ワインペアリング奮闘記第122回海老フリッターに合うシャンパン / ギボラプリスム. 16

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第122回

キリッと締まったシャンパーニュに海老フリッターがストライク！

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。

■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。

■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品不使用です。

今回の課題は『ギボラプリスム.16 ブラン・ド・ブラングラン・クリュエクストラ・ブリュット N.V.』。
特級格付けの村のみで収穫されたシャルドネを100%使用。リキュールの添加を少量に抑えた、極辛口のシャンパンですね。早速テイスティングしましょう。

テイスティング

グラスに注ぐと、立ちのぼる泡は細かくクリーミーです。色調はゴールドがかったイエロー。
香りはレモンやオレンジなどのフレッシュな柑橘果実中心で、レモンピール、小さな花、酵母、トースト、後半は石灰っぽいニュアンスが感じられます。
口に流し込むと、アタックからシャープに引き締まった酸味を豊かに感じます。甘味は殆ど感じずドライな印象。
香りもそうでしたが、味わいに関しても熟成期間が48ヶ月と長い割には、まだまだフレッシュな印象でした。
ミドル以降も、このクエン酸系の酸が舌に少し張り付くように残りながら、アフターにかけミネラルの印象にシフトして行きます。
全体として、エクストラ・ブリュットを冠するに相応しい極辛口な味わい。酸がやや支配的ですが、果実中心のピュアなスタイルと言えるでしょう。ブラン・ド・ブランに求められる、やや鋭角で洗練されたスタイルをきっちりと表現しているシャンパーニュです。

合わせる料理『海老の中華風フリッター：酥炸蝦仁』

前回のコラムで、エビとシャルドネは定番的な相性の良さだと書いたばかりですが、もちろんシャルドネ100%のシャンパーニュにも当てはまります。そしてスパークリングと言えば、揚げ物との相性の良さは折り紙付き。
今回は、以前から辛口シャンパーニュに合わせてみたいと思っていた料理を作ります。
横浜青葉区の中華料理名店、味香亭さんで食べてその美味しさに感動した「海老サクサク衣揚げ」。
正式名称は酥炸蝦仁（スーザシャーレン）という料理のようなので、ネットでレシピを調べて作ってみることにしました。

レシピ

中華のツボ! 玲舫’s ぶろぐさんを参考にして作りました。
こういう料理は分量を守った方が良いですし、そのまま転載するのは良くないので、こちらのレシピは割愛しますね。
分量通りに作ると、揚げる前の衣はクリーミーでエビにとろりと纏わり付く感じになりました。
私は衣を少し多めに作って、ブロッコリーも揚げました。

ペアリングレポート

【総合評価】星5つ：★★★★★ やば旨です！

【評価ポイント】
○フリッターの衣とシャンパーニュの泡のテクスチャがマッチ
○海老のミネラルと塩味が、シャンパーニュの旨味を強調してくれる
○シャンパンの豊かな酸が油をスッキリと洗い流してくれる

エビはサクサクっとした歯触りです。ベーキングパウダーの作用で細かく泡立つフリッターの衣とクリーミーなシャンパーニュの泡とのテクスチャの相性は、これ以上無いくらい素晴らしい。ギボラプリスム. 16 はドライでレモンの印象が強いこともあって揚げ物と味わいの相性も良かったです。ミネラルしっかりのストラクチャも存在感のある料理に負けていません。パズルのピースがカチッとはまって、マリアージュの完成です！

今回の組み合わせはとてもおすすめですよ。是非、お試しくださいね。
それでは、次回もお楽しみに！（西岡）

今回のペアリングワイン

『ギボラプリスム.16 ブラン・ド・ブラングラン・クリュエクストラ・ブリュット N.V.』

このコラムのライター

J.S.A.認定ワインエキスパート　西岡卓哉

ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください！