです。
順を追って説明しましょう。

「濁ったワイン」には、正直滅多なことではお目にかかれないと思います。
ですがもしワインに濁りがある時は、醸造後に「ろ過」が正しく行われなかった可能性があります。
細かい葡萄かすが浮いているだけなら飲んでも特に問題は無いですが、
ろ過不良で瓶の中に酵母が残ってしまっているケースもあります。
その場合瓶内で2回目の発酵が起こり、炭酸ガスが充満している可能性が。
スパークリングワインの瓶と違ってふつうのワインの瓶はこのガス圧に耐え切れず、破裂する危険もあります。

だからお店で買う段階で、一度ワインの外観をチェックしておきましょう。
白ワインなら瓶の外からでも濁りの有無は目視確認できますし、
赤ワインも瓶底部分を明かりに照らせば瓶の外からでも透明度が判別できます。
ワインを買う時にはお店の明かりに透かして中を見てみるということ、これからやってみてくださいね。
勿論、フィラディスではワインの発送前に1本1本目視検品していますので、ご安心ください!!

*瓶の中で再発酵しているワインは、瓶が爆発する可能性もありますのでとても危険。
もし見つけたら触らず、お店の方に知らせてあげてください。

 

澱(おり)」について

濁りや、浮遊しているものが無いかを確認し、今おいしく飲める状態かどうかを確かめる

 

ワインボトルの中には、製造時~から熟成段階にかけて生成される、総称して「澱(おり)」と 呼ばれるものが入っていることがあります。
まずこの「澱」について知って戴こうと思います。
まず前提ですが、「澱」は基本的には飲み込んでしまっても健康上の影響のないものですので、 その点は心配しないでくださいね。

さて、この「澱」には、例えば赤ワインのだと色素やタンニン成分が固まった黒い粒のようなもの、
キラキラした赤いガラス片のような「酒石」と呼ばれる物質などがあります。
まず最初の「色素やタンニン分」について知っておきましょう。

色素やタンニン分はワインが出来たばかりの段階では非常に細かい粒として浮遊していているので、
形としては見えないのが通常です。
これが時を経て、つまり熟成することで粒と粒が段々とくっついていき、 1粒毎のサイズが徐々に大きくなっていきます。
最初は細かい粒だったために口当たりがザラザラとしていますが、粒が大きくなることで口の中でのタッチが柔らかくなっていく
これが熟成によってワインが「滑らかになる」一つの要素です。

そして更に時を経て粒が更に大きくまとまっていくと、 目に見えるサイズとなってボトル底に沈殿していきます。
(*上の画像は、それがグラスに入ってしまったときのものです)
つまり、こうして過剰なタンニン分などが抜け落ちていくので、ワインが更に柔らかくなるわけです。

こういった熟成に由来する色素・タンニン分の澱は
ワイン売り場の棚に静置されているときは沈殿していますが、買って帰る時の移動で浮遊してしまいます。
通販などで宅配便輸送されたものも同じ。

長期熟成して澱が発生しているようなワインは、買ってきてすぐに飲むのは避け、
数日の間静置し、再度澱が瓶底に沈むのを待ちましょう。
そして、飲むときにも出来るだけ動かさずに栓を開け、注ぐときも激しく傾けないこと。
澱のあるワインは悪いワインではありませんが、
口に入るとざらついて決しておいしいものではありませんからね・・・。

 

酒石(しゅせき)」について

濁りや、浮遊しているものが無いかを確認し、今おいしく飲める状態かどうかを確かめる

 

皆さんは、ボトルの中に赤いガラス片か石のように見える沈殿物を見たことは無いでしょうか。
これも澱と同じようにワインの成分に由来する「酒石(しゅせき)」と呼ばれる物質です。

「酒石」はワインに含まれる「酒石酸(しゅせきさん)」という有機酸に由来する物質。
酒石酸はワインの背骨とも言える酸で、その味わいの骨格を作り上げる重要な味わい成分。
その酸がワイン中のミネラル=カリウムなどと結合し、 キラキラ光る石のようになってワインボトルの底に溜まるのが「酒石」です。
赤ワインの場合、前述したタンニン分や色素成分の塊、つまり「澱」と更に結合することもあり、 その時はワインの底に木の小枝のような形状で沈殿します。

