「サンジョヴェーゼ種について その2」 ワインはじめて講座
「ブドウ品種を詳しく知ろう」シリーズ、前回からはイタリアを代表する人気ワインのひとつ「キャンティ」の品種としても知られる『サンジョヴェーゼ』種。
イタリア中部の「トスカーナ州」が最大・最高の産地であること、『キャンティ』系のワインに使用される品種として非常に名高いだけでなく、トスカーナ州最高峰のワイン『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』に使用されるブルネッロ種も、サンジョヴェーゼ系統のブドウ品種であることなどをご紹介しました。
この品種に特徴的な香りですが、まずか赤系の果実が第一に挙げられるでしょうか。
カシスやブルーベリーなどの黒系果実は奥に潜み、プラムやチェリー、ラズベリー的な印象が前面に出てきて、そこに紅茶や菫の花、熟成するとなめし皮的なニュアンスが現れてきます。
そしてこの『サンジョヴェーゼ』というブドウ品種は、晩熟で栽培が難しい品種としても知られています。
芽吹きから収穫までの期間が非常に長いため、気候に恵まれた暑い年には非常に濃厚・パワフルでアルコール度数の高いワインになる一方で、 雨が多く冷涼な年は酸・タンニンばかりが強調されたバランスの悪い出来になりがちです。
また、区画あたりの植樹本数・1本のブドウ樹から収穫する房数によっても、ワインの凝縮度や果実の密度に大きな差が生まれやすい品種でもあります。
信じられないくらいの低価格で売られている「キャンティ」などがありますが、安いサンジョヴェーゼは概して非常に薄っぺらで、酸ばかりが強いワインになっています。
そして、経年変化に弱くすぐに色が退色し、若い段階でも褐色になってしまっているサンジョヴェーゼを見つけるのは実に簡単です。
つまり「非常に当たりハズレの多い品種」ですので、サンジョヴェーゼのワインを購入するときは選定力に信頼のおけるお店で選びましょう。 良質な「当たり」のサンジョヴェーゼは、本当に素晴らしい旨み・深みを湛えていますよ!
次回は『サンジョヴェーゼ』種の最終回。
この品種のワインをどんなお料理と楽しむのがおススメか・・・についてご紹介しますね。
今日も1歩、あなたはソムリエに近付きました!
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