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ワインボキャブラ天国【第130回】「フィロキセラ/ブドウ根アブラムシ」 英:Phylloxera 仏:philloxera

ワインボキャブラ天国【第130回】「フィロキセラ/ブドウ根アブラムシ」 英:Phylloxera 仏:philloxera

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「フィロキセラ/ブドウ根アブラムシ」
英:Phylloxera 仏:philloxera (女性名詞 発音は「フィロクセラ」)

 

『フィロキセラ/ブドウ根アブラムシ』とは??

『フィロキセラ/ブドウ根アブラムシ』は、ブドウ樹に寄生して蚊のようなストロー上の針で樹液を吸い、樹を枯死させてしまう害虫です。名前には「ブドウ根」と付いていますが実際には根だけでなく葉・茎・蔓の部分にも付着します。「ブドウ根アブラムシ」の類には何種類かの虫が存在し、それらをまとめて『フィロキセラ』と呼んでいます。

*実際にどんな形状の虫なのか、本来はリアルな画像でご紹介をしたかったのですが…なかなかにキモチワルイ形状をしておりまして、ワインを飲みながら読まれるお客さまもいることを考慮しましてイラストでの掲載と致しました。虫が苦手な方はこれでも十分に背中がぞわっとするかと思いますが、何卒ご容赦ください!

ワイン好きの方なら一度は聞いたことがあるかと思いますが、19世紀の後半にヨーロッパ国内のブドウ樹のおよそ3分の2程がこの害虫による被害を受けました。
その被害面積はフランス国内だけでも250万haに及んだと言われ、ワイン史上最大の自然被害ということが出来ます。

『フィロキセラ禍』の歴史について

『フィロキセラ』の存在は、1800年代の中ごろにアメリカ合衆国で確認がされました。この段階では欧州には存在しない害虫だったようですが、1860年代初頭に米国からフランスに輸出されたブドウ樹に付着した状態で持ち込まれたとされています。そして1863年には南仏にて原因不明のブドウ樹の枯死が発見され、後にブドウ根アブラムシによるものだということが判明しました。
その後、同様に米国からドイツに持ち込まれたブドウ樹からも繁殖が拡大、瞬く間に欧州全土に生息地域が広がり、壊滅的な被害をもたらすまでに至ります。ちなみに、同時期に日本でもフィロキセラの害は広がり、生食用ブドウが大きな被害を受けたようです。

『フィロキセラ』が具体的にどのようにブドウ樹に害を与えるかというと…
・ブドウの根や葉から樹液を吸った場合、その吸い傷跡が瘤(こぶ)状に膨らんでしまう
・根に出来た瘤は消えることが無いため、樹齢を重ねるに従って瘤が肥大化。地中の養分・水を吸収できなくなっていく。
・葉の場合は瘤が気孔を塞ぎ、呼吸や光合成が出来なくなる。
そして、枯死するに至る、というわけです。

なぜ『フィロキセラ』害が起きたのか、そしてその対策は?

そもそもアメリカ系の苗木に付着して生きたまま持ち込まれた、ということからも分かるように、実はアメリカ系のブドウ樹である「Vitis riparia(ヴィティス・リパリア)」系品種、「Vitis rupestris (ヴィティス ルペストリス)」系品種はこの害虫に対して耐性を持っています。元々米国に生息していた在来種であるため、共存関係を獲得してきました。聞くところによると米国系品種は根の芯部分を守るように分厚く硬い繊維が取り囲んでいるそう。長年害虫と樹が闘い続けてきた中で自己防衛的に進化したものなんでしょうか・・・?
一方でヨーロッパ系の「Vitis vinifera (ヴィティスヴィニフェラ)」系品種にとってはこの害虫に出会うのが初めてだったため耐性・免疫を獲得しておらず、壊滅的な被害を被ることになったわけです。

そこで、欧州でのフィロキセラ被害への対策としては「耐性のあるアメリカ系の品種を台木とし、そこにヨーロッパ系品種の上部を接ぎ木して育成し、被害を防ぐ」という方法が取られました。
このアメリカ系品種の台木に接ぎ木をすることでフィロキセラ害を防ぐ方法については、次回ご紹介をしたいと思います。今日は『フィロキセラ』がどんな害虫かの紹介までということで・・・虫嫌いな方、我慢して戴きありがとうございました!

それでは今回はこのへんにしておきましょう。今日も、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

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