ワインペアリング奮闘記 第177回 行ったことがなくても、産地に思いを馳せるだけでペアリングは違ってくる! / ボデガス・ブリエゴ ブリエゴ・ヴァンデミーア・セレッショナーダ
- 2023.01.07
- ワインペアリング奮闘記
- スペイン, テンプラニーリョ, パエリア, ラム, リベラ・デル・デュエロ, 星5つ, 肉, 赤ワイン
目次
行ったことがなくても、産地に思いを馳せるだけでペアリングは違ってくる!
今回のお題は、ボデガス・ブリエゴ ブリエゴ・ヴァンデミーア・セレッショナーダです。
スペインを代表する赤ワイン産地、リベラ・デル・デュエロの赤ワイン。品種はテンプラニーリョ。ヴィンテージは2020年です。
テイスティング
色調は濃く、パープルがかったルビーレッド。
香りは強めに立ち上ります。フレッシュなブルーベリー、ダークチェリー、イチゴの甘やかさ、ヴァニラやブラックペッパーなどのスパイス。官能的でうっとりするアロマです。
口に含むと、アタックからジューシーさ全開ですね。フルーツの甘味が広がってから、すっきりした酸味が芯に現れます。
タンニンはややしっかりめで、少しザラつく印象。まだ若いです。
アルコールはしっかりと強く感じます。
アフターはビターチョコ。余韻は長めです。
果実の詰まったフルボディで、香り高く、やや重さを感じる味わい。
スペインらしい情熱の赤。なんとなく「夜」を思わせる、ムードのある赤ワインです。
合わせる料理『土鍋で作る、ラムチョップのパエリア』
骨格のしっかりとした赤ワインなので、脂の乗った、噛み応えのある肉をチョイスします。
牛肉や豚肉も考えましたがラムを選んだのは、ラム肉の香りの個性を包み込み高めてくれる、十分な強さがワインにあると思ったため。
スペインを少し意識して、パエリア仕立てにしました。
レシピ
ラム肉は常温に戻しておきます。
パエリアの米がスープを沢山吸うので、多めにブロードを作っておく必要があります。
人参や玉ねぎ等の野菜くず、ラムの骨を肉から外し表面を焼いたものが1本、これを1時間くらい煮込んでおきましょう。
仕上げに使うサフランアイオリソースを作ります。
マヨネーズに下ろしニンニク、レモン汁、チリパウダー、サフランの戻し汁を少し加えて混ぜ合わせます。
玉ねぎを狐色になるまで炒め、トマトペーストを合わせたソフリットを作ります。
ここに、さっき骨を外したラムを細かく切ったものを追加し、炒め合わせます。
オリーブオイルを少し追加して生米を1カップを入れて炒め合わせます。
ここにブロードを追加して、わっと煮立たせましょう。
最終的には土鍋で仕上げたいので、土鍋に移し煮詰めていきます。米がアルデンテになるまで、適宜ブロードを追加しながら煮ていきましょう。お好みですが、途中出来上がりの5分くらい前にひよこ豆(ボイル)とパプリカのスライスも加えました。
ラムチョップには塩をして焼きます。背脂、表、裏、こんがりと。
パエリアの上にラムチョップを盛り付けて、アイオリソースを回しかけ、ローズマリーを飾って、ブラックペッパーをたっぷりと削りかけて出来上がり。
いただく時に、ナイフ&フォークでラム肉を切り分けてそれぞれの皿に盛り付けると良いでしょう。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○脂の乗ったボリューミーな料理にも拮抗する、赤ワインの力強さ。
○アリオリソースでフレッシュな酸味を加えたことで、さらにバランスが良くなった。
○熱量のあるパエリアに、軽く冷えたジューシーな赤ワインの対比が心地よく、どんどんグラスが空く。
○ラムのスモーク感や、お焦げの香ばしさがワインの複雑味をいっそう際立たせる。
いや、堪らない美味しさです。
ワインが料理をワンランク上に引き上げる、料理もワインの魅力を引き立てる。
十分、マリアージュと言って良いのではないでしょうか。
少しワインの産地を意識して料理を組み立てたことで、最終的な満足度がぐっと上がりました。
ボデガス・ブリエゴ。満足感の高い、品質のしっかりとしたワインを生産している良ワイナリーですね!
皆さんもぜひ、お好きな肉料理と楽しんでくださいね。
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回のお題は、ボデガス・ブリエゴ ブリエゴ・ヴァンデミーア・セレッショナーダです。
スペインを代表する赤ワイン産地、リベラ・デル・デュエロの赤ワイン。品種はテンプラニーリョ。ヴィンテージは2020年です。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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