ワインボキャブラ天国【第73回】「桃」 英:peach 仏:peche
- 2021.03.20
- ワインボキャブラ天国
- コート・デュ・ローヌ, フランス, 生産者, 白ワイン, 香り
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「桃」
英:peach
仏:peche (*最初のeに山型アクセント 女性名詞:発音は「ペッシェ」)
桃は完熟したときの濃密な甘みが魅力のフルーツですよね。
柔らかな香りに思えて、その実結構特徴的でかつ主張のある強い香りを持った果物でもあります。
白桃の香りが見つかるワインは、やはり果物そのもののイメージと近いワインが挙げられます。
白い色、ねっとりと詰まったような果肉の凝縮感、そして強い香り。
仏コート・デュ・ローヌ地方を代表産地とする「ヴィオニエ」や、ロワール地方をはじめ南アフリカ共和国などでも栽培される「シュナン・ブラン」などが桃のイメージを想起することの多いブドウ品種として知られています。
これらの品種以外でも、濃密でヴォリューム感のあるスタイル、アルコール度数が高く粘性を感じるような白ワインにも桃のニュアンスを感じ取ることは多いと思います。
こういったタイプのワインが生まれるのはやはり日照量に恵まれ気温が高い地域。
柑橘類のようなフレッシュ&シャープな香り・味わいよりも、甘く強い「芯があり、果肉の柔らかな果実」=例えば桃や洋梨、かりんなどの香りが感じられます。
このように白ワインの香り・味わいをフルーツで表現する場合ですが、以下のようにざっくりとジャンルを分類しておいた上で「どのあたりにある印象か」で考えていくと比較的位置付けがしやすいかもしれません。
・柑橘系フルーツ(果皮が緑~黄色で味は酸味がシャキッと/スダチ、カボス、レモン、グレープフルーツなど)
・柑橘系フルーツ(果皮が濃い黄色~オレンジ色で味は甘み強い/みかん、オレンジ、ネーブルオレンジなど)
・果肉が硬めの芯ありフルーツ(りんご、青りんご、梨など)
・果肉が柔らかめの芯ありフルーツ(白桃、黄桃、洋梨、かりん、熟した杏・柿など)
・トロピカルフルーツ(パイナップル、マンゴー、キウイなど)、メロン
ワインの香りや味わいををフルーツで表現するのは、それを飲んでいない人に味わいを伝えるのに一番の近道。
「このワインって、桃みたいな甘い香りがするんだよね」「レモンみたいにシャキッと爽快な辛口の白なんだよ」など、飲んでいない人もイメージを掴みやすく、そのワインに対する興味と期待も高まるはず。
ワインを飲むとき、まずは「このワイン、果物のイメージだったら何かな・・?」と考えてみてくださいね。
それでは今回はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
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