「樽のひみつ②」

「樽のひみつ②」

さて、前回のマメ知識コラムに続いてワインの「」についてのお話しです。

 

前回は「」というものがそもそも何なのか、どんな材料で作られてきたのか。

そして、いつの時代からどのような目的で使われてきたのか、というお話をさせて戴きました。

 

続いて今回は…「」そのものの作り方や、

木材の産地についてのお話をさせて戴こうと思っていたのですが、

この内容については株式会社フィラディスのホームページに弊社社長の石田が執筆したコラムが既にありますので、

そちらを見て戴くほうが良いかと思います。

*この文末にリンクを掲載しておきました。

今回は、弊社コラムページで少し触れていた「樽の焼き加減」の部分についてお話をしたいと思います。

実はこの「焼き加減」が、その樽で保存・熟成されるワインに与えるフレーヴァーに

大きな違いを与える要因なのです。

樽を「焼く」とは?  

樽を組むために切り出されたオーク材の板は、片端に箍(たが)を嵌めて焼きを入れていきます。

樽の空洞部分真ん中にストーブを置いて、内側からすべての板を均等に火で炙るかたちです。

その時に、焼きの時間によって「ライト」「ミディアム」「ヘヴィ」等の段階で焼き加減を分けます。

 

そして、例えれば行きつけのレストランでお肉の焼き加減を細かくお願いするイメージで、

樽のユーザーであるワイナリーの要望によって焼き度合いを細かく調整していくという対応もしています。

造りにこだわるトップワイナリーほど、自分たちの目指すワインのイメージに近づけるため、

樽メーカーに焼き加減を細かくオーダーするわけです。

木材の産地を選び、樽の生産者を選び、焼きの程度を選び・・・・

樽熟成にも、思い描くワインに辿り着くまでの「分岐点」がいくつも存在するのです。

 

樽熟成の前提として、まず「どういう熟成をワインに施すのか」の設計からスタートします。

ワインの出来上がりの最終形を思い描き、それにはどういう熟成をさせるべきか、を考える作業。

フレーヴァーがしっかりとつく「新樽」をどのくらい使うのか、

あまり樽香の強烈なインパクトを付けないよう、敢えて使い古しの樽だけを使うのか。

経験と想像力だけで道を選び抜いて行く作業ですね。

 

だから、「新樽」を使っていればそれで良いのだ、と言う考え方はちょっと的外れになります。

新樽比率の高さを自慢げに謳っているワインを時々見かけますが、

出来上がりのワインがお化粧臭く木の香りしかしないものになっていたら、何の意味もないですよね。

だって、本のワインには、それぞれに最もふさわしい熟成方法があるんですから。

「焼いた」樽に入れることで、ワインはどう変わる?

さて、「焼き加減」というポイントに話を戻します。

焼き加減を「ライト」にすると、バニラ系の樽香はあまり付かず、

軽く繊細なオークフレーヴァーと、樽由来のタンニンが程よく抽出され、ワインの「支柱」になります。

(これは僕の勝手な表現で、ワイン会の共通言語ではありません)

例えば、元々のブドウ品種の特性やワインの造りが繊細なブルゴーニュのピノ・ノワールなどでは、

焼きの軽い樽や敢えて使い古しの樽を使って、見えないけど頑健な支柱を立てるようなイメージでしょうか。

 

一方で焼きを「へヴィ」にすれば、まさにトーストにも似た香りがワインに与えられます。

焼き加減がヘヴィな樽で熟成されたワインには強い香りが付着する分、

ワインが若い段階で飲もうとすると非常にはっきりとした樽香が前面に主張してくるので、

まだフレッシュさの残る果実味と調和がとれておらず、樽の強い香りばかりが印象に残ってしまいます。

 

これが時間をかけて少しずつ樽の香りと調和し、良い熟成の完成形としては

赤ワインだとチョコレートやコーヒー、白ワインだとバタートーストのような香りに代表される「熟成香」

まとまって行くのです。

 

この「心地よい熟成香」または「お化粧し過ぎのどぎつい香り」は、

ワインをある程度の頻度で飲んでいる方なら、直観的に感じられるものだと思います。

鼻に付くバニラの香りがむせかえるようだったら、そのワインはちょっと「厚化粧」かもしれませんね。

 

さて、今回のコラムはこのあたりで終わりとさせていただきます。

次回もこの樽熟成に関するお話をもう少し続けていきます。

そして・・・またちょっとだけワイン業界の裏話に切り込んじゃおうかと思います!

 

この話の後におススメするワインはもちろん、「樽の心地よい香味を実感できるワイン」ですよね!

最適のバランスで樽熟成させたワインはどんなアロマとフレーヴァーを有するのか、

が良くわかる1本として、CLUB30でとにかく人気の高い赤ワイン

「ファン・ヒル シルバー・ラベル」を改めて試していただきたいと思います。

シルバー・ラベルのページはこちらです

フアン・ヒル シルバー・ラベル 750ml(スペイン フミーリャ産赤ワイン)

このワイン、香りを取った時にすぐに分かるのが、

赤い果実の印象とともに、トーストを想わせる香ばしい香りと、ややスモーキーな印象。

これがまさにフレンチオークの新樽でほどよく熟成させたワインの特徴です。

 

シルバー・ラベルは、モナストレル種100%の非常にパワフルでふくよかな果実味がある一方で、

酸味は程よく控えめに抑えられています。

そのため、新樽の甘いフレーヴァーとタンニンを加えることにより、

若い段階でも果実味と熟成感のバランスの良さを楽しめるワインになっている訳です。

 

前回の「ボコパ」と同様に、樽熟成によるとろりとした舌触りが、常温だとよりはっきりと見つけられます。

お食事の90分以上前に抜栓をしたらこの特有の舌触りを感じ取り、

その後お食事の前には例によって30分ほど冷蔵庫で冷やしましょう。

 

シルバー・ラベルはどんなお料理にも合わせやすい赤ワインですが、

やはり独特の甘やかな熟成感がありますので、甘いソースの肉料理との相性が抜群。

以前オリジナルレシピでご紹介したローストビーフはもちろん、

じっくりと煮込んだ牛タンシチューなどドゥミグラスソース系の料理がおススメですよ!!

NO.1人気の赤ワイン、是非一度お試しくださいね。

 

本日も長文を最後まで読んで戴いてありがとうございました!

今週も皆さまのワインライフが楽しく美味しいものでありますように。

Firadis WINE CLUB 30 店長 五十嵐 祐介

 

 

≪参考サイト≫

・株式会社フィラディスHP ニュースレター 「ワイン樽4つのメーカーを徹底レポート!」

 

弊社代表 石田大八朗執筆 http://www.firadis.co.jp/newsletter/201601

 

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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