ワイン職人に聞く、10の質問【第92回】ジャン・マルク・ミヨ（仏ブルゴーニュ地方）

≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタヴュー！≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』 第92回
「ジャン・マルク・ミヨ（仏ブルゴーニュ地方）」
醸造家・ヴィンヤード・マネジャー：アリクス・ミヨさん（写真左）

連載シリーズ『ワイン職人に聞く、10の質問』、今回話を聞いた生産者はニュイ・サン・ジョルジュに本拠を置き、グラン・エシェゾー、クロ・ド・ヴージョ、ヴォーヌ・ロマネ各所に最高峰の区画ばかりを保有する名門『ジャン・マルク・ミヨ』。
二代目の当主であり醸造家のアリクス・ミヨさんがインタヴューに答えてくれました。

このドメーヌ、1992年が初の元詰めと歴史は長くありませんが、あっという間にブルゴーニュで注目を集める存在になってしまったまさにスピードスター。ワイン専門誌では「今注目の造り手25人」に選ばれるなど、2014年に家業に入ったばかりのアリクスさんの存在がレベルアップにドライブをかけています。自由な発想、そして野心的なマインドで更なる高みを目指すミヨ父娘のワイン哲学、是非とも読んでみてください。
それでは92人目のワイン職人インタヴューを始めましょう！

【ワイン職人インタヴュー】

Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、と決意したきっかけは何ですか？
⇒2014年にリヨンのビジネススクールを卒業して、父のワイン造りを手伝うために実家に戻ってきた。そこからボーヌの醸造学校に通いつつ、初めてのヴィンテージを父と一緒に仕込むことになったの。きっかけも何もなくて、ごく自然にそうなった感じだったかな。

Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は？
⇒樽熟成の期間が終わって、最初にバレル・テイスティングをする時。
それから勿論、良い批評をされたとき　笑！

Q3:その反対に、一番辛い（辛かった、大変な）ときは？
⇒雹や嵐、それに尽きるかな…病害は防ぐ手立てもあるし、まだコントロールができるけど自然のことはどうしようもないしね。

Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、どの工程だと思いますか？
⇒信じること、そして忍耐。特に醸造の工程に入ってからはそれが大切ね。最新の機械は本当に性能が優れているから、人間は最適なタイミングで最適な判断をする、ことが一番重要！

Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは？
⇒そのワインについて1時間でも友達と語り合うことが出来て、気付いたら空っぽになっている…そんなワイン！

Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら？
⇒やっぱりルロワやロマネ・コンティの偉大さには息を飲むけど、それでも私の父が造った数々のグラン・クリュ・ワインは自分にとって本当に特別な誇り。

Q7:自分のワインと料理、これまでに一番マリアージュしたと思った組み合わせを教えてください。
⇒ブルゴーニュ・ルージュとニュイ・ヴィラージュは、ハムやソーセージなどシャルキュトリー系の料理。
そして少し以外に思うかもしれないけれど、ヴォーヌ・ロマネにはオマールやカニなどの甲殻類料理、クロ・ド・ヴージョにはアンコウなどの魚介類がとても相性が良かった。勿論、素晴らしいソースがあってのマリアージュだけどね。

Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、どこで造ってみたいですか？
⇒今私が家族と一緒に住んでいるマコネ地域かな…幸い、テロワールのことは良く理解できるしね　笑
砂と軽めの石灰の中間的な土壌で、素晴らしいシャルドネとピノ・ノワールを産み出すポテンシャルがあると思う。

Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒この世界全てを、ワインの中に表現していくこと。

Q10:最後に・・・日本にいるあなたのワインのファンに、メッセージを！
⇒この2年間難しい時期が続いたけれど、ワインを通して私たちの土地のこと、素晴らしさを少しでも皆さんに伝わえることができていたら嬉しく思います。
大切な友達とコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ1本を一緒に分けあって楽しむ…それだけのことがどれだけ素晴らしいことか！！

【この生産者のおすすめワインはこちら！】

『ジャン・マルク・ミヨ ブルゴーニュ・ルージュ』

『ジャン・マルク・ミヨ　ブルゴーニュ・アリゴテ』

『ジャン・マルク・ミヨ　コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ　ヴィエイユ・ヴィーニュ』

『ジャン・マルク・ミヨ　コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ オー・フォルク』

『ジャン・マルク・ミヨ サヴィニー・レ・ボーヌ』

『ジャン・マルク・ミヨ ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ レ・スショ』

『ジャン・マルク・ミヨ クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ グラン・モーペルテュイ』