この結晶化して沈殿した酒石は「ワインの宝石」等とも呼ばれ、 酸やミネラルを豊富に含んでいる良いワインの証拠だ、などと言う生産者もいますが、 大きな塊となった酒石は決して見た目の良いものではありません。
何より、口に入るとジャリジャリと細かい砂が入ったようで・・・

そこで一部の大手生産者は、この「酒石」をワインが出荷される前に予め取り除いています
技術的に最もシンプルなのは、冷却する方法。
酒石は冷えたら結晶化するので、-5℃くらいの温度設定にして1日ちょっと放置しておけば、 結晶化してタンクの下に沈み、これ以上の結晶化を防ぐことが出来ます。

他には、酒石の粉末をワインに更に投入することで、 その粉末を基として結晶化を促進する「コンタクト法」と言われる技法、
電気透析によってイオン除去する方法など、様々な技術が開発されています。
冷却法等は処理に時間を要するので、現在は電気透析が主流だそうです。

でも、ワインの背骨とも呼べる酸を、見た目が悪くなるのを避けるために取り除いて良いのでしょうか?
この処理を実施している生産者は 「酒石酸自体には味が無いので、この処理によってワインの味が落ちることなどは無い」と言いますが、
実際のところはどうなのでしょう?
そのあたりはまだ、残念ながら解明されてはいないようです。

 

熟成の度合いを推測する

色調を見ることで、ワインの味わいのタイプや熟成の進行度合いを推測する

 

「ワインの色合いを見る」というステップに入りたいと思います。
ワインの色なんて、白ワインなら白、赤ワインなら赤、でしょう?と思っていらっしゃる方、 実は同じ赤ワインでも色合いの違いが結構明確に出るものだ、ということを知って戴ければと思います。

それではまずは、上の画像を見てみてください。
これは、6つのワイングラスに6種類の異なるワインを少量ずつ注ぎ、 グラスを横に倒して並べた状態のものです。

これを見ただけで、同じ赤ワインに色合いの差が大きく存在するということがすぐに分かりますよね。
特に、左から2番目と3番目の比較が一番分かりやすいかと思います。
非常に薄く透き通ったオレンジ色のような2番目のワインと、紫色に近い色合いの3番目。
ブドウ品種の違いや、熟成させた年数などによってワインの色にはこれほどまでに違いが出ます。

ワインの色合いを見るときには、このようにワインをやや少なめに注ぎ、 グラスを斜めに傾けたり倒したりして液面を広げると見やすくなります。
ご自宅でワインの色合いを細かく見てみたいと思ったら、このやり方を試してみてください。
こぼさないように、気を付けてくださいね。

このように、赤ワインの色合いを分類していくと、 「青みがかった紫色/ピンク色」⇒「鮮やかな赤/ルビー色」⇒「オレンジがかった赤」⇒「煉瓦色/茶色に近い色」
という順番に並べていくことが出来ます。
この順序で行くと、青・紫・ピンク色は「まだ若々しい、造りたてのフレッシュなワイン」の色。
それが右に行くにつれて、年齢を経たワイン、つまり熟成を示す色合いとなっていく、と思ってください。
非常に長い年月熟成したワインは茶色に近い色合いになっていき、 色素の退行・弱まりに伴って段々と色合い自体が薄くなっていきます。

つまり、ワインの色からはまず、ワインの年齢が推測できるということ。
鮮やかな色合いのワイン程、まだできたての若いヴィンテージのものだ、ということ。
つまり収穫から1-2年しか経っていないのに茶色っぽくなっているワインがあるとしたら、 それは正常な状態ではなく、残念ながら劣化したワイン、と判断することが出来るわけですね。

 

ブドウ品種や味わいのタイプを推察

 

ワインの色合いは、使われているブドウ品種や味わいのタイプを推察する要素ともなり得ます。
上の画像で言うと左から3番目と右から2番目のワインを見てみてください。
この2つは、紫色のニュアンスを強く持っているのが見て取れると思います。

実はこういった色のワインは必ず「紫色・黒っぽい果物」の香りや味わい要素を持っています。
例えば、ブルーベリー、カシス、ブラックチェリーなどの、凝縮感の強いフルーツです。
そしてこの色系統から「黒系果実のイメージがある、パワフルでがっしりしたスタイルのワインかな」
例えばボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンが多く使われた力強いワインのようだ・・・と思い描けます。

