ワインボキャブラ天国【第82回】「タンニン」英:tannin 仏:tanin

ワインボキャブラ天国【第82回】「タンニン」英:tannin 仏:tanin

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「タンニン」 
英:tannin
仏:tanin  (男性名詞:発音は「タナン」)

『タンニン』は赤ワインの「テクスチュア=食感」を構成する大きな要素ですが、実は様々な成分の総称です。例えば、代表的な成分でいうと緑茶にも含まれる「カテキン」等がタンニン分の一つ。おそらくカテキンの名前は誰もが聞いたことがあるかと思います。タンニン成分は、白ワインで0.05~0.3g/L、赤ワインで1~4g/Lが含まれています。赤ワインには時に白の800倍ものタンニン分が含まれているという事です。赤ワインの方が渋いのも当然ですね。

タンニンはブドウの果皮や果梗に由来し、果皮の厚いブドウ(例えばカベルネ・ソーヴィニヨンなど)から造られたワインは、 タンニンの含有量が非常に多くなり、イコール「渋みの強いワイン」と認識されます。逆に果皮の薄いピノ・ノワール種などだと、タンニン量が低く優しいタッチになります。

赤ワインを口に含んだら、 まずはタンニン分が「ざらざらしている=砂のように粒が細かい」のか、「なめらかで滑り落ちていくよう」なのかを評価、コメントしてみましょう。舌の上でざらつきがあったり、過剰に口の中を締め付けたりする状態にあったらそのワインはまだ飲むのには若すぎるのかもしれませんし、 または造り手がマセラシオン=果皮の浸漬をした際、または果汁をプレスしたときにタンニンが過度に抽出されてしまったのかもしれません。

ざらついたタンニンが滑らかになっていくのには時間が必要。これがワインの「熟成」とも直結しています。ワインが若い段階のタンニンは、小さな粒がたくさん集まっているために舌触りがざらつき、ごわごわしています。それが長い時間の静置により、タンニン成分どうしが手を繋いでくっつき始めます。自分の仲間と手を繋ぎつつ、徐々に一粒一粒が大きくなっていく。粒が大きく、そして個体数が少なくなることで柔らかなタッチと適度な引き締め感に落ち着いていきます。これが、タンニンのシルキーな口当たりを形成していく、と言う訳です。

赤ワインをテイスティングしてコメントをする際には必ず「タンニンの量・質」に着目、言葉で表現するようにしてみてください。タンニンの量・強さについては使用しているブドウ品種にもよるので、目隠し試飲の時には産地を突き止めるヒントにもなりますし、タンニンのタッチからワインの品質そして飲み頃かどうかの判断などにも言及できると思います。

それでは今回はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

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