ワインペアリング奮闘記 第85回 カミーユ・エ・ローラン・シャレール シャブリ・プルミエ・クリュ ヴォークパン×ホタテ&チキン
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グラスに注ぐと色調はやや濃い目のイエロー。
香りはフレッシュなグレープ・フルーツ、レモンやライム、洋梨、レモングラスやヴェルヴェーヌ等のハーブ、コリアンダー、そして貝殻。
口に含むと、果実の凝縮感、熟した果実の甘やかさを感じます。酸味が程よいフレッシュさを与えています。
舌触りはクリーミーで、ミネラル感がありますね。味わいにしっかりとした骨格があり、余韻も長いです。
全体として、ジューシーで、ぎゅっと密度があります。輪郭は滑らかで、落ち着いた印象ですが、中心はしっかりとしていて、プルミエ・クリュを冠するに十分値する満足感を与えてくれる白ワインだと思います。美味しいー!!
合わせる料理:
ブドウは蠣殻を含むキンメリジャン土壌で育ったシャルドネ、全体を通して感じるミネラルのニュアンスが感じられるため、やはり貝ですとか、甲殻類を筆頭に魚介類は第一候補でしょうね。
しかし、このボリュームならお肉を合わせることもできると思います。鶏肉などの白身のお肉ですね。
どちらにせよ、味わいのしっかりとした白ワインなので、淡白系の食材が合うと思います。
少し考えた末に、ホタテ貝と、鶏胸肉を両方用意してペアリングを比較してみることにしました。
今回は『ホタテのソテーとハーブ鶏』に決定です!
レシピ:
バーフ鶏は、鶏胸肉に1.3%の岩塩、オレガノ、タイムを振り、65度で一時間の低温調理の後、急冷しスライス。
ホタテはお刺身用に塩で下味をつけた後、オリーブオイルでソテー。ホタテを取り出しエリンギもソテー、さらに空いたフライパンにオリーブオイルを足し、ニンニクの微塵切りをじわじわと熱します。ここにミニトマトを加え、ジャッと軽く炒め合わせたものをソースとしてホタテ、エリンギにかけます。ハーブ鶏、ソテーした具材をお皿に盛り付けて、スダチを添えてできあがり。
ペアリングレポート:
まずはハーブ鶏から、この白ワインとの食べ合わせを検証してみます。
ハーブのニュアンスに、すだちを少し絞るとシャブリとも共通項のあるフレッシュなアロマが。
口に運ぶと、しっとりとしたテクスチャで、脂肪分が少なくさっぱりと仕上がっています。
シャブリ・プルミエクリュ・ヴォークパンを合わせていくと、全体として冷涼で爽やかな印象です。
塩味が白ワインのミネラル感をやさしく引き立てていく、とても上品なペアリングですね!
両者のバランスとしては、白ワインの方がやや強く感じる部分がありますが、両者ともに美味しくいただけるペアリングになりました。
さて、次はホタテを。
エッジの焼き目が、見た目にも香ばしいですね。
食べてみると、オリーブオイルが効いて結構ボリュームがあります。
身は淡白ですが、噛むと凝縮した旨味のジュースが溢れ出てきて、美味しいー。
ここにシャブリ・プルミエクリュ・ヴォークパンを合わせてみると・・・おおっ?
鶏肉を合わせたときとはガラッと変わりました!
第一印象として、白ワインのリッチさ、豊満がより目立って感じられます。
そしてその内側で、ホタテとワインの味わいが溶け合うことにより、とても複雑なハーモニーを奏で始めました。
ホタテの外側の、ガーリックの香りをまとったクリスピーな食感、そしてミネラル感は、ワインの骨格の強さを引き立て、中央の柔らかさやそこから染み出すホタテのジュースは、ワインのクリーミーさ、テクスチャの滑らかさを強調してくれます。
ハーブ鶏も悪くなかったのですが、うーむ。これは勝負ありましたね!ホタテの圧勝です。
カミーユ・エ・ローラン・シャレールの、シャブリ・プルミエ・クリュ ヴォークパンにホタテのソテーを合わせる時、ワインはまるでヴェールを全て脱ぎ去ったかのように、複雑な味わいの要素を開放し、そのポテンシャルを最大限に発揮しました。
「シャブリに貝」といえばど定番のペアリングですが、やはり定番の組み合わせには、それなりの理由があるということが身に染みて感じられた結果でした・・・!
皆さんも是非、この素晴らしいクオリティのシャブリ・プルミエ・クリュに、ホタテをソテーして合わせてみてくださいね。バター・ソテーも良いと思いますよ!それでは、次回もお楽しみに。
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