ワインペアリング奮闘記 第140回 白ワインでしゃぶしゃぶするなら? / クロズリー・デ・リ シャルドネ
- 2022.04.01
- ワインペアリング奮闘記
- シャトー・アルトニャック, しゃぶしゃぶ, シャルドネ, ブルゴーニュ, フルボディ, ペアリング, ラングドック, リムー, 南仏, 星4つ, 白ワイン, 豚肉
目次
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第140回
白ワインでしゃぶしゃぶするなら?
今回のペアリング課題は『シャトー・アルトニャック クロズリー・デ・リ シャルドネ』です。
シャトー・アルトニャックは南仏ラングドック地方に位置しますが、ブルゴーニュで代々ブドウ栽培を行っていた生産者です。こだわりのシャルドネを早速テイスティングしてみましょう。
テイスティング
グラスに注ぐと、色調は透明感のある淡いイエロー。麦わら色といった感じですね。
香りは、洋梨、カリンや白桃、ふわっと白胡椒。
口に含むと、なめらかな口当たりと共に完熟したフルーツの蜜っぽい甘味、そして後から爽やかな酸味をストレートに感じました。
甘味、酸味どちらもしっかりと拮抗しているため、やや濃いめ味わいをバランス良く楽しめますね。
ミドルからはじわじわとミネラルの複雑味、軽い苦味を感じます。
アフターまで豊かな果実のフレーヴァーやミネラルの要素が感じられます。
全体としてふっくらと角の取れ、ジューシーでバランスの良い白ワインで、ザ・シャルドネといった味わいです。
つい、ごくごく飲んでしまいそうですが、アルコールもそこそこありそうなので気を付けたいですね。
合わせる料理『豚のしゃぶしゃぶ』
比較的万能型の白ワインで、合わせられる食材のレンジは広いと思います。
白身魚から、白身のお肉まで大丈夫ですね。フルーティ系なので熱を通した方が合うと思います。
今回選んだのは豚のしゃぶしゃぶ。さっと茹でた豚肉のやわらかい食感がきっとシャルドネに合うと思います。
私の場合、ボリューム感のあるシャルドネには、自然と豚肉をチョイスすることが多いですね。
レシピ
肉は豚のバラと肩ロースの薄切り、出汁は、昆布多めのカツオ出汁にしました。
野菜は白菜、水菜、下茹でした人参、えのき、長ネギ、大根おろしを用意。
たれはポン酢と胡麻だれの2種で比較します。
出汁を取る以外はほぼ食材をカットするだけで、完成!
熱い出汁をくぐらせて召し上がれ。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○食材の柔らかな食感がシャルドネのマイルドなテクスチャに合う
○噛み応えのある肩ロースよりも、ふわっとした食感の豚バラ肉がマッチ
○胡麻だれが合うかと思ったら、酸味のあるポン酢がマッチ
△鰹節の臭みがやや感じられた?出汁は昆布のみが吉か
さっと煮るだけで繊細な味わいのしゃぶしゃぶと、ピュアさのあるシャルドネは想像通りの相性の良さが感じられました。
胡麻だれよりもポン酢、という部分は樽の効いたシャルドネであればまた変わってくるのかもしれませんが、クロズリー・デ・リ シャルドネの場合は酸味に思ったよりもキレがあったということだと思います。
少し気になったのは、出汁に使った鰹節の血合いの風味ですね。こればシャルドネのフルーティーさとぶつかってしまいました。
普段使っている血合い有りの鰹節をそのまま使ってしまったのですが、鰹節を使用するなら血合い抜き、もしくは昆布のみの出汁にしたほうが良いと思います。
皆さんには、私の教訓を生かして素敵なシャルドネ&しゃぶしゃぶタイムを頼んしんでいただければ幸いです!
それでは次回もお楽しみに。
(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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