ワインボキャブラ天国【第81回】「タバコ」英:tobacco 仏:tabac
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「タバコ」
英:tobacco
仏:tabac (男性名詞:発音は「タバ」)
タバコの香り・・・僕も含めタバコを吸わない人にはあまりいい印象に思えないかもしれませんが、これは火をつけた後の煙の香りではなく、乾燥したタバコの葉の香り。掲載した写真のような状態です。
今回このコラムを書くにあたってJTさんのホームページでタバコの生産方法を調べてみました。
(*僕は知らなかったのですが、タバコはナス科の植物なんですね・・・トマトやジャガイモとも同系統の植物で、産地も被っているとか。)
タバコは葉を収穫・乾燥させた後に1年以上も熟成をさせるのだそうです。この間に葉の持つ酵素が発酵を促し、あの香りが生まれてくるのだそう。なるほど、確かに中国茶や一部の紅茶など、発酵系の茶葉と同系統の香りですよね。
そういった「茶色いイメージの表現用語」、これまでにも幾つかご紹介してきました。乾燥したスパイスであったり、皮革であったり(紅茶はこの数回後に取り上げる予定です)・・・こういったイメージが見つかるワインは基本的に主に赤ワイン、そしてある程度長い年数の熟成を経たものです。
仕込み直後は明るく鮮やかなルビーレッドだったり、紫色の要素があった赤ワイン・・・長い時間を経ていくことで、果実由来の色素が退行し、オレンジ色やマホガニーの色合い、そしてやや枯れた色合いになってきた頃からが、これら「茶色いイメージ」が登場する目安ですね。ブドウ品種や産地を問わず、時間経過=熟成によって生まれてくる要素です。
タバコの葉の香りも同様。このイメージが見つかる頃にはワインは新たな段階に突入、複雑性や多層性を帯び、香り要素が次々に現れまるでストーリーが展開するような「別次元のお酒」になっています。タバコや葉巻の香りがするワインを体験してみたいなと思ったら、是非Firadis取り扱いの長期熟成ワインをお試しください。
ただし、この熟成香が病みつきになってしまったら・・・ワイン好きとしてちょっと深みにはまってしまったかもしれないですよ 笑
それでは今回はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
JTホームページ「植物としてのタバコ」、参考サイトとして掲載いたします!
↓↓↓
https://www.jti.co.jp/tobacco/knowledge/process/materials/index.html
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