「安いワイン」と「高いワイン」、価格の違いをうむ理由とは?

「安いワイン」と「高いワイン」、価格の違いをうむ理由とは?

「ロマネ・コンティ」やボルドーで最高ランクの「5大シャトー」。 どれもワインの世界ではトップクラスに価格の高いワイン。 ロマネ・コンティなんて、車1台軽く変えちゃう値段ですからね。

では「安いワイン」と「高いワイン」は、何が違うのか?? ワインを飲み始めたばかりの方は、これを結構疑問に思っているのではないでしょうか。 コンビニで売っている398円のワインと、車より高いロマネ・コンティ。 何をしたらそんなに価格差が発生するのでしょう??

まずは敢えて更に謎を深めておきましょうか。 1本の瓶入りワインを造るのに必要なコスト、 畑でブドウを育ててワインに仕込み、瓶詰めして栓をしてラベルを貼って出来上がるまでのコスト、 それは398円のワインとロマネ・コンティとで、最大でも数千円くらいしか違いません。 嘘じゃないですよ、いろんな生産者がそう言いますから。

ではなぜ、その2つのワインが市場に出回ると価格が一気に開いてしまうのか・・。そこにはワインという「飲み物」でありながら 「職人の作る工芸品/アーティストの作品」的な側面が大きな影響を与えています。では、ワインの値付けがどうやってされているかをお話します。

 収穫される量と質 

さて、前回からは「高いワインと安いワイン、何が違うのか?」という誰もが思う疑問について。
でも実は、ワイン1本を造るコストは、500円のワインも100万円のワインも、 せいぜい数千円くらいしか違わないんですよ、という事実を皆さんに知って戴きました。

さて、それでは本質に迫っていきましょうか。ワインに価格差が生まれる背景・要因は一言でいえば「同じ面積の畑から造るワインの本数の違い」です。

例えば、1ha(100m四方です)のブドウ畑があったとします。ここに、Aさんは1mおきに葡萄樹の列を植えていき、樹と樹の間隔を1mに設定しました。その場合は、Aさんは大体10,000本の樹を植えることができます。仮にブドウの樹1本からワイン1本作れるだけのブドウを収穫したとすれば、 Aさんの生産量は1haあたりワイン10,000本となります。

一方で、お隣のBさんは、ブドウ1本1本が土から十分に養分を吸えるよう、丁寧に育てたいと思いました。そこで、列の間隔は2mおき、同列に植えた樹と樹の間隔はAさんと同じ1mに設定します。そうすると、1haに植えられる樹の本数はAさんの半分、5,000本となります。1本の樹から同じ量のブドウを収穫したとすれば、生産量はワイン5,000本ですよね。

ほぼ同じ労力とコストをかけているのに、もしこれを同じ値段で売ったら、 当然Bさんは収入が半分になってしまう。そこで、Bさんは丁寧に、少量生産で育てた分値段をAさんのワインの2倍にして、必要な売り上げを確保する。

これが、ワインに価格差が生まれる基本的な背景です。畑から収穫できるブドウの量を減らして質を上げる、それを価格に転嫁する。つまり、高いワインは「生産量の低いワイン」。これが一つの理由となります。

 需要と供給のバランス 

「ワインの価格差は同じ面積当たりから収穫されるブドウの量、造るワインの量に反比例する」という考え方についてご紹介しました。
ブドウをたくさん植えて1haあたりの生産効率を上げれば安いワインが造れるし、 果実の凝縮度を増すために樹の本数を減らしていけば、品質が上がる分価格も上がる、という考え方です。

併せて、ワインの取引市場において価格差が生まれていく原因がもう一つあります。それはやっぱり「需要と供給のバランス」
ワイン愛好家の人気は高いのに生産量が極端に少ないワイン、 格付が非常に高いワイン、または著名な評論家が高得点を与えたワインなどは、 世界中のレストランや愛好家、コレクターが数少ない本数を奪い合うわけですから、 自然と値段が上がっていきます。

極端な場合には、評論家が高得点を付ける前の価格に対して10倍以上もの高値に跳ね上がることも。そういった一躍スターダムに駆け上がるワインは「シンデレラワイン」なんて呼ばれています。この間までは結構気軽に手の届く値段だったのに・・なんていうワイン、結構あるんですよ。

ですが一方で、生産者たちが有名評論家に高得点をもらいやすい傾向の味わいスタイルを分析し、 敢えてそのスタイルに造り込んでいく、という弊害が生まれた時期もありました。ある一人の評論家の好みが、ワイン造り全体のトレンドを左右してしまう・・・そんなことも起こっていたんですね。

ワインの価格差が生じる理由、まずはざっくりとご紹介させて戴きました。

 【当店のおすすめワイン】 

シャトー・ペトリュスシャトー・ル・パンなど高級ワインの銘醸地であるボルドー・ポムロールから、ワインの価格差を味わう2本をご紹介。まず、とにかく良く出来たポムロール優等生シャトー・ラ・ローズ・モンヴィエル ポムロール は、ワインの中にきめ細かく溶け込んだ滑らかタッチのタンニンや素晴らしく密度の濃い果実味を楽しめる1本。次に、シャトー・クリネ ポムロール はワイン・アドヴォケイト、ワイン・スペクテイターヴィノスより90点以上の高評価を獲得し、トップ・シャトー渾身の1本。ワイン専門商社フィラディスの直販ショップ Firadis WINE CLUBで販売中。

シャトー・ラ・ローズ・モンヴィエル ポムロール

シャトー・クリネ ポムロール

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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