ワインペアリング奮闘記 第55回「シャトー・レ・ヴァロンティーン　ミス・ヴァロンティーン」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第55回
お家でリゾート気分のプロヴァンス・ロゼ

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。

コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、何がダメだったのか考察する回とします。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物も積極的に使います。
■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルク等は使えません。

さて今回のお題は『シャトー・レ・ヴァロンティーン　ミス・ヴァロンティーン』です。

なんとお洒落な響き、しかもこの見た目ですから女性に受けそうですよね。
果たして味わいの方はどうか？早速テイスティングしてみましょう。

テイスティング：
グラスに注ぐと、透明感があって丁度「桜色」といった、ほんのりと淡いピンクです。
香りはフレッシュなグレープフルーツ、ピーチ、桜桃、イチゴ。
他には白胡椒や、貝殻のようなミネラルのニュアンスを感じました。
口に含むと、アタックからすっきりフレッシュな柑橘系果実を感じます。甘みは感じさせず辛口な印象ですね。
中盤からは軽いタンニンとミネラルを舌に感じます。
そしてオレンジピールのような苦味がアフターに続き、フルーツのフレーヴァーを残しつつもべた付かず、後味までドライです。
全体としてフルーティで爽快感があり、しっかりとしたコクのある辛口ロゼです。
これは食事に合わせやすそう！

さて、合わせる料理です。
正直「大抵のものは合うでしょ？」とサジを投げたくなるくらい間口は広そうですが 笑
真面目にペアリングを考えると、ロゼワインは赤と白の中間ですので、料理も「ミドル」で良いと思います。
熱を通した魚介類から、やや軽めの肉料理までがその範囲でしょう。
そしてロゼといえば美しいピンクの色合いを楽しむもの。この際、色でペアリングを考えるのもお勧めです。
タコやエビ、ムール貝やサーモンといった、ピンクやオレンジの食材を選び、見た目もマッチさせることでロゼワインをより美味しく感じることが出来ると思います。
というわけで今回はサーモンをチョイス。ガーリックやレモン、ハーブを散らして焼き上げる『サーモンのグリル』に決定しました！

料理レシピ：
用意したのは岩手県産の養殖生鮭。
骨を抜いて切り分けたらバットに置いて、塩胡椒でしっかりと下味を。
みじん切りのガーリック、細かくちぎったタイム、オレガノを乗せ、レモン汁、オリーブオイルをたっぷりと注ぎます。これを30分ほどマリネ。
皮目を下にしてグリルパンに並べ、レモンスライスを乗せて、蓋をして焼き上げます。
ふっくらと焼けたら生ハーブとピンクペッパーを散らして出来上がり！

ペアリングレポート：
焼きあがったサーモンは香ばしくアロマティックな香りを放っています。
早速その身をほぐして口に運びますと、よしよし、ほっこりと焼けています！
ここに『ミス・ヴァロンティーン』を合わせていただきましょう。
おお、なんと瑞々しい・・・！柑橘系のジューシーさが、サーモンの身の内側まで染み込んで美味しいです。
そのままではやや大味で淡白なサーモンですが、ワインの柑橘系酸味や軽い苦味が、味わいをより立体的に感じさせてくれます。
白ワインでも合うと思いますが、ロゼの軽いタンニンとコクの強さがボリュームのあるサーモンにはぴったりです。
レモンとハーブの香りもアロマティックで、なんとなくプロヴァンス感、リゾート感も出ていますね！
これは狙い通り、今回は成功ですね！

如何でしたか？ロゼとサーモンは定番な組み合わせでもあり、あまり外さないと思います。
日本では鮭が手に入りやすいですから、ロゼワインに何合わせよう？と迷った時には是非思い出してみて下さい。
簡単に甘塩鮭をバターソテーするだけでも、合うと思います。
それでは次回もお楽しみに！（西岡）

今回のペアリングワイン：

『シャトー・レ・ヴァロンティーン　ミス・ヴァロンティーン』
（フランス/南フランス村産ロゼワイン　ブドウ品種：グルナッシュ70％、シラー30％ /　ステンレスタンク発酵・熟成）