ワインペアリング奮闘記 第176回 クリスマスにぴったりのシャンパーニュ / ブリス ブラン・ド・ノワール ブジー・グラン・クリュ N.V.
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クリスマスにぴったりのシャンパーニュ
テイスティング
抜栓と同時に、フレッシュなベリー系の香りがふわっと漂いました。
グラスに注ぐと細やかな泡の下から、ややピンク・ゴールドに色づいた液体が現れます。
ロゼではなく、あくまで少し色が濃い目のシャンパーニュ。
香りはフランボワーズ、白桃、ホイップクリームやアーモンド、小さな花。
アタックからきめ細かい泡の質感ときゅっと締まった酸味。
繊細でフレッシュな酸を持ちつつ、程よくふくよかさを感じるバランスの取れた果実味です。
ミドルにはごく軽い、ピリッとしたスパイス、チョーキーなミネラルと塩味、旨味が舌に染みわたるように感じます。
アフターまで、果実のフレーヴァとこのミネラルの印象が綺麗に続いて行く。
とても調和の取れた、楽しめるシャンパーニュで、テイスティングを終えた時には大好きになっていました。
合わせる料理『鴨のスモークと焼き洋梨のサラダ』
料理をそれほど選ぶわけではないですが、ピノ・ノワールの主張が感じられるシャンパーニュです。
鳥の肉を使った料理などが合いそうだなと思いました。
そういう意味では、クリスマスディナーにピッタリなシャンパンではないでしょうか。
というわけで今回は、個人的にピノ・ノワールと合わせるのが大好きな「鴨」を使ったサラダにしました。
レシピ
冷ます必要がある焼き洋梨からまず調理します。
オリーブオイルを薄く引いたフライパンで、スライスしたラフランスの裏表を中火で、焼き目がつくまでソテー。
これ、焼き立てをそのままつまむとトロリとしてめちゃくちゃ美味しいんですよ。
無くなってしまう前に粗熱をとって冷蔵庫に入れておきましょう。
フリルレタス、クレソン、レッドキャベツをちぎり、青森県産の合鴨スモークのスライスと、冷やした焼き洋梨を合わせます。
ドレッシングは、赤ワインビネガー、オリーブオイル、蜂蜜、塩胡椒をよく混ぜて。
最後にピスタチオをトッピングして完成。ブラン・ド・ノワールのために作ったサラダです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○鴨肉の鉄っぽい風味や、締まった質感を、ブラン・ド・ノワールのベリー感、タンニンがしっかり支えてバランス。
○シャンパーニュをジューシーに楽しみたい時は洋梨を一口。甘味が増幅され、カラメルの香ばしさが加わってリッチな展開に。
○蜂蜜を使ったドレッシングの甘酸っぱさも、シャンパーニュと相性が良い。
△ワインとのペアリングというよりも、料理単体としての調和が課題?
本当に美味しいシャンパーニュで、楽しい食事になりました。
ペアリングとしても面白く、合う要素はいくつも見つけられました。
ただ、それぞれの素材を口に運んではシャンパーニュとの相性を楽しむ、という感じになってしまい、サラダとしての一体感が今ひとつ出なかったですね。
いっそ鴨サラダと焼き洋梨は別皿として出した方が良かったようです。
皆さんなら何を合わせますか?
オレンジを添えたローストチキンなども合うのではないかなと思います。
ブリスのブラン・ド・ノワールの美味しさを、是非味わってみてくださいね。
今年のワインペアリング奮闘記はここまで。素敵なクリスマス〜お正月をお過ごしください。
(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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