フレンチ・イタリアンの専門料理店などでワインを注文した際、注文した人にそのワインを少しだけ飲んでみるように促される「ホストテイスティング」は、「そのワインがおいしいかどうかではなく、品質劣化が無いかを確認する」儀式です。
前回は、ホストテイスティングで香りから品質状態を確かめるところまで。 この時点でブショネやヒネた酸化臭などからワインのダメージを見つけることもできますが、 そこで判断できなかった場合にはいよいよワインを口に含んで最終判断を下すことになります。
何度も書いていますが、あなたがホストテイスティングするのは 基本的に「ソムリエが事前確認の上でサーヴしたワイン」。 余程の見落としが無い限り、ダメージを受けたワインに出会うことはありません。 (または、残念ながらそのお店のソムリエやスタッフにダメージを感じ取る力が無かった時に限られます)
ですので、ここでポイントとすべきは「どんなコメントをするのか」に絞られます。 あくまでもこのテイスティングの目的は上記の通り「品質状態の確認」ですから、 「赤系果実と黒系果実が・・・」なんてコメントをする場面ではありません。 ここで最もふさわしい一言は 「おいしいです」又は「大丈夫です」の短いコメントです。
でも、折角ホストテイスティングを引き受けたんだから、何か気の利いたことも言いたいじゃない・・・というちょっと目立ちたがりな方もいますよね 笑 今日はそんな方にここで言うとお店の方からも「この人、なかなか分かっているな」と思われるコメントの仕方をご紹介しましょう。
それは「ワインの提供温度」に関するコメントです。 この段階で出されるワインは大体セラーから出されたばかりで、特にシャンパーニュや白だとやや温い感じ。 ですから「適温になると更に良さそうですね」「もうちょっと冷えると味がまとまりそうですね」 等、これからサーヴされるワインに期待を高めるようなコメントをするのが良いと思います。 赤ワインで少し冷やしめの方がおいしいタイプのものだったら「少しだけ冷やしてもらえますか」なんていうリクエストをするのも、ワインの状態を細やかに大切にする人、という好印象を与えられると思います。
ですがそれでも、いちばん大事なのはあくまでも手短にスマートに言うこと。 同席の方々にも早くワインがサーヴされるよう、ホストテイスティングは全ての手順を素早く、短い時間で終わらせることが大事です。 くれぐれも、ホストテイスティングごときを自己顕示欲を満足させる場にしませんよう 笑
ということで「ホストテイスティング編」は終了となりました。 次回も引き続き「お店でワインを選ぶ」シリーズをお送りしますね。
今日も1歩、あなたはソムリエに近付きました!
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