「五味のマリアージュ」 ワインはじめて講座
ワインと料理を合わせる」シリーズ、第6回目となりました。
前回は「料理とワインが全く合わない」という事例をご紹介しましたが、 お試しになった方はいらっしゃいますでしょうか・・・
実感して戴いた方は、改めて「合う」ことがどれだけ素晴らしいかを痛感されたのでは、と思います。
ということで今回はもう一度、成功するマリアージュの手法に戻っていきましょう。
これまでに、脂身の強い食材を味わいの濃く強いワインで中和する「中和のマリアージュ」、 柑橘系フルーツやスパイス要素などワインが含む個性を料理にも加えて香味の方向性を合わせる
「同調のマリアージュ」について説明をしてきました。
今回からは、実はマリアージュのある意味理想形・究極形とも言える「五味のマリアージュ」について ご紹介をしていきます。
味覚には、甘味・塩味・酸味・苦味・そして旨味の五要素があります。
「五味のマリアージュ」は、 料理が含む味覚要素とワインが含む味覚要素を足していき、 五味が出来るだけ調和した状態にしていくマリアージュの手法です。
ワインは1本1本味わい要素のバランスが異なりますが、 平均的には甘味・酸味が強く出るお酒で、時に旨味・塩味・苦味の要素も持つことがあります。
では例えば、塩味と旨味要素の濃い食材や料理・・・
分かりやすい例として「チーズ」にしましょうか。
チーズの塩味と旨味に対して、 非常に果実の甘味が豊かで適度な酸・ミネラルの苦味のある白ワイン、 例えばブルゴーニュのシャルドネ100%白ワインを当ててあげると、 五味全ての要素が揃い、味覚の調和が出来上がる、というイメージです。
ここで選ぶチーズが特に塩味の強い、 例えばロックフォールやゴルゴンゾーラなどの青かびチーズだとすると、 突出した塩味に対して調和を図るために「甘味の強いワイン」を合わせてバランスを取る。
天秤に重りを足していくような感覚で、要素のバランスを取るわけですね。
ゴルゴンゾーラチーズを使ったピザ(「クアトロ・フォルマッジ」など)に
蜂蜜が添えられているのも、このマリアージュ手法の一例と言えるでしょう。
まずは「五味のマリアージュ」の基本的な考え方をご紹介しました。
次回も引き続きマリアージュの手法についてご紹介していきます。
今日も1歩、あなたはソムリエに近付きました!
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