世界が熱視線を送る
ラクルト・ゴドビヨン( Lacourte Godbillon ) の真価。
伝統と格式が息づくシャンパーニュの世界において、今、本質を知る審美眼を持った人々を虜にしているメゾンがあります。華やかな流行に流されることなく、独自のフィロソフィーを静かに、そして力強く紡ぎ出すエキュイユ村の「ラクルト・ゴドビヨン」。土地への深い敬意と揺るぎない情熱から生まれる、その美しく気品溢れるストーリーをご紹介いたしましょう。
目次
キャリアを捨てて挑む、エキュイユのテロワールへの回帰

エキュイユ村に約8ヘクタールの美しい畑を所有するラクルト・ゴトビヨン。リシャール・デヴィーニュとジェラルディーヌ・ラクルトの夫妻は、かつてリヨンでそれぞれ異なるキャリアを歩んでいましたが、ジェラルディーヌの両親が守ってきたメゾンを引き継ぐため、共に退職するという決断を下しました。アヴィーズの醸造学校で1年間真摯に学んだ後、2006年にジェラルディーヌが3代目としてメゾンを継承。2012年には協同組合から脱会し、完全に独立したレコルタン・マニピュランとしての道を歩み始めました。「素晴らしいワインは素晴らしい畑からしか生まれない」という揺るぎない信念のもと、多大な時間をさいて見事に手入れされた彼らの畑。エキュイユ村の特徴である砂質土壌由来のふんわりとした心地よい質感と、絶妙な樽使いが、このメゾンの評価を今、急激に高めています。
妥協なき忍耐が生む、完璧なトレーサビリティー

何よりもブドウ畑が最優先であるという確固たるスタイルを貫く彼らは、土壌と環境を守るために全力を尽くしています。畑には羊が穏やかに放牧され、鳥箱が設置されているだけでなく、カバークロップの採用や、近年注目を集めるアグロフォレストリー(農林複合経営)への取り組みも実践。さらに畑作業では、一般的な季節労働者を頼ることなく、わずか5人の信頼できるチームのみで全ての作業を完結させ、自社のブドウだけを使用しています。ブドウの品質を極限まで高めるために収量をコントロールし、完璧な収穫日を見極める――こうして自らの仕事を完全に管理しているのは、ワインのトレーサビリティーを何よりも大切に考えているからです。数々の労力と時間を惜しみなく注ぎ込むその姿勢を、「妥協をしない、忍耐強く、がキーワード!」とジェラルディーヌは微笑みながら語ります。
「レス・イズ・モア」の思想が導く自然な醸造

2020年にオーガニック認証、2022年にはビオディナミ認証を取得。ブノワ・ライエらが所属する「Association des Champagnes Biologiques」や、ド・スーザらが名を連ねる「Les Mains du Terroir de Champagne」など、著名なオーガニック栽培グループの一員としても存在感を放っています。そんな彼らの醸造におけるフィロソフィーは、まさに「レス・イズ・モア(少ない方が豊か)」。ステンレスタンクでの発酵・熟成には、温度調節が可能な22〜44hlの小型サイズを採用し、可能な限りポンプの使用を控えています。さらに樽での発酵・熟成では、エキュイユの森のオークを含む産地の異なる樽を使い分け、一切のポンプを使用せず、無濾過、無清澄で仕上げるという徹底ぶり。マロラクティック発酵(MLF)の比率を極力抑える、あるいは全く行わないことで、純粋な美しさを守り抜いています。
優美な砂質土壌を体現する、今最も手に入らない「村の宝石」
こうして丁寧に表現されたシャンパーニュは、テロワールを隠すことなく、砂系主体の土壌を見事に写し出しています。それは堅牢でミネラリーなスタイルとは一線を画す、エレガントで優しい、心に染み入る味わい。この才能溢れるクリエイションには、世界の批評家たちも熱い視線を注いでいます。『Wine Advocate』誌が「真新しくスタイリッシュなラベルは醸造における根本的な変化を外面的に表現しているにすぎない」とその質の向上を讃えれば、フランスの『Terre de Vins』誌も「長く続く喜びを与え、またすぐに味わいたいという抗いがたい欲求を掻き立てる、この村の宝石」と惜しみない賛辞を贈ります。上級キュヴェに至っては年産1000〜4000本台と非常に希少。今後さらに注目が高まるにつれ入手困難を極める、今まさに手にするべき至高の生産者です。
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