ワインペアリング奮闘記 第133回 カニに合う!ブラン・ド・ブラン・シャンパーニュ / ブリュン・セルヴネイ メロディ・オン・セー ブラン・ド・ブラン アヴィーズ・グラン・クリュ
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第133回
カニに合う!ブラン・ド・ブラン・シャンパーニュ
今回のペアリング課題は『ブリュン・セルヴネイ メロディ・オン・セー』です。シャルドネの聖地と呼ばれるコート・デ・ブランのシャルドネを100%使用した、ブラン・ド・ブランのグラン・クリュ・シャンパーニュです。
テイスティング
グラスに注ぐと細かく繊細な泡が立ち上り、その後淡いイエローの液面が顔を出します。
香りは柑橘系が中心。グレープフルーツ、レモン、イーストやチョーク。
口に流し込むと、アタックからキレのある酸を豊かに感じ、その後甘やかさな果実味が現れます。
ミドルからはチョーキーなミネラルを感じます。ストラクチャーはしっかりですね。
泡の感覚が消えた後も、軽い苦味が舌に残ります。
果実のフレーヴァも相まってアフターはレモンピールのようなニュアンス。
全体としてキリッと締まった清涼感のある味わい、そしてしっかりとしたミネラルの下支えを感じる、グラン・クリュ、ブラン・ド・ブランのお手本のようなシャンパーニュです。
バランスが良く飲みやすく、本格感もあって本当に外さないシャンパーニュです。
合わせる料理『ズワイガニのボイル』
チョーキーなミネラルのニュアンスは、魚介類が合いそうな印象を受けます。
このシャンパーニュの辛口さや、柑橘を思わせるシャープな酸味は生臭さを消してくれそうです。
せっかくのグラン・クリュ・シャンパーニュですし、今回はちょっと奮発。
いつかはシャンパーニュと合わせてみたかったズワイガニを用意しました。
レシピ
奮発といっても、あくまで実験。
コスト的にはスーパーの冷凍蟹が限度のため、当然、甲羅や蟹味噌は入っておりません。
とはいえ、解凍の仕方にはこだわりましょう。凍ったカニの表面を軽く水で流し、キッチンペーパーで包み、さらに新聞紙で包んでビニール袋に入れ冷蔵庫に丸一日入れておきます。
カニ酢は、みりんを煮切って塩、酢、醤油少々を加え、冷ましておきます。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○カニのシルキーな食感と、シャンパーニュのきめ細かいテクスチャが相乗
○カニのミネラルとシャンパンのミネラルが相乗し
○カニの甘みや旨味を引き立てるブラン・ド・ブランのピュアな果実味
○角の取れたカニ酢の酸と、カニの身、そしてシャンパーニュが三位一体
カニがあっという間になくなってしまいましたが、つかのまの幸せを噛み締めました。
冷凍のカニさんも中々美味しいものですね。
そしてカニとこのブラン・ド・ブラン、まさにマリアージュと言って差し支えないでしょう。
特にズワイガニの柔らかさや、シルキーな口当たりが非常にシャンパーニュをあっていたと思います。
比較したわけではありませんが、タラバガニよりも良いんじゃないかなと思いました。
これでカニが丸のまま産地直送だったりしたら、どんな高みが見えるのでしょう。星6個かな?!
そんな景色を、いつか見られますように。
それでは次回もお楽しみに!(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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