ワインペアリング奮闘記 第107回 ヴィッラ・ダヴィーニ モンテクッコ・ロッソ × 牛肉とポルチーニのリゾット

まるでレストラン！トスカーナの赤ワインを堪能するペアリング

 

 

 

テイスティング

 

グラスに注ぐと、ルビー、いやガーネットに近いでしょうか。鮮やかで深みのあるレッドです。
香りは、ダークチェリーのリキュール。すみれ。ブラックペッパーやナツメグ。鉄っぽさ。
口に含むと、ぎゅっと濃縮された果実味。少しジャミーな印象もあります。
熟した果実の甘さの後に、爽やかな酸味が広がります。
タンニンはとても滑らかに溶け込んでいます。
ミドルから鉄っぽいニュアンスをしっかりと感じ、アフターにかけて、果実のフレーヴァを伴いながら、ほんのりとした苦味とミネラルの印象が伸びていきます。
全体として、豊かな果実味とアルコールのボディがあり、滑らかな口当たりの奥にしっかりとしたテクスチャ、しなやかさを感じます。熟成感が程よく、飲み頃のピークを迎えていると思います。しっかりとしたジューシーさを保ちながらも落ち着きや複雑味が出てきていて、どことなく大人びたセクシーな印象を醸しています。

 

合わせる料理

 

『牛肉とポルチーニのリゾット』

 

力強さのあるトスカーナのサンジョベーゼには、やはり牛肉が合うと思います。

ステーキにもとても合うだろうと思うのですが、今回はこのワインの滑らかさ、しなやかさに合わせて煮込み系で。ブロードをたっぷり吸い込ませたリゾットを合わせることにしました。
さらに、ワインの熟成による深み、複雑味にしっかりと料理を寄り添わせるために、ポルチーニ茸を使用します。

レシピ

 

乾燥ポルチーニを戻しておきましょう。戻し方はポルチーニ戻し方講座をご参考に。

牛肉の部位は、煮込みに適したものを。今回はすね肉とすじ肉を使用しました。

よく洗って茹でこぼした後、セロリ、玉ねぎ、湯むきしたトマト、胡椒数粒、塩少々と共に約半日煮込みます。

 

肉は柔らかく煮えたら取り出して、煮詰めたバルサミコと醤油で作ったソースを絡めておきます。
野菜も取り出して、残った茹で汁をキッチンペーパーで濾します。こちらがリゾットを炊くためにブロードになります。
取り出した野菜はミキサーにかけて、豆乳を少し足して温めれば副菜のスープになります。

 

さて、メインのリゾット作りです。

生米をオリーブオイルで炒めます。全体に油が回って白っぽくなってきたら、ブロードを段階的に加えながら煮ていきます。10分くらい煮たら、牛肉とポルチーニも加えて「軽く」木べらで返すように混ぜます。全部で20分程で、お米がアルデンテになれば完成です。

 

 

ペアリングレポート

 

【総合評価】
星5つ：★★★★★
贅沢・・・これは文句を言ったらバチが当たる。

【評価ポイント】
○滑らかなテクスチャとトロリと煮込まれた牛肉の相性は良好。
○ポルチーニ効果で、料理もそれに合わせるワインも、よりリッチな印象に。
○赤ワインの余韻の豊かさを、旨味たっぷりな料理がさらに一段引き上げてくれる。

如何でしたか？
今回はちょっと料理に時間が掛かってしまいましたが、レストランみたいなペアリングが成立しました。お時間のある週末にいかがでしょう？
ヴィラ・ダヴィーニのモンクッコ、今まさに飲み頃ですよ。おすすめワインです。
それでは次回もお楽しみに！（西岡）

 

今回のペアリングワイン

このコラムのライター