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今月のおすすめワイン本【2022年5月】なぜ人は、「おいしい」と思うのか??

今月のおすすめワイン本【2022年5月】なぜ人は、「おいしい」と思うのか??

読むとワインを飲むのがもっと楽しくなる本をご紹介する『今月のおすすめワイン本』シリーズ。
41冊目に選んだのは久々に「ワインを科学する」系の本。なぜ人は、「おいしい」と思うのか??の謎に迫った非常に面白い本『においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる』(虹有社 東原和成さん、佐々木佳津子さん、伏木亨さん、鹿取みゆきさん共著 税込定価2,420円)をご紹介したいと思います!
理系科目アレルギーの方(僕もそうです)でも全く問題無く気楽に楽しめる、非常に分かりやすい本ですよ♪

 

 

難しいイメージの科学本も、講義の収録形式だと驚くほど読みやすく楽しめます。飲みながらでも全然OKです。

このシリーズではワイン醸造家を目指す人が読むような専門書は取り上げないようにしているのですが(そもそも僕が読んでも良書かどうか判断してお薦めすることができませんから…勉強不足ですみません)、2020年6月更新のコラムで1冊だけこんな書籍を取り上げました。

『ワインの味の科学 I TASTED RED』(ジェイミー・グッド著/伊藤伸子訳 エクスナレッジ 税込2,420円)

今月のおすすめワイン本【2020年6月】「ワインと味覚」

この本は様々な実験エピソードが紹介されていて、例えば「白ワインを赤に着色してテイスティングさせると、みんな赤ワインだと思ってそれらしく香りや味わい表現のコメントをしてしまった」なんていうワイン好きなら思わず共感してしまうような内容がたっぷりでした。

そして本日ご紹介の1冊、こちらも『ワインの味の科学』と同系統の、非常に読みやすくワイン会でネタに出来るような話が満載の1冊が『においと味わいの不思議』。4人の共著となっているのは、青山のワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」で開催された4回シリーズのセミナーでそれぞれの方がお話しされた講義内容を収録した形式だからです。
よって本の章立ても
【第1章】「においとは何か?」 科学のメスは、においの神秘にせまれるか? / 東原 和成さんの講義
【第2章】「においの正体とは?」 ワインの香りはどこから来る? / 佐々木 佳津子さんの講義
【第3章】「おいしさとな何か?」 おいしさは数式で表せるか? / 伏木 亨さんの講義
【第4章】「言葉で表現するためには?」 ワインのテイスティングとは? / 鹿取みゆきさんの講義
という4部構成になっています。

どれもそれほど長くなく、どこから読んでも大丈夫な構成。口語調なので文章がとても読みやすいのもありがたいです。ポイントも分かりやすく整理されていて、冒頭の本の写真でも分かるかもしれませんが、僕は付箋を非常にたくさん貼ってしまいました。

なぜ「香り」ではなく「におい」なのか?が気になりました。

さて、僕がこの本を手に取る前に最初に思ったのは「ワインを科学的に語る本なのに“香り”じゃなくて“におい”って書くのは、何故なんだろう?」という疑問でした。著者の皆さんがワインの専門家なのにメインタイトルでも「香り」と書かないということは絶対意味があって敢えてなんだろうな、そのあたりも説明してくれているのかな…?と思って本を開くと、いきなり第1章の4ページ目からそれが書いてありました 笑

そしてその1ページだけですぐさま納得、ここは是非皆さんご自身で読んで戴きたいのでネタバレはしません。立ち読みでも良いので、まずはここだけでも是非読んでみてください。

僕はこれまでワイン教室等でお話をする時に「○○のようなにおいがする、よりも、○○のような香りがする、って言った方がきれいに聞こえますよ」とか、さも「香り」だけがワインを表現するにあたって正式なもののように説明してきてしまったのですが、それが浅はかだったことを反省致しました。単にイメージだけで「におい」っていうと「臭い」的に変換してしまっていたんですね。「におい」と「香り」の違い、皆さんも是非知って戴きたいと思います。
(とは言えこれから急に「におい」という言葉を使うと、この講義を聞いていない/本を読んでいない方には伝わらないから困ったものです。。。)

一番の読みどころはやはり第1章、においに対する人の脳の反応についての記述が驚きでした。

他3名の講師さんの名誉のために言っておきますが、全章素晴らしく面白く読めるのは大前提として、やはり発見が多かったのは第1章「においとは何か?」。
まず驚かされるのが、ワインの香りを構成する要素の中には決してポジティヴでないものも含まれているということ。とある白ワインには、リンゴの香りやシロップの香り、ガムの香りに加えて「足の裏のにおい」「生ごみのにおい」も要素としては混ざっているのだとか。でも、それが混ざり合うことで初めて良い香りが生まれる・・・ココ・シャネルは香水を開発するときに敢えて酔っ払いやカメムシが発するアルデヒドのにおいを混ぜることで素晴らしい香りを作った、などというエピソードも紹介されていました。

そして僕も含めワイン好きの人たちの脳は、ワインを好きでない人がワインを飲む時と全く異なる活動をするとのこと。ワインに数多く接する経験をし、例えばそれを言語化した経験がある人の脳は、ワインを飲むたびに言語中枢などが激しく活性化されるそうです。脳の中で「ワインの表現」という形に繋げていこうとする働きが起こるんですね。
ワインに特に興味が無い方がにおいをかいでも、こういった目立った活性化は全く起こらないのだとか…つまり、ワインは言葉を知れば知るほど、脳の活動が活発になるということですね。僕がずっと書き続けている「ワインの語彙を知るコラム」も、少しは脳の役に立つということで嬉しくなりました!

と、いくらでも内容をご紹介したくなる本なのですが一旦今回の紹介コラムはこの辺で。後は読んでみてのお楽しみ・・・面白さが少しでも伝わっていたら良いなと思います。本当にお薦めですので、是非読んでみてくださいね!

さて、次回はどんなワイン本をご紹介しましょうか・・・おっと、またこんな面白そうな本を見つけてしまった・・・早速ポチっとな、と。早く届かないかなあ。。。

*本日ご紹介した書籍は、Amazon他にて新品・古書等で購入できます!

『においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる』
(虹有社 東原和成、佐々木佳津子、伏木亨、鹿取みゆき著 税込定価2,420円)
↓↓↓
https://www.amazon.co.jp/においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる

『ワインの味の科学 I TASTED RED』
(ジェイミー・グッド著/伊藤伸子訳 エクスナレッジ 税込2,420円)
↓↓↓
https://www.amazon.co.jp/ワインの味の科学 I TASTED RED

 

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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