ワインペアリング奮闘記 第150回 150回記念にセレクトしたワインと料理は? / ドメーヌ・ダニエル・リオン ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ レ・ショーム 2018年
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第150回
150回記念にセレクトしたワインと料理は?
※アレルギー負荷試験を乗り越えて最近バターOKになりました
お陰様で、このペアリングコラムも150回記念ということで、今回はドメーヌ・ダニエル・リオン ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ レ・ショーム 2018年でお祝いしたいと思います。フランス・ブルゴーニュ地方で最高クラスのワインを生み出す「神に愛された村」ヴォーヌ・ロマネの、ロマネ・コンティも程近いプルミエ・クリュ畑、レ・ショームの赤ワイン。生産者はフィラディスが信頼するダニエル・リオンです。150回記念に相応しいワインとしてセレクトしました。品種はもちろん、ピノ・ノワールです。
テイスティング
中央は黒みがかった深いレッド、エッジにかけてガーネットの色調。液面に輝きがあり、やや濃い目、レッグも長めです。
香りはフレッシュで完熟したラズベリーやブルーベリー、カシスのミックス。ヴォーヌ・ロマネらしいフローラルな香りも印象的です。ドライローズマリーや、オレンジのような要素も取れました。うっとりするような官能的なアロマですね。
口に含むと、なめらかな口当たり。ぎゅっと詰まったような充実した果実味で、ボディは強め。
中盤はしなやかさのあるタンニン、そして軽い苦味を伴ったミネラルの要素をしっかりと感じます。
飲み込んだ後はアルコールの暖かさを程よく感じ、華やかなフレーヴァを改めて感じることができます。
そして舌にも複雑味がずっと舌に残っていくような印象ですね。
全体的に華やかな印象があり、エキスは充実していて強めです。余韻も長く、飲み応えのあるブルゴーニュ赤ワインです。
感じ入ってしまうような、素晴らしい出来栄えですね!
合わせる料理『鴨肉のオレンジソース』
どこか荘厳さすら感じるこのワインに、私ごときの小細工は通じない。
そんな時はフレンチの定番レシピをなぞって正面からぶつかって行きます。
まずメインの食材には岩手産の鴨肉をセレクト。鶏肉よりも強いコクでしっかりとワインに拮抗してくれると思います。
ソースはワインから微かに感じたオレンジピールの要素に合わせて、オレンジソースとします。
レシピ
今回は小川 智寛シェフのレシピ動画を参考にしていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
YouTubeでとても丁寧に解説されていて、本当に分かりやすくてありがたいです。
帰り道の「なぜ料理人を目指したのか」は、ちょっと泣けましたねー・・・。
自分なりに変更した点は、鴨肉の火入れは低温調理機を使いました。
また皮まで使うオレンジソースについては、ワックスを避けるため国産の甘夏に変更しています。
皮目から表面を焼いた鴨肉をジップロックに入れて、低温調理器で57度/1時間半加熱します。
その後水分を軽く拭き取って、香り付けのためさらに軽くバーナーをかけています。
甘夏の皮をシロップ煮にして、
カラメル化したグラニュー糖、ワインビネガー、グランマルニエ、甘夏ジュース、フォンドヴォー。
ソースの材料を煮詰めて、最後にバターを加えます。
鴨肉をスライスして、ソースをたっぷりかけて黒胡椒を。
とっておいた甘夏の果肉を添えて、出来上がりです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○鴨肉の血を思わせる風味、深いコクが赤ワインのミネラルと共鳴し、長い余韻を楽しめる
○ソースはバターリッチで重みがあり、レ・ショームの腰の座った重心と通じる
○ワインのトーンの高い華やかな香りと、オレンジの香りの相性の良さ
△料理の腕がボトルネックに・・・美味しいけど、火入れが良くないのか、鴨の歯切れがイマイチ
ワインは星5つです。ダニエル・リオンはまだそこまで知られていないですし、ヴォーヌ・ロマネの官能的な味わいを手頃に、存分に楽しむことができるので、これはおすすめですね。
料理については、ソースは初めてにしては良くできました。お店で出てくるやつです。
鴨は恐れずにフライパンで火入れした方が良かったかも知れません。逃げてすみません。
ペアリングとしてのセレクトはやはり定番的で間違いなかったと思います。
クラシックで雰囲気のあるお家フレンチの夜を楽しむことができました。
150回という一つの峠を超えて、これからもまだまだ頑張りますので応援よろしくおねがいします。
(西岡)
今回のペアリングワイン:
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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