連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「粘り」
英:consistency / 仏:consistance (女性名詞:発音は「コンスィスタンス」で良いと思います)
ワインを口に含んだ時の印象として、軽やかでさらさらっとした口当たりを感じることがあれば、どっしりと重さがあり、「とろみ」のようなまろやかなタッチを感じることもあると思います。この「とろみ」を、テイスティングの場合には「粘性がある」「粘性が高い」などと表現していきます。
ワインの粘性は主にアルコール度数の高さに由来するため、アルコールのもととなる果実の糖度が上がりやすい温暖な地域で造られたワインは自然とアルコール度数が高くなります。豊富な糖分をアルコールに変換しないと、甘ったるいだけのワインになってしまうためです。
アルコール度数の高いワインは粘性が高いと同時に概して濃厚な果実味も有しており、ヴォリューム感・ふくよかさのある味わい。ですが、これが「ワインとしての品質の良さ」に直結するということではありません。さらりとした口当たりの優しいワインにも、上質なものはいくらでもありますよね。
さて、皆さんはワイングラスの内側を伝って落ちる「ワインの涙」をご存知かと思います。とてもロマンティックな表現ですよね。この「涙」を鑑賞するためにグラスを傾けるのはテイスティングで見慣れた風景ですが、品質の良い上級ワインほど涙がゆっくりと落ちていくもの・・・というのも、幻想に過ぎません。
ワインの涙は、アルコール(エタノール)と水分の表面張力の差によって生まれる現象で、アルコール度数が高ければ高いほど多くできてゆっくりと落ちていきます。だから、特に品質の良し悪しとは関係ないということです。
でも、ワインを口に含む前に「涙」を眺めている時って、なんとなく期待感が高まりますよね。これもワインを飲むときの「幸福な瞬間」の一つ。エタノールの度数がどうのこうの・・・は忘れて、ワクワクを楽しみましょう!
それでは今週はこのへんで。今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。
これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。
主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。
ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。
是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!