ワインボキャブラ天国【第113回】「開花」 英:flowering/blooming 仏:floraison
- 2022.01.23
- ワインボキャブラ天国
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「開花」
英:flowering/blooming
仏:floraison (女性名詞:発音は「フロレゾン」)
目次
ブドウは「多年生植物」
上の画像が、ブドウの花。派手さや華やかさは無いですが、なかなかかわいらしい可憐な花ですよね。
(*画像の提供は、イタリア・バローロのワイナリー『ジャコモ・グリマルディ』です。つまり、ネッビオーロ種のお花ですね。)
ブドウは1本の樹が長年にわたって毎年果実を実らせる多年生作物。春に新芽が出るとそこから蔓が伸び初夏頃に開花、その後ブドウ果実を実らせた後で冬には一旦枯れて葉を落とす。このサイクルを繰り返し、長いものでは樹齢100年以上たっても実を付けることが出来る非常に長生きの植物です。
*「一年生植物」は、1年以内のうちに種子から発芽し花を咲かせ結実し、最後に種子を残して枯死する植物を言います。日本でおなじみの品種と言えば朝顔などですね。小学校の観察日記の最後は、種を収穫して終わりですよね。
「開花」の時期は?ブドウの生育サイクルを簡単にまとめます。
ブドウの生育サイクルについては、品種や栽培地域によっても大きく異なりますので、今回は北半球のワイン産地、例えばフランス等を基準にご紹介していきます。
毎年3月の終わり~4月中くらいを目途に新芽が萌芽、そこから70日後くらいを目安に花が咲き、萌芽から約100日ほどで実を付ける、というのが基本的な流れです。ですので開花時期は大体6月頃。白い花が咲き始めてから、約1週間ほどが開花=フロレゾン(フラワリング)の期間と把握しておいて戴ければよいかと思います。
そしていよいよ収穫を迎えるのは、早い土地(年)では8月下旬から9月の頭、標準的には9月中旬くらいから10月にかけてが収穫の適正な時期となっていきます。ブドウの糖度を高めるために「遅摘み(=仏:ヴァンダンジュ・タルディフ/英:レイト・ハーヴェスト)」を行う場合ですと、そこから更に数週間収穫を待つことになります。
開花期には、お祭りが催されることも!
ブドウが無事に開花を迎えるのは、栽培農家・生産者にとっては本当に嬉しいこと。その年の収穫に向けて期待が高まるこの時期には、各地で開花のお祭りが開催されます。
例えば伝統産地ボルドーでは毎年6月に『LA FETE DE LA FLEUR(ラ・フェット・ド・ラ・フルール)=花まつり』が開催されます。毎年持ち回りでトップシャトーの一つがお祭りの会場に選ばれ、ボルドーの生産者たちが集まって盛大なパーティが開催されます。ボルドーワインの普及に貢献した人を「シュヴァリエ=騎士」として叙任する『ボンタン騎士団』叙任式もこのお祭りの中で行われるんですよ。
上の画像はそのお祭りの様子、ボンタン騎士団の現地公式HPからお借り致しました。こうやって生産者も大いに盛り上がるのがブドウの『開花』だということ、是非覚えておいてくださいね。
それでは今回はこのへんで・・・
今日も、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
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