ワインペアリング奮闘記 第164回 イカのアリオリソースと合う白ワイン / ジャスト・ビー
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第164回
イカのアリオリソースと合う白ワイン
今回の課題はジャスト・ビーです。スペイン屈指の白ワイン産地であるリアス・バイシャスの白ワイン。リアス式海岸沿いの畑で取れたアルバリーニョを100%使用しています。私のお気に入りワインの一つ、やっとご紹介できる機会がやってきて嬉しい!
テイスティング
グラスに注ぐと色調はやや黄金色に近いイエローです。
香りはレモンやグレープフルーツなどの柑橘系、そしてリンゴ。ほんのちょっと磯っぽい香りも取れますね。個人的には「乾燥昆布のような香り」です。
アタックはキュッと詰まったレモンのような酸味。奥にある熟した果実の甘やかさと拮抗して充実したエキスを感じます。
中盤は塩気を伴った豊富なミネラル。舌に染み込むような旨みをしっかりと感じました。
密度があるので、当然ながら余韻は長いですね。軽い苦味を伴ってアフターまで充実しています。
全体の印象としては、海ワインらしく塩っぽいミネラルにより骨格がしっかりとした、辛口な白ワインです。
柑橘のフレッシュな香りとは対照的に、エキスの充実した太い味わいを楽しむことができます。
素直に「良いワインだな」と思います。
合わせる料理『イカのアリオリソース』
前回のクレマンでも同じことを書いているのですが、このワインも塩気のあるミネラル感。
よりはっきりと感じるくらいですので、合わせるのはやはり魚介です。
前回はカルパッチョでしたが、今回のジャスト・ビーに関しては、酸味に落ち着きがあり全体の重心がやや低くどっしりとしているので、加熱したシーフードを合わせたいと思います。
レシピ
まずアリオリソースを作ります。
レンチンして潰したニンニク1片、卵黄、オリーブオイル、塩、レモン汁、マスタード、マヨネーズをよく混ぜ合わせます。
スルメイカは捌いて筒状に切り分けます。
フライパンにオイルを敷き、ニンニク微塵切り、イカとアスパラを炒め合わせ塩胡椒。
白ワインを少々振りかけて、蓋をして軽く蒸し焼きにします。
皿に盛り、アリオリソースをかけてパセリを振ったら出来上がりです。
ちょっと汁っぽくなってしまったかな・・
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○海ワインとしての磯っぽさがイカの風味とジャストマッチ
○白ワインのアフターにかけての力強さが、噛み応えのあるイカに添い遂げる
○柑橘の酸味、卵黄のコクしっかりのアリオリソースとも相性が良い
美味しくて満足感のあるペアリングです。リアス・バイシャス海沿いの白ワインは全般的に漁師風料理とは相性が良いと思いますが、今回ジャスト・ビーならではのどっしりとしたコクは、イカの旨味を十分に引き出してくれました。
西岡も一押しのジャスト・ビー、是非シーフードと一緒にお試しください。
それでは次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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