世界のワイン産地を知ろう!!:Firadis WINE GLOBE 第2回
「Firadis WINE GLOBE」第2回です。
前回はまず世界地図を目の前に広げ、現在「ワインが造られている国」把握するところから始めました。
第2回は、各国の生産状況がどうなのか、というところにフォーカスしてみようと思います。
今回は話の流れ上、残念ながら「数字ばかりでやや退屈な」回ですのでご容赦を・・・・。
*第1回をまだお読みになっていない方は、まずこちらからどうぞ!
皆さんは「ワイン生産国NO.1」と言ったらどこの国だと思いますか??
勿論、NO.1にも色々な意味がありますよね。
シンプルに生産量が最大の国もあれば、トップクオリティのファインワインを数多く産する国も。
生産量が莫大でもその大部分が安ワイン、という国もあれば、
ごく少量しかワイン生産量が無くても、高品質・高価格ワインの比率が高い国もあります。
では、昨年2016年にワインを一番沢山造った「NO.1生産国」は、どこなのでしょうか??
答えはもうちょっと後で・・・ここから文章を読み進める間に、考えておいてください。
こういったワイン生産国各国のデータは、
O.I.V(=International Organization of Vine and Wine 国際ブドウ・ブドウ酒機構)
という組織がまとめています。
O.I.Vはワイン生産国50カ国弱が加盟している国際組織で、フランスに本部が置かれています。
この組織はワイン業界でも意外と知られていないのですが、
ブドウ栽培やワイン醸造全般を研究し、各国のデータを取りまとめる期間として活動しています。
特にブドウ品種に関する国際研究はO.I.Vが中心的に担っていて、
例えば欧州ではワインのラベルに公式に表記して良い品種名はO.I.Vが認めたものだけ、と定められています。
つまり、ある産地や生産者が独自に掛け合わせた新品種などは勝手に表記出来ないルールとなっています。
ちなみに日本固有のブドウ品種でO.I.Vに登録承認されているのは、
「甲州」種(2010年登録)と「マスカット・ベーリーA」種(2013年登録)の2種類です。
これにより、この2品種は欧州で品種表記ワインとしての販売が可能となり、知名度が向上。
「日本ワイン」というジャンルが国際的に認知され評価が高まり始めたのもこの登録がきっかけでした。
さて、ワイン生産量のお話に戻りましょう。
答えは決まりましたか????
・・・2016年、ワインを最も生産した国は、「イタリア」です。
O.I.Vによると世界のワイン生産量が259,000mhL、そのうち約49,000mhLをイタリアが生産したので、
全生産量のおよそ2割をイタリアが造ったことに。
2位のフランスが42,000mhL、3位のスペインが38,000mhLでしたので、
全生産量の丁度半分を、これら3カ国で造った計算になります。
さすが、伝統国ですね!
(*ご参考までですが、1mhL=1,000hL / 1hL=100。つまり1mhLは10万Lです。
259,000mhLというと、750MLのボトルに換算すると年間345億本!くらいの生産量ということでしょうか・・・すごい量です!)
各国の生産量については少し意外な事実もあります。
日本国内への輸入量では昨年もNO.1だったチリを始めとする南半球の国々は、実は現在減産傾向にあります。
例えば2016年のデータでは、チリはなんと21%もの減産、南アフリカ共和国も19%の減産。
O.I.Vによると、地球温暖化の影響などにより土着品種の生育に影響が出ているため、だそうです。
このコラム前回で新たにワイン生産に参入している新興国について触れましたが、
一方である程度の歴史を持っている国にも変化が訪れてきている模様。
もはや、かつてのような「オールド・ワールド(旧世界) / ニュー・ワールド(新世界)」という
2つだけの考え方ではワイン世界を見ることは出来なくなっているのかもしれません。
実際、北南米やオセアニア、南アフリカは既に一定の歴史と実績を積んだ
「ニュー・オールドワールド」とでも呼ぶべきかもしれませんね。
(*筆者が勝手に呼んでいるだけですのでご注意ください)
ということで今回は数字の羅列で終わってしまいましたがこのあたりで。。。
次回以降も引き続き世界のワインについての話を続けていきます!
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