ワインペアリング奮闘記 第186回 熟成ボルドーにジャスト!なペアリングです / シャトー・カンピヨ メドック 2007年
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熟成ボルドーにジャスト!なペアリングです
今回のお題は、シャトー・カンピヨ メドック 2007年です。
このコラムで取り上げるのは2度目。最初の記事はこちらです。
産地はフランス、ボルドー・メドック地区の赤ワインです。品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが48%ずつ、残りはカベルネ・フランとプティ・ヴェルドという品種構成です。ボルドーの2007年は涼しい年で、秋には天候に恵まれました。
テイスティング
ラベルはリリース時に貼ったと見えて真新しいですが、リコルクはされていません。
長期間ワインに触れていたコルクの裏が真っ黒でした。
色調は深いガーネット。ボトルの底には澱が見られます。
抜栓直後はやや香りが閉じた印象でしたが、30分ほど静置すれば開いていました。
干したカシスやレーズンのような、少し乾いた果実。乾燥したミント。杉。アニスやシナモン、落ち葉。湿った土。
口に含むとミドル〜フルボディで、豊かな酸味を感じます。アタックの段階では、甘味はほとんど感じません。味わいに芯があり、好印象です。
タンニンは少し歯茎にくっつくくらいで、熟成によって溶け込んでこなれている印象です。
ミドルは、じんわりとした熟成由来の旨味を感じます。
アフターは少し枯れた印象のフレーヴァと、舌に残る軽い苦味がどこかダンディです。
少し枯れた印象のフレーヴァや角の取れたタンニン、そして染み込むような旨味。
15年以上の時の積み重ねをしっかりと感じさせてくれるボルドー赤ワインです。
合わせる料理『中華煮豚』
ボルドー赤ワインですから、基本はお肉。今回は基本に忠実に、肉料理で組み立てていきます。
商品ページでは「牛肉のソテー ボルドレーズソース」がチョイスされていますが、私はこういった熟成ワインの場合レア感の残るステーキやローストビーフ等よりも、煮込みの方が合わせやすいと思っていて、前回取り上げたのは手羽先と根菜の煮物でした。ただ、その時は少し素材が柔らかすぎてワインが勝ってしまうという結果でしたね。
今回はもう少ししっかり目の肉質の豚肩ロースを使って、中華風の煮豚を、低温調理で作っていきます。
レシピ
【材料 3人前】
豚肩ロースブロック:500g
長ネギ:4切れ
紹興酒:150cc
黒砂糖:小さじ2
生姜:一片
醤油:40cc
五香粉:適量
甜麺醤:小さじ1
片栗粉:小さじ1
トッピング用針生姜:ひとつまみ
まずタレを作ります。
紹興酒、黒砂糖、生姜を火にかけて、2/3くらいまで煮詰めたら醤油を加え火を止めます。
次に、ブロック肉の表面を全面焼き付けます。
ジップロックに肉、タレ、長ネギを入れて空気を抜き、低温調理機で78度、4時間加熱します。
温度が高めのためお湯が結構蒸発するので時々様子を見てください。
加熱が終わったら、タレだけ取り出し、鍋に移して2/3くらいまで煮詰めます。
甜麺醤を溶かし入れ、五香粉を2振りほど、水溶き片栗粉を加えてとろみをつければタレの完成。
肉をカットしてお皿に盛り、長ネギを添えて、針生姜をのせれば出来上がり。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
紹興酒や五香粉、甜麺醤の複雑で深い香りが、熟成ワインのフレーヴァと絶妙にマッチ。
豚肩ロースのキメが細かくしっかりとした肉質も、カンピヨのストラクチャにジャスト!
甘辛いソースがワインの甘味を引き立て、余韻を豊かに感じさせてくれます。
2度目ですので、前回の反省も生かしてしっかりとマリアージュさせることができました。
ちなみにこの煮豚、白ご飯ともめちゃくちゃマリアージュしてましたよ(笑)
今回のペアリングワイン:
今回のお題は、シャトー・カンピヨ メドック 2007年です。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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