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ブドウ品種を知ると、ワイン選びが一歩進む③テロワールと生産者を映す「鏡」、シャルドネ

ブドウ品種を知ると、ワイン選びが一歩進む③テロワールと生産者を映す「鏡」、シャルドネ

「シャルドネ種」とは、どんなブドウなのか?

ワインのマメ知識ブドウ品種編、3つ目になりました。 (*この記事は、THE CHAMPAGNEにも同じ内容のものを掲載しています)
カベルネ・ソーヴィ二ヨン、ピノ・ノワールと赤ワイン用のブドウ品種が2回続きましたので、
今回は白ワインの品種を。
それなら最初の白ブドウは決まってますよね、今日のテーマは『シャルドネ』です。

「シャルドネは“鏡”」。ページを開いて戴くために、ちょっと変わったタイトルにしてみました。
でも、『シャルドネ』と言うブドウ品種を一言で表現するとしたら、
僕はいつもこの言葉を使っています。
土壌・気候など産地の環境、生産者のフィロソフィーと能力・センス、
それらをそのまま映し出してしまう「鏡」と言う意味です。

『シャルドネ』というブドウの香りや味わいを端的に定義することは、
もしかしたらブドウ品種の中で最も難しいかもしれません。
このブドウ品種は、本来的には「最もニュートラル」な場所に位置づけられる、
突出した分かり易い特徴・強烈な個性があるとは言えない品種。
だから、生育環境や造り手のポリシー、力量によってその印象をころころと変えてしまう。
そんな「鏡」のようなブドウ品種だと言う訳です。

これは僕の個人的な経験の話ですが、例えば目隠しテイスティングをした時に、
今も白ワインで一番間違えるのが「シャルドネと何か」です。
第一印象でイマイチ定まらないワインから何か個性や特徴を見つけ出そうとして、
「うーん、ソーヴィ二ヨン・ブラン!かな???・・・・シャルドネだったか。。。。」という感じです。
そんな七変化する品種を、今日はもう少し掘り下げて知ってみましょう。

最初にブドウ品種としての概要を簡単に・・・。
シャルドネ種のDNA分析(カリフォルニア大学)の結果によると、
この種はピノ・ノワール種と、クロアチア原産の「Gouais Blanc種(グエ・ブラン)」との交配種である、
という学説が出ています。ローマ時代にクロアチアからフランスに運ばれたグエ・ブラン種が、
ピノ・ノワールと交配して生まれた、とのこと。
カベルネ・ソーヴィ二ヨンと同様、シャルドネもオリジナルな品種ではなく交配種なんですね。
参考までですが、このGouais Blanc種は様々な品種の原種となっており、
アリゴテ種、ガメイ種などもこの種が起源のようです。

この一交配種が、今や「主要産地」を言えないほど世界中どこでも栽培されている白の代表品種となりました。
フランス・ブルゴーニュ&シャンパーニュを代表として南フランスにイタリア・スペイン、
北南米からオセアニア、アジア、アフリカまで、カベルネ・ソーヴィ二ヨンとほぼ同じように分布しています。
シャルドネ種も比較的栽培しやすい品種で、しかも白ワインを代表する人気品種ですから、
世界中のワイン生産者誰もがこぞって栽培したがるのも当然のことでした。

さて、ではそんなシャルドネ種の特徴を挙げていくとどうなるのか。
ここではシャルドネ種をメインに栽培する代表的産地「シャブリ」を例としましょう。

 

「シャブリ」のシャルドネで色々なスタイルを比較する

 

フランス・ブルゴーニュ北端の生産地で、日本ではもっとも有名な白ワイン銘柄「シャブリ」。
パリから約1時間半の小都市オーセールから20km程離れた、
「シャブリ村」周辺に広がる畑から造られるワインです。
たぶん、日本人に覚えやすい語感の名前だったからここまで認知が広がったのでしょう。
一時は「牡蠣にはシャブリ」というのが、最も有名なマリアージュの例として挙げられていました。
(以前CLUB30のメルマガで、この組み合わせが「合う/本当は合わない」については書きましたよね)

シャブリ村は、日本での知名度からすると想像もできないほど小さく地味な村。
村の端から端まで歩いても15分もかからないのでは。
ホテルもレストランも少なく、ワイン業界関係者以外でわざわざ訪れる人は殆どいないと思います。
有名な牡蠣殻を含む地層(キンメリジャン・マールと言います)の白い畑が広がるこの地域は、
冬は畑にストーブを炊くほど寒く雪深く、夏は乾燥して熱い、厳しい環境です。

↑ 畑にストーブを置く、というのはこんな感じです(ご質問が多かったので画像を掲載致します)

このシャブリ村においてシャルドネ100%で造られるワインで、
両極端とも言える2タイプを比較してみます。
まず一つめは、ステンレスタンク発酵・ステンレスタンク熟成をしたシャブリです。
レモン・ライムのような溌剌とした柑橘類やリンゴの香りに、硬水のようなタイトなミネラル感があります。
冷涼な地域の白ブドウならではのシャープな酸と、
口の中を引き締めるようなミネラル感が「ドライなワイン」という印象を与えます。
爽やかな風味で、白身魚のお刺身やスダチを使うような魚のグリル系料理に合いそうです。
このスタイルのシャブリが、「牡蠣に合う」とされていたものですね。

もう一つは、グラン・クリュ・クラスのものに多いですが、樽発酵・樽熟成によるもの。
そして、まろやかさを獲得するための「乳酸発酵」を実施しているものです。
(マロラクティック発酵と呼ばれる、リンゴ酸が乳酸に変化するアルコール発酵の後段階の発酵です。
これについては後の回で詳しくご説明しますので、名前だけ記憶に置いておいてください。)
こちらのスタイルは、最初の香りの時点で洋ナシや花梨、桃やパイナップル等「芯や大きな種のある果物」の
香りと、樽由来の木やバニラ、パンのようなニュアンスです。
口に含むと柔らかいとろみを感じるような口当たりで、濃厚な果実味を感じます。
生魚にはあまり合いそうにもなく、どちらかと言えばバターやクリーム系に合うスタイルですね。

この2つのワインが同じ地域の同じブドウ品種で造ったワインだ、という事実に、
この品種の振れ幅の広さが現れています。
最初に香りを取った時に感じるフルーツの印象からして全く異なる、柑橘類と黄色い果物。
そして、口に含んでも「シャープに切り込んでくるような酸味」と
「濃厚で粘性を感じるほどの滑らかな果実味」、まったく相反する味わいが存在するのです。

これは、シャルドネ種をベースにして生産者が表現しようとしたものが全く違うという事。
だから、シャルドネというブドウ品種を正しく理解するというのはつまり、
「完成形の多様性を知る」という事なのだと思います。

この産地で、この人がこういう風に造ったら、こうなる。
別の産地で、あの人が違ったやり方で造ったら、こうなった。
産地や製法によってある程度の方向性があり、それが指針となります。
それを把握しておけば、どれほど振れ幅の広い品種でも自分好みのものを選び取れますよ。
この誌上セミナーでは、ブドウ品種の後に各ワイン産地(国・地域)についての話を進める予定ですよ。

今日のまとめは、「シャルドネを知ることは、産地と製法を知るという事」、でした。
例えシャルドネが覗いたものをそのまま映す鏡だとしても、
その覗いている人がどんな人かが分かっていれば、そんなに悩まなくて大丈夫、ということです。

 

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