ブドウ畑に恩恵をもたらす毛むくじゃらの仲間たち
土壌を回復させる能力が評価され、馬、羊、豚といった動物たちがブドウ畑に戻りつつあります。
北半球に春が訪れると、生産者は樹下や畝間の雑草をどう管理するかを判断しなければなりません。最も一般的な選択肢は、化学合成除草剤、機械による除草、あるいはその両方の組み合わせです。
除草剤は、特に全面散布(シャンパーニュで非常に一般的な手法)が行われる場合、土壌、水、空気に悪影響を及ぼすことが知られています。一方、機械除草は、ブドウの幹や根を傷つける可能性があり、栽培家のカーボンフットプリントを増やす恐れもあります。
研究では、除草剤と機械除草の両方が、土壌の圧密化を引き起こし、土壌浸食をもたらす可能性があると指摘されています。さらに、どちらの方法も石油を必要とします。石油は、イラン戦争の開戦以来、減少傾向にある資源です。トラクターに使われるディーゼル燃料であれ、化学合成除草剤に含まれる石油化合物であれ、事情は同じです。幸いなことに、石油に依存せず、土壌を豊かにするという利点を持つ第3の選択肢が存在します。それが、ブドウ畑への動物の再導入なのです。
現在、畑の管理において動物を積極的に取り入れる生産者はごく少数ですが、歴史的に見れば動物はブドウ畑の優れた助っ人でした。
例えば、トラクターが登場するずっと前は、土は馬で耕され、小規模農家では鶏がブドウ樹の間を歩き回っていたり、ガチョウが農園全体を守ったりしていました。しかし、農業を長く支配してきたモノカルチャー(単一栽培)的なアプローチの中で、動物たちはブドウ畑から姿を消していったのです。最後まで残っていたのはおそらく農耕馬でしたが、ブドウ栽培の工業化が進んだ1970年から2000年の「栄光の30年間」において、急速にトラクターに取って代わられました。
しかし今世紀に入り、一部の生産者が自らのやり方を見直したことで、馬が徐々に復活しはじめました。もともとはビオディナミの畑で見られたもので、これは馬が「農業に対する包括的かつ環境再生型のアプローチ」というビオディナミ思想の中核を体現していること、そして土壌の圧密化を和らげてくれることが理由です。これら2つの理由は、科学的にも裏付けられています。
ブドウ畑での使役馬の利用に関する2021年の研究では、馬との労働関係の一部としてあらゆる感覚(視覚、嗅覚、触覚、聴覚、そして場合によっては味覚)を働かせる必要があるため、馬による耕起が生産者の農業生態系に対する観察力と理解力を高めると結論づけられています。
ブドウ畑におけるトラクターと馬の使用を、土壌、果汁、労働の面から比較した2016年の論文では、馬で耕した畑は「より良い土壌構造、バクテリア、土壌生物を備え、透水性と通気性に優れ、土壌の圧密化が少ない」ことが確認されました。
この同じ論文では、馬で耕すにはトラクターよりも必要労働量が2倍以上になると結論づけられているにもかかわらず、現在では、農法やブドウの植樹密度に関係なく、様々な畑で馬の姿が見られるようになっています。
馬が再び働き始めているのはシャンパーニュやフランスだけではありません。ペネデスのGramona、ワラワラのCayuse Vineyard、ニュージーランドのChurton、そしてチリのOdfjellなどでも馬の姿を見ることができます。
羊の活躍
とはいえ、現在ブドウ畑で働いている動物は馬だけではありません。ニュージーランドでは、冬の間、ブドウの畝の間に羊がいる光景が古くから見られます。羊は草を短く保ち、樹の下の雑草を取り除き、品種によっては幹の掃除までしてくれるのです。畑の土壌は一般的に寄生虫がいないため、多くの羊農家は、寄生虫負担が少ない環境での新たな放牧の機会を歓迎しています。
ニュージーランドの生産者であり羊農家でもあるPaddy Borthwickは、15年間にわたりブ畑で羊を活用してきました。彼は羊を冬の放牧と春の除葉に使っています。冬の初めに羊を農場からブドウ畑に移し、10週間の放牧を行います。Borthwickは、土壌に悪影響を与えることなく草を短く保つためのバランスとして、1haあたり15頭が最適であることを見出しました。
ブドウ畑への羊の導入による生態学的・経済的利点に関する2018年の研究では、羊による冬季放牧は、除草剤と草刈りの必要性を減らすことで、生態学的にも経済的にもプラスの影響をもたらすと結論づけられています。
さらに、畑に羊を再導入することで、人件費が大幅に削減され、草刈り費用が最小限に抑えられるとも指摘されています。これはBorthwickによっても確認されています。「除葉における利点は、羊が雑草、クローバー、草の先端も食べてくれるため、ブドウ樹の下でそれらの根が垂直方向に成長するのを妨げてくれることです」。
Borthwickはこれまで、羊が土壌の肥沃度に与える影響を追跡するための土壌分析を行っていませんが、北カリフォルニアの4つの「羊・ブドウ畑統合システム」を分析した2022年のカリフォルニア大学デービス校の研究では、長期的な放牧は、「土壌の健康機能を向上させる土壌生物学的プロセス(特に窒素とカリウムの循環)を刺激する」傾向があり、「土壌の炭素隔離を増加させる」と結論づけられています。羊の排泄物が土壌に吸収されると、天然の堆肥源となるようです。
フランスの土壌専門家であるClaude & Lydia Bourguignon夫妻も同じ結論に達しており、その証明として、彼らはカオールのDomaine Laroque-d’Antanの畑に冬期放牧の羊を導入しています。そして、密植栽培されるシャンパーニュのような畑でさえ、羊が時折見られます。
シャムリーの小規模オーガニック生産者Thomas Percevalは、過去10年間、複数の区画を羊に移動させながら管理してきました。Moët & Chandonも少なくとも5年間にわたり自社畑で羊を活用しており、過去2年は、同社に羊を提供するOvicep社に、他の生産者からの依頼が殺到しています。
とはいえ、べと病の防除に使用される銅は羊にとって有害であるため、畑に羊を導入する前に、草に銅が残留していないか確認することが望ましいです。
豚の恩恵
豚、特にニュージーランド原産のクネクネ種も、畑の素晴らしい助っ人であることが証明されています。一般的に、秋の終わりから冬にかけて、ブドウ畑の地表をきれいにするために使用されています。
雑木や収穫されなかったブドウを取り除くことに加え、虫やナメクジを探して土壌をあさる過程で、草や雑草の根の構造を破壊します。また、短期間で土壌有機物を大幅に増やすことでも知られており、長期間とどまらせると利益よりも害をもたらす可能性があるため、定期的に移動させることが重要です。
シャンパーニュでは、複数の生産者がブドウ畑での豚の導入を実験しています。Champagne MousséのCedric Mousséは、様々な動物を、異なる時期に、異なる区画で導入してきました。土壌分析によって裏付けられた彼の経験によれば、豚はブドウ畑の土壌の肥沃度に最も大きな影響を与え、ファンリーフ・ウイルス病に感染した畑の収量さえも押し上げたといいます。また、根が深く取り除きにくい雑草を処理するのにも、豚は最も効果的なのです。
鶏、特につついて土を掘り返す習性を持つ品種は、土壌の通気性を高め、保水力を高めるのに向いており、Mousséは粘土の多い土壌でそれが大きな違いを生むことに気づきました。カオールのBourguignon夫妻も同様の結論に達しており、Kendall Jacksonでは2011年から畑で鶏を放し飼いにしています。
しかし、ブドウ畑で働く鳥は鶏だけではありません。南アフリカのVergenoegd Löwの畑では、2020年以降、約2000羽のアヒルが害虫駆除の任務に就き、ナメクジやカタツムリを食べています。今では、それ自体が観光名物にもなっているのです。
同じく南アフリカのReynecke estateでは、昔から冬の間にブドウ畑でングニ牛(Nguni cattle)を飼育しています。彼らはまた、包括的なビオディナミ・アプローチの一環として、牛を使って土を耕しています。ブドウ畑で牛を見かけることは滅多にありませんが、今年1月に発表された研究では、1ヘクタールあたり5〜7頭の割合で秋から春にかけて5年間牛を放牧した結果、目立った悪影響を与えることなく、高地のブドウ畑における土壌炭素と土壌構造が強化されたと結論づけられています。
結論として、ブドウ畑への動物の導入は、環境面でも経済面でも大きな利益をもたらします。
どの動物が導入されようとも、土壌の健康にはプラスの影響があるようであり、様々な学術研究によれば、ブドウの品質も向上するようです。
さらに、冬の間に羊や牛にブドウ畑を開放することで、春先の草刈りコストを大幅に削減できます。最後に、餌を探して歩き回る動物たちは素晴らしい害虫駆除業者であり、土壌の保水力を高めてくれます。そして言うまでもなく、彼らには無限のマーケティングの可能性が秘められているのです。
引用元:Vineyards Benefit from Furry Friends
この記事は引用元からの許諾をいただき、Firadisが翻案しています。
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