一方で、左端2つのワインには「紫」の要素はほとんどなく「赤・うすいオレンジ」の色合いが見えます。
こういうワインは先程と違い「赤い果実」の香りや味わい要素を持っていることが多くなります。
イチゴ、ラズベリー、さくらんぼといった、フレッシュで甘酸っぱい印象のフルーツ。
だから今度は「果実の酸味が心地よいタイプのワインかな」、
例えばブルゴーニュのピノ・ノワールを使ったエレガントなスタイルかな・・・と思い描けるわけです。

まあ、これは目の前のワインが何のワインか分からないときの話ですが、
喩え銘柄が分かっている時でも、口に含む前に「期待する味わい」が定まる、ということが重要なんですね。

香りを愉しみ、分析する

 

香りを愉しむ前の心得

色合いを見て、香りを取って、味わいを楽しむ。


何といってもワインは「香りを愉しむお酒」と言っても過言ではありません。
そもそも「香りを取る」意味。そして「香りの楽しみ方」。ゆっくりご紹介させて戴きますね。

さて、このコラムを読んでくださっている方で
「ワインの香りなんて嗅いだこともない」という方はさすがに殆どいらっしゃらないですよね。
でも、お店や家でワインを飲むときに
「必ず、香りを楽しんでから口に含む」ことをしている方となると、少し少なくなるかもしれません。

でも、それはワインを楽しむ上で大きな損をしています。
ワインは「香り半分、味半分」くらいに言っても良いくらい、
そのおいしさ・楽しさに占める香りの比重は非常に大きいものです。

さすがに見ただけで満足できるワインはありませんが、
(シャンパンの泡が立ち上っていくのを見ていると幸せ、なんていうのはあり得ますね)
香りを楽しむだけでも十分満足できてしまうワイン、は確実に存在しています。
その素晴らしい香りだけで、飲まなくても料理が進んでしまう・・・
本当に素晴らしいワインって、実はそんなものです。

ワイングラスをくるくる廻して香りを取ってから飲むなんて、 気取った感じで恥ずかしい、自分は絶対やりたくない、と思っている方もいるでしょう。
でも、あの仕草にもちゃんと根拠と意味があるのです・・・

最初に知っておいて戴きたいのは、 ワインの香りには大きく分けて2つのカテゴリーがある、ということ。
ひとつは「フルーツの香り」、もうひとつは「フルーツ以外の香り」です。

「フルーツの香り」は例えば、 赤ワインなら所謂「ベリー系」と呼ばれる苺などの果物
白ワインなら、レモンなどの柑橘類から、真ん中に芯・種のあるリンゴや洋梨、桃などの果物
ワインはブドウと酵母だけで造られますから勿論これらの果物が入っているわけではありません。
あくまでも、こういった果物を「連想させる、似ている」香り、と思ってください。

そして「フルーツ以外の香り」
例えば黒胡椒・シナモンなどの香辛料系、ミントやローズマリーなどのハーブ系、 チョコレートやパンなどの食べ物系、木や落ち葉・キノコ・土・・・その他いろいろです。

まず大きく分けてこの2種類の香りが存在する、ということだけ、とりあえず覚えておいてください。
ワインの香りをこういった「~のような」という喩えで表現していくのは、 決して難しいことではありませんが、かといってすぐに出来るものでもありません。
このコラムを読みながら、少しずつ「香りを感じて、言葉にする」ことを理解してくださいね。

 

注ぐべき量

 

それでは、いよいよ「実際にワインの香りを取る」という段階に入っていくのですが・・・
その前にとても大切なことをひとつ。
グラスにワインを注ぐにあたって、気を付けて戴きたいことです。

それは『あまり並々とたっぷりワインを注がないこと』です。
確かにたっぷりとワインが入っていれば、液面の近くまで鼻を近付けられますが、 これからこのコラムでご紹介する正しい香りの取り方をやってみるのには、 グラスの淵に口を着けてすするように飲まないといけないほど入っていてはダメ。

目安としては、ワイングラスの円周が一番広くなっている辺り、 つまりグラスの最も太くなっている辺りの高さまで注いで、そこで止めておきましょう。
(画像が見られる方は、上の画像で注いである量のイメージです。)
ストレートでくびれの無いグラスだったら、全体の3分の1くらいの高さが目安です。

さて、それではまず注いだばかりのワインの香りを取ってみてください。
グラスを手に取り、鼻をグラスの中に突っ込むくらいの勢いで構いませんよ 笑
・・・どんな香りが感じられましたか??
もしかすると、あまり強く香りを感じることが出来なかったかもしれませんが、、それでOK。
そこで、次のステップ「グラスをくるくる回す」に入るわけです。

 

ワイングラスを回す=スワリング

 

いよいよグラスをくるくる、ワイン通っぽく回してみる練習です。
まず、グラスを上の写真のように持ってみましょう。
画像が見られない方は、 グラスの脚の一番下の部分を親指・人差し指・中指の3本でつまむように持ち、 手の平の下の辺りはテーブルに付けて安定させます。

それではここからワイングラスを回し始めましょう。
グラスの脚がテーブルにしっかりと接地したままの状態で、 右手が利き手でグラスを持っている方は、グラスを反時計回りに。
左手で持っている方は、時計回りに。
持ち手の向きから内側に内側にとワインを回すイメージです。
(これを逆回しに廻すと、ワインが外側に向かって飛び出すことが多いので気を付けてください。
お向かいの人に思い切りビシャッ・・・ってこと、ありますよ。)

あまりビュンビュンと勢い良く、何回も何回も回す必要はありません。
ワインがグラスからあふれ出ないようにゆっくりと大きく3-5回くらい。
回し終わったら、液面が落ち着くのを待ちましょう。

皆さん、上手に回せましたか??

さて、これが終わったら、 最初と同じようにもう一度グラスに鼻を近付けて香りを取ってみましょう。
どうでしょう・・・先程と、香りが変わったのにお気付きになりましたでしょうか。
この動作を「スワリング」と呼ぶのです。

スワリングの意味は、ワイン全体を空気に触れさせることです。
これによって注いだ時よりも温度が少しだけ上昇しアルコールの気化が始まります。
併せて香りの成分が揮発して液面から上に上がってくるために
最初よりも香りを強く感じられるようになります。
これを香りが「開いた」と表現する訳ですね。

ワインの香りを構成する要素はワイン1本1本毎に異なっており、 そして含まれている香り成分それぞれで揮発を始める温度が異なります
ワインをグラスに注いで外気に触れさせ、 スワリングをすることにより温度は継続的に上昇を始めます。
するとワインの中からは既発温度が低い順に香り成分が空気中に出てくるため、 時間経過によって温度が上がるにつれて新しい香りがどんどん出てきたように感じるわけです。

併せて、ワインの成分が空気に触れることで酸化が始まり、 化学反応によってまた新しい香りが現れてくる。
この「温度変化による香り成分の揮発」と「酸化の化学反応による香りの変化」の2つが、 ワインが「開く」ということなのだ、と理解して戴ければ良いと思います。

 

第一アロマ

 

ワインの香りには3つの種類がある、ということを知って戴きたいと思います。
3つの香りとは『アロマ』『ブーケ』そして『フレーヴァー』ですね。

まず最初の『アロマ』から始めましょう。
『アロマ』とは、ブドウの品種そのものに由来する香りの事で、『第一アロマ』と『第二アロマ』があります
『第一アロマ』はブドウ品種由来の香り。
このブドウ品種なら、強弱はあれ必ずこの香りがあるもの・・・という、その品種の個性・特徴とも言える香りです。
『第二アロマ』は、発酵・醸造に由来する香りのことです。

まずブドウ品種由来の香りである『第一アロマ』についてご紹介します。
例えばソーヴィニヨン・ブラン種の代表的な香りであるグレープフルーツの香り、 ゲヴュルツトラミネール種ならライチ・・・と、その品種を覚えるときのキーワードともなるような香り。
こういうものが『第一アロマ』です。

勿論、この代表的な香りに加えて、産地の気候条件や土壌の質などによって、 同じ品種でもアロマの質や構成が変わっていきます。
いちばん分かりやすい例でいうと、 同じブドウ品種を非常に暑い気候の地域で栽培した場合と、冷涼な地域で栽培した場合のアロマの違い。

暑い地域で収穫されたブドウは、 品種を表現する果物が「完熟した状態」「砂糖漬けにした状態」「煮詰めてジャムにした状態」のように感じられます。
一方で涼しい地域で収穫された同じ品種のブドウは、 まだまだ若くフレッシュな果物の摘みたての状態のような甘酸っぱい印象がある・・という具合ですね。

このような香りの印象から、目隠しでワインを飲んだ時でも産地が暑い地域か寒いところか・・・ なんていう推察をすることもできるわけですね。

 

第二アロマ

 


第一がブドウ品種由来でその個性や特徴を象徴する香りであるのに対して、 第二アロマは「発酵や醸造に由来する香り」です。
つまりもともとのブドウにあった香りではなく、ワインとして仕込むことで生まれる新たな香り、ということです。

このうちでとても分かりやすいものを2つほど挙げてみます。
一つ目は例えば「イースト香」
これはワインを酵母によってアルコール発酵させた後、酵母をろ過する前に付着する香りです。
ワインにパン屋さんの前を歩いた時のような香りがあったら、それは『酵母に由来する第二アロマ』です。

もう一つは、例えば木樽の中で発酵させた時にワインに付着する木の香りです。
伝統的な木樽発酵をする生産者のワインからは、香ばしい木の香りが感じられます。
これが『樽に由来する第二アロマ』です。
現代の超大量生産ワイナリーだと、 「オークチップ」という木屑を漬け込んでこの香りを無理矢理付ける場合もありますけどね。

果実の香り=第一アロマ、次の段階で生まれる香りが第二アロマです。

 

ブーケ(第三アロマ)

 

『ブーケ』は『第三アロマ』ともよばれる、「ワインが熟成したことによって獲得する香り」です。
ブドウが収穫されてワインに仕込まれてから、木樽に詰められて数か月、数年と熟成したことで生まれる香りや、 瓶詰めをされたあとセラーで長い間眠っていたことによって生まれる香りのことです。

『ブーケ』の例としては・・・
熟成した白ワインなら、トーストやバター、ローストしたナッツ・アーモンドなど。
赤ワインなら、チョコレートやコーヒー、トリュフ、葉巻、燻製など。
若いワインにある果実や香辛料・ハーブなどとは違い、より「強く、濃く、より複雑」な香りが挙げられます。

これらの香りは、ワインがもともと含んでいた香り成分、 そしてアルコールや酸が時を経て変化・複合化して生まれるもので、いわゆるアルデヒドやエステルの香りです。
ワイングラスを回した時に上に挙げたような香りのニュアンスを感じ取ったら、 それはとても良好な環境で熟成をし、良い段階にきているワイン。
ゆっくりと堪能すれば、更に新たな香りのイメージが現れてくるかもしれません。

そして・・・これらの香りを感じ取り表現できたら、ワイン好きとしては大きな進歩だと思いますよ。
10年以内くらいの熟成ワインなら、価格が手頃なものも沢山あります。
『ブーケ』を実感するためにも、是非そういったワインも試してみてくださいね。

味わいを愉しむ

 

どのように口に含むか

さて、味わい編に突入です。
最初に・・・皆さんも勿論お分かりの事とは知った上で書くのですが、 「ワインはのど越しで飲むものではなく、口の中で転がして香りを楽しみつつ飲み込むもの」
ということを改めて書いておこうかな、と思います。

ワインは口に含んでそのまま「ごっくん」と飲み干してしまうと、 その味わい要素の全体をしっかりと楽しむことはできません。
口に含んだら、しばらくは口蓋の中でころころと転がすようにして、 舌と口の中全体を使って味わいをゆっくりと感じ取るようにしましょう。
そうすることで、香りや味わいの構成要素を色々と楽しむことが出来ます。
プロのワインテイスターがよくワインを口に含んだ後に口先を小さく開けて 「ヒュルヒュル~」と空気を中に入れているのは、 口の中に入れたワインを、空気を吸い込みながら転がして、更に香りを広げているのです。
このシリーズの前段、香りの項で「ワインは温度が上がったり空気に触れることで新たな香りを放出する」、 ということを書きましたが、口の中でもそれは同様に起こるということですね。

かと言って、レストランでのお食事の時にこれをやってしまいますと、 音がなってしまい決して行儀の良いものではありません。
あくまでもご自宅で「テイスティングをするとき」にはこういった飲み方をして、 お店では音を立てずに軽くワインを転がすようにしましょう。

良ければ参考までに、Firadis WINE CLUB30に掲載されているテイスター動画を見てみてくださいね。 「ヒュルヒュル~」とやっているところ、実際に見ることが出来ると思います!

※動画35秒あたり

 

スパークリングワイン編

 

では口に含んだ後、、
ワインをテイスティングするときに、味わいのどこに着目して飲めばよいのか、 というところをご紹介します。
いきなり味わいの分析なんて言うものはできませんが、 ワインのジャンルごと(泡、白、赤)に、このポイントを押さえて評価していくと自分の好みや美味しさの判断がしやすいよ、 というところを解説していきます。

まずは、シャンパーニュやスパークリングワインなどの「泡もの」を飲むときに、 どこを感じ取れば良いのか、についてです。
口の中で感じ取って戴きたいのは以下5つのポイントです。

  • 泡の強弱(炭酸の強さです)、泡の口当たりがきめ細かいか、粗いか
  • 酸の程度 酸っぱいくらい酸が強いか、優しいか  / 締め付けるような感じがあるか
  • 果実味の程度 甘さがあるか、ドライな辛口か、など
  • ミネラル感 口の中がキュッと引き締まるような感じがあるか
  • 飲み込んだあとに、喉の奥から温かく返ってくる余韻はあるか

「こんなのいきなりわからないよ」と思うかもしれませんが、難しく考えなくて良いんです。
ガス強めだな、泡がきめ細かいな、ちょっと酸っぱめだな、果実の甘さがあるな、とか、 今はそんな風に感じられれば十分。
ビールみたいに喉越しでゴクゴク飲んでしまうと、スパークリングワインの本当の美味しさ、見逃しちゃいます。
是非今日からはじっくりと、チェックポイントを評価しつつ飲んでみてください!

 

白ワイン編



  • テクスチュア 口当たりがシャープ/硬質/パキパキしている、やわらか/まろやか/こってりしているか
  • 酸の程度 酸っぱいくらい酸が強いか、優しいか  / 締め付けるような感じがあるか
  • 果実味の程度 甘さがあるか、ドライな辛口か、など
  • ミネラル感 口の中がキュッと引き締まるような感じがあるか
  • 飲み込んだあとに、喉の奥から温かく返ってくる余韻はあるか

続いては白ワインの味わうべきポイントです。
白ワインではスパークリングで気にしていた「泡の強弱」はなくなり、テクスチュアがポイントに加わってきます。

そして、より「酸と果実味のバランス」に着目して欲しいな、と思います。
白ワインは、ブドウ由来の豊かな酸と果実の甘み、そのバランスと熟成による変化を楽しむお酒、 と考えて戴ければ良いです。

酸ばっかりが際立って酸っぱくて飲み疲れるようなワインや、 甘ったるくて締まりのない、ただただ果実の甘さだけがある弛緩したようなワイン、 またはやけに辛口でギシギシと硬く口の中を締め付けて人を疲れさせるワインは
「イマイチな白ワイン」だと思いましょう。
一方で果実味が十分なふくよかさを持っていて、 程よい酸がそれを綺麗に整え、ミネラルの硬さが背骨のような役割を果たしているワインは、 バランスが良いワインだな、と感じさせてくれます。

ワインを飲み始めて最初のうち、ただ漠然と飲んでいると「バランスの良さ」という考え方が 今一つピンとこないかもしれません。
ですがこうしてチェックすべき項目を整理してそこに着目して飲んでいくと、 バランスの良し悪しというのは結構明確に見えてくるものです。

 今日からはワインを口にするときに出来るだけそれぞれの要素のバランス感を評価してみてください。
自分の好みで構いませんので、 「果実味は十分だけど、もうちょっと酸があったら飲み口が爽やかになるかも」 など、
「ここがこうだったらもっとおいしくなりそうだな」という視点でワインを見てみてください。
だんだんと自分のワインの好みが分かり、評価が出来るようになるはずですよ。

 

赤ワイン編・・・タンニン

 

