連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「室温で」
英:at room temperature
仏:chambre (形容詞:発音は「シャンブレ」*最後のeには右上がりのアクセント記号あり)
赤ワインは「常温」で飲めばよい、という考え方はすっかり定着しましたが、では「常温」とは具体的にどんな温度なのか・・・というと、それはつまり通常ワインを飲む場所の温度、つまり「室温」ということになるかと思います。
では、適温が「室温」というのが前提として、赤ワインを飲むときの温度は実際にはどうなっているでしょうか。
夏は40℃近くなる地域もあるほど暑く、冬でも暖房効率が良いからずっと暖かな住宅が多い日本。
夏の日中留守にしていたら、1日中エアコンを付け放しでない限り室温は軽く30℃を超えているでしょうし、冬の帰宅時でも室温なら20℃ほどはあるのが普通です。
お店で買ってきたワインや通販で届いたワインがこの部屋にずっと常温で置かれていたとしたら、ワインの液温はどのくらいになっているでしょうか。
地域や季節で変わりますが、それにしても「13-15℃」というワインにとっての「常温」からはかけ離れ、18-20℃以上の温度帯になっているのが普通です。
一方で欧州などワイン産地の地下セラーは年中通して温度が13-15℃、湿度70%程。ワインを保持し、適正に熟成させるにはこの環境が理想に近いこと、ワイン造りに携わっている人たちがこの温度帯でワインの品質をチェックしていることからも、この温度帯がワインにとっての本当の常温=つまり「室温」と考えるべきかと思います。
つまり「赤ワインは常温で飲むものだから」と考えて、家に放置しておいたワインを飲んだら当然「温度が高すぎる」わけです。
例えば冷えていないジュース類を飲んだことのある方は実感していると思いますが、フレッシュな酸味などが薄れて甘みばかりが強調され、決しておいしくありません。
赤ワインもこれと同じ状態になり、果実のもったりした甘さが目立ち、重たいだけの味になってしまいます。
だから、赤ワインも飲む前に少し冷やし、「本来の常温」に近付ける必要があります。
食事の前にほんの30分か40分冷蔵庫に入れておくだけで、適正温度に近付いてぐっとおいしくなりますよ!
今日はボキャブラリーというよりも、飲み方のテクニックでしたが、今週はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。
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