白ワインを味わうポイントは以下の通りでした。

  • テクスチュア 口当たりがシャープ/硬質/パキパキしている、やわらか/まろやか/こってりしているか
  • 酸の程度 酸っぱいくらい酸が強いか、優しいか  / 締め付けるような感じがあるか
  • 果実味の程度 甘さがあるか、ドライな辛口か、など
  • ミネラル感 口の中がキュッと引き締まるような感じがあるか
  • 飲み込んだあとに、喉の奥から温かく返ってくる余韻はあるか


赤ワインの味わいポイントなのですが、 こちらも基本は白ワインと大体同じですが、大きく異なる要素がひとつあります。
それは赤ワインの「テクスチュア」を構成する大きな要素「タンニン=渋み」の度合い、ですね。

赤ワインには量や質の差はあれど、必ずこの「タンニン」分が含まれています。
ブドウの果皮に由来する成分で、 果皮の厚いブドウ(例えばカベルネ・ソーヴィニヨンなど)から造られたワインは、 タンニンの含有量が非常に多くなり、イコール「渋みの強いワイン」と認識されます。
逆に果皮の薄いピノ・ノワール種などだと、タンニン量が低く優しいタッチになります。

赤ワインを味わう時、是非この「タンニンの量と質」に着目してみてください。
タンニンの量、強さについては使用しているブドウ品種にも確かに左右されるのですが、 その質でワインの良し悪し、そして飲み頃かどうかの判断などができます。

赤ワインを口に含んだら、 まずはタンニン分が「ざらざらしている=砂のように粒が細かい」のか、 「なめらかで滑り落ちていくよう」なのかを評価してみてください
舌の上でざらつきがあったり、過剰に口の中を締め付けたりする状態にあったら、 そのワインはまだ飲むのには若すぎたのかもしれませんし、 または造り手が果皮を強く絞り過ぎてしまい、 タンニンが必要以上に含まれてしまったのかもしれません。

ざらついたタンニンが滑らかになっていくのには時間が必要、 これがワインの熟成にも関係しているということ。
つまり、飲み頃に達しているワインはタンニンがこなれていて心地よい、ということです。

 

赤ワイン編・・・黄金比率

 

長かったワインのテイスティングについてのお話もようやく終わります。
最後は黄金比率についてです。

赤ワインは、酸・タンニン・果実味のバランスこそが評価の最大のポイントになってきます。
十分な果実の甘みとそれを爽やかにする酸、 そして心地よく飲みごたえを演出してくれる適度な渋み=タンニン。
若くフレッシュなワインだったら、 この3つ巴の調和が取れていたら文句なしに美味しいワイン、と評価して良いと思います。

このバランス、産地によって力点の置かれる場所が大分変わります。
カベルネ主体のボルドースタイルだったら「タンニン」の方に若干重点が偏りますし、 ブルゴーニュの赤なら「酸」の度合いが非常に重要な要素となるでしょう。
暖かい南のエリアの赤ワインなら、やっぱり豊かな果実の甘みに比重を置いて楽しみたいですしね。

ですが「この産地なんだからこういう味のバランスじゃないと・・・」
と必ずしも決めつける必要はありません。
タンニンの強いおいしいブルゴーニュだってありますし、 エレガントで綺麗な酸を楽しめるボルドーの赤ワインだって数多く存在します。
典型的なスタイルから外れているからと言って、そのワインがおいしければそれでOKです。

だからそれよりも大事なのは、結局は自分の「味の好み」です。
人それぞれ味の好みがありますから、 仮にタンニンが際立って突出したワインがあったとしても、 それが自分の好きなスタイルだったらそれはそれで全く問題ないと思います。
渋みがとにかくダメ、という方はタンニンが少ないワインをおいしいと感じられるはず。

このように、まずは自分の好きな果実味・酸・タンニンのバランスを見つけて、 そのバランスを「自分の黄金比率」だと思って、好みのタイプのワインを探しましょう
この黄金比率が思い描ければ、ワイン選びの精度がぐっと上がってきますよ!!

 【当店のおすすめワイン】 

Firadis WINE CLUBは全国のレストランやワインショップを顧客とする、ワイン専門商社フィラディスが運営する通販サイトです。今回は口コミ高評価で間違いのない13本のワインをご紹介。
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